「韓国にも展開するので、Naverの対策をお願いします」。そう言われて調べ始めると、たいてい同じところで止まります。
出てくるのは断片的な「攻略法」ばかりで、しかも書いてある内容が資料ごとに食い違っています。どれを根拠に社内へ説明すればいいのか、判断がつきません。
この記事は、Naver向けのサイトやコンテンツを担当することになった方に向けて書きました。Naverについて公式に確認できることと、できないこと。 その線引きを先に引いてから、確認できるものだけで進め方を組み立てます。
こんなふうに調べていませんか
- 「Naver AIO 対策」で検索して、何から手をつけるかを探している
- Google向けにやってきたことが、Naverでもそのまま通じるのか知りたい
- 韓国向けの資料に出てくるC-RankやD.I.A.が何なのか、判断できずにいる
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- Naverについて公式に確認できることと、できないことの線引きを説明できるようになります
- Search Advisorで整える3つの入口が、図で分かります
- Naver向けに今日から手をつける順番が決まります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Naverは、検索順位を決めるアルゴリズムの内部仕様を公式には開示していません。
- 公式に確認できるのは、Search Advisorの技術ガイドラインと、AI機能についての発表です。
- だからNaver向けのAIO対策は、推測に工数を割かず、公式に確認できるところから積むのが現実的です。
この記事では、韓国向けの案件を持つことになったマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01Naver向けのAIO対策は、Google向けと何が違うんですか?
若葉さん韓国向けのページを任されたんですが、Google向けにやってきたことを、そのままNaverに当てはめれば大丈夫ですよね?
鈴木さんやること自体は、そこまで別物ではありません