「ベトナム向けのサイトも、Google対策だけで足りますよね」。海外展開の相談で、よく出てくる確認です。多くの国では、その理解でおおむね合っています。
ただしベトナムには、Googleの隣に名前を残し続けている現地発の検索エンジンがあります。Coc Coc(現地表記は Cốc Cốc)です。ベトナムで生まれたブラウザ兼検索エンジンで、Googleに次ぐ国内2位を保っています。
この記事は、ベトナム向けのサイトやサービスを担当することになった方に向けて書きました。どれくらい使われているのか、公式に何が確認できるのか、自社サイト側で何を確かめるのか。この3つを、図解と会話で順番に整理します。なお表記は、日本語環境でも入力しやすい「Coc Coc」に統一します。
こんなふうに調べていませんか
- ベトナム向けの検索対策を、Google以外までやるべきか決めたい
- 「Coc Coc AIO 対策」で検索して、何から手をつけるか探している
- 現地エンジンへの対応が要るのか要らないのか、社内に説明する材料がほしい
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- ベトナムでCoc Cocがどれくらい使われているかを、出典つきで説明できるようになります
- Coc Coc向けに確認する作業が、3つに絞れます
- 公式に確認できることと、まだ確認できていないことを、分けて話せるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Coc Cocは、Googleが95.59%を占めるベトナムで3.62%を保つ、現地発の検索エンジンです(出典: Statcounter・2026年6月)。
- 公式に確認できるのは、ウェブマスター向けの技術ガイドです。robots.txtの案内・クローラーの解説・サーバー負荷対策・URLの個別送信が公開されています。
- AI機能(Coc Coc AI Lab)は公式に発表されていますが、引用元をどう選ぶかの基準は公開されていません。分かっている部分と分かっていない部分を、分けて扱ってください。
この記事では、ベトナム向けの案件を受け持つことになったマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。ご自身に近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01そもそもCoc Cocって何ですか?ベトナムのAI検索対策で名前が出るのはなぜですか?
若葉さんベトナム向けの記事を任されたんですが、「Coc Cocも見ておいて」と言われまして…。正直、名前を初めて聞きました。
鈴木さん無理もありません。日本では見かけない名前ですからね。ひとことで言うと、ベトナムで生まれた、ブラウザと検索がひとつになったサービスです。
若葉さんブラウザと検索が、両方あるんですか。
鈴木さんはい。そこが、Google以外の現地エンジンとしては珍しい形なんです。
Coc Cocは、ベトナム発のブラウザ兼検索エンジンです。開発が始まったのは2008年、前身の「iTim Technologies」としてでした。ブラウザと検索サービスが公開されたのは2013年5月です(出典: Wikipedia)。
公式サイトによれば、2023年に月間3,000万ユーザーを達成しています。同じ年には「Coc Coc AI Lab」を立ち上げ、AI Chat・AI Searchという2つの製品を公式に発表しました。
海外の検索エンジンを調べるとき、私たちはつい「Googleの何%を奪ったか」という見方をします。ただ、この会社の成り立ちを追うと、順番が逆であることが分かります。先にブラウザを配り、そのうえで検索を持っているという形です。検索だけを提供する事業者とは、入口の作り方が違います。
この章のまとめ
Coc Cocはベトナム発のブラウザ兼検索エンジンで、2013年に公開されました。2023年にはAI Labを立ち上げ、AI Chat・AI Searchを発表しています。
02Coc Cocの「国内2位」という説明は、AI検索対策の材料として使えますか?
高梨課長気になったのですが、その「国内2位」というのは、会社自身が言っていることですよね。そのまま社内の資料に載せていいものでしょうか。
鈴木さんいい着眼点です。自己申告そのものより、その説明に根拠が添えてあるかどうかを見ます。
Coc Coc公式サイトは「複数年連続でベトナム国内2位」と説明しています。そのうえで、Decision Lab およびStatcounterの統計を、根拠として明記しています。
この点は、後述するシェアの実測とも突き合わせられます。公式の説明は、Statcounterの実測データとも整合します。
海外エンジンの情報は、日本語で読める資料が限られます。だからこそ、公式サイトの自己紹介を、そのまま鵜呑みにも全否定にもしないという扱い方が要ります。根拠の統計名が書いてあり、第三者の実測と突き合わせられるなら、社内資料の材料として使える形になります。
この章のまとめ
公式サイトは「国内2位」の根拠として統計を明記しており、第三者の実測とも整合します。自己申告は、根拠が添えてあるかで扱いを分けてください。
03Coc CocのAIO対策を考える前に、シェアはどれくらいあるんですか?
順番として、まず入口の形を見ます。ベトナム国内の検索エンジン市場は、次のような構成です。
| 検索エンジン | ベトナム国内シェア |
|---|---|
| 95.59% | |
| Coc Coc | 3.62% |
出典: Statcounter Global Stats(ベトナム・全プラットフォーム合算・2026年6月)
この2つの数字は、同じ土俵に並べるものではありません。Googleが95.59%を占めているので、検索まわりの設計はGoogle中心で組んで差し支えありません。ここを取り違えて「現地エンジン専用のサイトを別に作る」といった判断に進むと、労力の配分が合わなくなります。
一方で、3.62%はゼロではありません。Coc Cocは、Googleに次ぐ国内2位につけています。この位置づけが、本記事でこのエンジンを1本の記事として扱う理由です。
この章のまとめ
ベトナムの入口はGoogleが95.59%で、設計はGoogle中心で組みます。そのうえでCoc Cocが3.62%を保ち、国内2位につけています。
04ベトナムだけ現地エンジンが残っているのは、AI検索対策に関係しますか?
高梨課長鈴木さん、率直に伺います。3.62%のために、うちの限られた工数を割く価値はありますか。
鈴木さん「3.62%だから対応する」という考え方ではないと思います。見るべきは割合そのものより、この市場が持っている形のほうです。
高梨課長形、というと。
鈴木さん入口が1つではない、ということです。ASEANの中では、これがかなり珍しい状態なんですよ。
ここは、この記事でいちばん誤解されやすいところです。ベトナム国内での3.62%は、ASEAN6か国の中でGoogle以外のエンジンが3%を超える唯一の事例です(出典: Statcounter)。
つまり、Coc Cocが特別に大きいのではありません。周りの国では、Google以外の名前が3%にすら届かないという状態のほうが、実は当たり前なのです。ベトナムは、そこから外れています。
この読み方の違いは、実務にそのまま効いてきます。割合だけを見ると「小さいので後回し」で終わります。入口の数で見ると、「Google向けに整えたものが、そのまま届かない先がある」という話になります。どちらの判断を選ぶにしても、材料としては後者まで見てから決めるほうが確かです。
この章のまとめ
3.62%は、ASEAN6か国でGoogle以外が3%を超える唯一の事例です。割合の大小ではなく、入口が1つではない市場として扱ってください。
05シンガポールや韓国にも出てくるCoc Cocは、AI対策としてどう扱いますか?
Coc Cocの名前は、ベトナム国内にとどまりません。周辺国のStatcounter統計にも登場します。
| 市場 | Coc Cocのシェア | 出典時点 | |
|---|---|---|---|
| ベトナム | 3.62% | 95.59% | 2026年6月 |
| シンガポール | 1.07% | 92.98% | 2026年6月 |
| 韓国 | 1.22% | 45.91% | 2026年6月 |
出典: Statcounter Global Stats(各国別ページ・全プラットフォーム合算)
シンガポールでは1.07%、韓国では1.22%です。本国のベトナムより小さいものの、順位表の中に名前が残っています。なぜ国境を越えて使われているのか、その理由は本稿執筆時点で一次情報を確認できていません。
実務としては、この段階で設計を分ける必要はないと考えられます。数字の大きさから見て、シンガポールや韓国向けのサイトをCoc Cocのために作り替える理由は見当たりません。
そのうえで、覚えておく価値があるのは別のところです。アクセス解析を眺めていて、見慣れない参照元が下のほうに並んでいても慌てずに済むということです。多国籍のユーザーを抱える市場では、こうした名前が混ざります。原因を探しに行く前に、順位表の性質として知っておくと時間を使わずに済みます。
この章のまとめ
Coc Cocはシンガポール1.07%・韓国1.22%でも名前が残ります。理由は未確認ですが、設計を分ける段階ではなく、把握だけしておけば十分です。
06Coc CocのAI機能は、AI検索最適化の対象になるんですか?
若葉さんAI Labという名前が出てきましたが、これはよく聞くAIチャットのようなものと考えていいんでしょうか。
鈴木さん近い部分もありますが、公式に発表されているところまでで話を止めるのが安全です。中身の仕組みは公開されていないんですよ。
Coc CocのAI機能は、公式には「Coc Coc AI Lab」という枠組みに整理されています。2023年5月の公式発表で、AI Chat・AI Searchの2製品が発表されました(出典: Coc Coc公式)。
公式サイトで確認できる主なAI機能は、次のとおりです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| AIニュースフィード | 200以上のベトナム語ニュースソースからAIが記事を提案する機能 |
| AI Answer Box | AIが検索結果の複数情報源を要約し、自動で回答を生成する機能(Beta) |
| 音声検索 | 音声入力でキーワードを検索できる機能 |
| ウィジェット(垂直検索) | 旧暦・星座占い・天気・大気質・サッカーなど、生活に近い情報へ素早くたどり着ける機能 |
出典: Coc Coc公式サイト(Desktop機能ページ・Search機能ページ)
並べてみると、いわゆる対話型AIだけを作っている枠組みではないことが分かります。ニュースの提案、答えの要約、音声、生活情報の窓口。検索まわりのいろいろな場所に、AIの機能が差し込まれているという形です。
この章のまとめ
Coc Coc AI Labは2023年5月に発表され、AI Chat・AI Searchのほか、ニュース提案から音声検索まで複数の機能が公式に確認できます。
07AI Answer Boxに読まれる側として、AIO対策で何を意識しますか?
この中で、記事を作る側の関心にいちばん近いのがAI Answer Boxです。公式の説明では、AIが検索結果の複数の情報源を要約し、自動で回答を生成する機能(Beta)とされています。
答えを作るために外部の情報を読む以上、そこに何が読まれるかは、記事を作る側の関心事になります。ここはAI検索全般と同じ構図です。
評価の面でも、動きはあります。AI Chatは2023年12月、現地の信頼度アワード「Vietnam Trust Awards」でTop10入りを果たしています(出典: Coc Coc公式)。現地で一定の受け止められ方をしている、という材料にはなります。
ただし、ここから先は公開されていません。具体的なAIアルゴリズムや、どのような大規模言語モデルを使っているかといった技術詳細は、公式サイトでは開示されていないのが現状です。
この章のまとめ
AI Answer Boxは、複数の情報源を要約して答えを作る機能だと公式に説明されています。ただし、何を選ぶかの基準は公開されていません。
08ベトナムのAIチャットボット市場は、AI対策の優先順位をどう変えますか?
読者の側がどのAIを使っているのかも、あわせて見ておきます。ベトナム国内のAIチャットボット市場は、次のような構成です。
| AIチャットボット | ベトナム国内シェア |
|---|---|
| ChatGPT | 70.66% |
| Google Gemini | 20.63% |
出典: Statcounter Global Stats(ベトナム・2026年6月)
Coc Coc AI Labは、この2つのサービスが先行している市場の中でシェアを競う立場にあります。ここは、優先順位を考えるうえで押さえておきたい点です。
高梨課長整理させてください。検索の入口はGoogle、AIの答えの側はChatGPTとGemini。それならCoc Cocは、いつ効いてくるんでしょうか。
鈴木さん順番としては、そのあとだと考えられます。まずGoogle向けの土台を固めて、AIの答えに向けた書き方を整える。Coc Coc向けの技術対応は、そこに足す位置づけになります。
高梨課長足すもの、ということですね。差し替えではなく。
鈴木さんはい。土台の作業と重なる部分も多いので、順番さえ間違えなければ負担は大きくならないはずです。
この章のまとめ
ベトナムのAIチャットボットはChatGPT70.66%・Gemini20.63%です。Coc Coc向けの対応は差し替えではなく、土台を固めたうえで足す位置づけになります。
09ベトナム語のコンテンツは、Coc Coc向けのAI検索最適化でどこまで手をかけますか?
ベトナム向けに1つだけ、性質が違う作業があります。言語です。
ベトナム語で質問され、ベトナム語で答えが作られる場面では、読まれる材料もベトナム語で書かれたものになります。日本語の記事がどれだけ整っていても、その場面には出てきません。
やることの中身は、日本語で記事を整えるときと変わりません。結論を1文で書き、数字と主張に出典を添える。変わるのは、その作業をベトナム語の側でもう一度やる必要があるという点だけです。
この章のまとめ
ベトナム語で答えが作られる場面では、材料もベトナム語になります。書き方の整えを、翻訳の工程と一緒に進めてください。
10Coc CocのAIO対策は、robots.txtから何を確かめるんですか?
ここからは、自社サイト側で確かめる話に移ります。Coc Cocは、ランキングアルゴリズムの内部詳細を公式には開示していません。公式に確認できるのは、ウェブマスター向けの技術ガイド群です。
Coc Cocは公式サイト内に、「Search Console」に相当する技術情報ページを設けています。ここで公開されているのは、次の4つです(出典: Coc Coc公式)。
- robots.txtガイド — クローラーの巡回を、どう許可・拒否するか
- クローラーの解説 — Coc Cocのロボットが何をしているか
- サーバー負荷対策ガイド — 巡回によるサーバー側の負担をどう抑えるか
- URLの個別送信 — 個別のページを知らせる窓口
顔ぶれを見ると、特別なものは1つもありません。検索エンジンに読んでもらうための、ごく標準的な窓口が揃っているという状態です。robots.txtでの制御そのものも、Coc Coc公式ページが案内している標準的な手法です。
この章のまとめ
Coc Cocは公式に、robots.txtガイド・クローラー解説・サーバー負荷対策・URL個別送信を公開しています。中身は標準的な窓口です。
11Coc Cocの窓口はGoogleと別ですが、AI対策の手間は増えますか?
やることの中身は標準的でも、窓口が別にあるという一点は実務に効きます。Google Search Consoleを見ているだけでは、この窓口には触れないままになります。
手間としては、それほど大きなものではありません。robots.txtは、開いて読むだけならすぐに終わります。新しいツールも予算も要りません。
そのうえで、開いたときに見る点があります。AI関連のクローラーをまとめて拒否する設定にしていると、その先の判断がそこで全部止まります。学習に使われることを避けたいのか、AIの答えや検索結果に出てこなくなることまで含めて避けたいのかは、分けて考えられる場合があります。まとめて閉じる前に、何を避けたいのかを言葉にしてください。
この章のまとめ
窓口がGoogleと別にあることが、Coc Coc向けの実質的な違いです。手間は大きくありませんが、robots.txtは早い段階で開いてください。
12クローラー名が公式に確認できないとき、AI検索対策はどう進めますか?
高梨課長robots.txtに書くとなると、クローラーの名前が要りますよね。それはどこに載っているんですか。
鈴木さんそこが、この記事でいちばん正直に書いておきたいところです。複数のメディアが同じ名前を伝えていますが、公式ページでは確認できていません。
高梨課長名前が分からないまま、どう進めるんですか。
鈴木さん公式が案内している標準的な書き方に沿うのが先です。メディアが伝えている表記は、「そう報告されている」という扱いに留めておきます。
クローラー名は、複数のSEO専門メディアで「coccocbot」と報告されています。ただし、この文字列表記を公式ページで直接確認することは、本稿執筆時点でできていません。
第三者の情報がいくつ一致していても、それは一次情報の代わりにはなりません。ここを混ぜてしまうと、確認できていない表記を根拠に拒否設定を書くという、いちばん避けたい事故につながります。
もうひとつ、正直に書いておきます。本稿執筆時点で、日本企業がCoc Coc検索での引用や流入増加を定量的に示した公開事例は、一次情報から確認できていません。 事例が存在しないことの証明ではなく、公開されている一次情報がまだ少ない、という状態です。
この章のまとめ
クローラー名は複数のメディアが報告していますが、公式では確認できていません。第三者の一致を一次情報の代わりに使わず、公式の案内に沿って進めます。
13ベトナムの個人データ保護法は、Coc Coc向けのLLMO対策にも関わりますか?
LLMO対策という言葉で語られる作業の中身は、AI検索に情報源として選ばれるための整えです。その大部分は、公開されている記事やサイトの話です。ここまで見てきたrobots.txtや出典の書き方が、まさにそれにあたります。
ただし、ベトナム向けでは、その手前で確認しておく制度があります。ベトナムのデータ保護法制は、個人データ保護法(Law No.91/2025/QH15)が最新の枠組みです。2025年6月26日に成立し、2026年1月1日に施行されました(出典: ベトナム法令データベース)。旧来のDecree13/2023/ND-CP(2023年7月1日施行)を、法律のレベルへ格上げした位置づけになります。
若葉さん記事を書く仕事と、法律の話が、どうつながるんでしょうか。
鈴木さん公開する文章そのものは、多くの場合この話に触れません。ただ、問い合わせフォームやチャットの入力内容をAIの分析に回す設計にしていると、そこから先は個人データの領域に入ります。
若葉さん同じ案件の中でも、分けて考えるということですね。
鈴木さんそのとおりです。よく理解されました。
この章のまとめ
個人データ保護法は2026年1月1日に施行されました。公開コンテンツの整えと、個人データの取り扱いは分けて管理してください。
14ベトナムのAI法と国家AI戦略は、AI検索対策の前提をどう変えますか?
AIそのものについての立法も進んでいます。ベトナムではAI法(法律134/2025/QH15)が2025年12月に国会で可決され、2026年3月1日に施行されます(出典: ベトナム情報通信省公式)。
さらに背景として、国家AI戦略(Decision No.127/QĐ-TTg)が2021年1月26日付で決定されています。2030年までにASEAN上位4位・世界50位以内を目指す方針が掲げられています(出典: 首相決定原文の英訳版)。
並べてみると、育てる方向と、扱いを決める方向が、同じ時期に進んでいることが分かります。国家AI戦略が伸ばす側の目標を掲げ、個人データ保護法とAI法が扱い方の枠を作る、という並び方です。
明日の作業が、これで変わるわけではありません。ただ、前提そのものが動いている市場だと知っておくと、現地の担当者やパートナーとの会話が噛み合いやすくなります。制度の話題が出たときに、「そういえば最近そこが変わりましたね」と返せるかどうかの差です。
この章のまとめ
AI法は2026年3月1日に施行され、国家AI戦略は2030年までの目標を掲げています。前提が動いている市場として押さえてください。
15Coc CocのAIO対策は、結局どこから手をつければいいですか?
高梨課長分かりました。それで、うちは何から始めればいいでしょうか。専任は置けません。
鈴木さん3つに絞れます。どれも大がかりな体制変更を伴いませんので、いまの人数のままで着手できるはずです。
ベトナム向けは、この順でやります
公式のウェブマスターツールへの登録を検討する
Google向け対策に加えて、robots.txtでのクローラー制御とURL送信の仕組みが公式に提供されています
個人データ保護法の適用範囲を確認する
ベトナム国内のユーザーデータを扱う場合、法律レベルへ格上げされた新法の要件を点検してください
ベトナム語コンテンツの一次情報性と出典を整える
AI Chat・AI Searchでの引用を狙う場合、選定基準が非公開である以上、ここを土台にするのが現実的です
3つ目については、参考になる考え方があります。選定基準が公開されていないエンジンに向き合うとき、公式ツールの整備を土台に置くという姿勢です。これは、別の市場の現地エンジンに向き合う場合にも共通する進め方です(AIOM-323 で扱っています)。
AIOという概念そのものが曖昧なままだと、この3つも作業リストにしか見えません。前提の整理からやり直したい方は、AIOM-001 を先に読んでいただくと、順番が入りやすくなります。
この章のまとめ
Coc Coc向けは、公式ツールの登録検討・法制度の確認・ベトナム語コンテンツの整えという順で始められます。専任を置く前に、この3つを通してください。
16よくある質問
Coc CocはGoogleの検索エンジンをベースにしていますか?
公式サイトでは、Coc Cocを独自のブラウザ・検索エンジンとして説明しています。検索結果の生成方式に関する技術的な詳細は、本稿執筆時点で公式には開示されていません。「Googleのクローンではないか」という見方は流通していますが、公式情報から裏づけることはできない状態です。
Coc Coc向けのAI検索対策は、Google向け対策と別に必要ですか?
Coc CocはGoogleとは別に、robots.txtガイドやURL送信を含む公式ウェブマスターツールを提供しています。ベトナム市場でのシェア3.62%を踏まえると、Google向け施策とは別に技術対応を検討する価値があります。ただし優先順位としては、Google向けの土台を固めることが先です。
Coc Coc AI Lab(AI Chat・AI Search)への引用を増やす公式な方法はありますか?
本稿執筆時点で、Coc Cocは自社AI機能への引用基準を公式には開示していません。確認できる公式情報の中心は、ウェブマスター向けの技術ガイドです。基準が非公開である以上、ベトナム語コンテンツの一次情報性と出典の明確さを整えることが、現実的な備えになります。
シンガポールや韓国にもCoc Cocのシェアが出てくるのは、なぜですか?
シンガポールで1.07%、韓国で1.22%という数字がStatcounterに出ています(2026年6月)。この越境的なシェアの背景は、本稿執筆時点で一次情報を確認できていません。実務上は、設計を分ける段階ではなく、把握しておく程度で足ります。
日本企業がCoc Coc経由で成果を出した事例はありますか?
本稿執筆時点で、日本企業がCoc Coc検索での引用や流入増加を定量的に示した公開事例は、一次情報から確認できていません。事例が無いことの証明ではなく、公開されている一次情報がまだ少ない段階だとお考えください。
17まとめ|ベトナム向けに押さえる3つ
Coc Cocは、Googleが95.59%を占めるベトナムで3.62%を保つ現地発の検索エンジンです。ASEAN6か国の中で、Google以外のエンジンが3%を超える唯一の事例でもあります。設計はGoogle中心で組みつつ、入口が1つではない市場として扱ってください。
公式に確認できるのは、ウェブマスター向けの技術ガイドです。robots.txtの案内・クローラーの解説・サーバー負荷対策・URLの個別送信が公開されています。一方で、クローラー名の公式表記・ランキングの仕組み・AI機能の引用基準は、確認できていません。この線引きを保ったまま進めるのが、遠回りに見えて確かな道です。
もう一度、ベトナム向けの3つ
公式のウェブマスターツールへの登録を検討する
robots.txtの制御とURL送信の窓口が、Googleとは別にあります
個人データ保護法の適用範囲を確認する
2026年1月1日施行の新法です。専門家への確認をおすすめします
ベトナム語コンテンツの一次情報性と出典を整える
引用基準が非公開である以上、ここが土台になります
AI検索では、こう聞かれています
ベトナム向けの検索対策は、Googleだけを見ていれば足りますか?
「Coc CocのAIO対策を考える前に、シェアはどれくらいあるんですか?」の章と、「ベトナムだけ現地エンジンが残っているのは、AI検索対策に関係しますか?」の章で、実測値を表と図解で示しています
Coc Cocに自社サイトを認識してもらうには、何をすればいいですか?
「Coc CocのAIO対策は、robots.txtから何を確かめるんですか?」の章に、公式が公開している窓口をまとめています
Coc CocのAI機能に引用してもらう公式な方法はありますか?
「AI Answer Boxに読まれる側として、AIO対策で何を意識しますか?」の章で、公開されている範囲と非公開の範囲を分けて説明しています
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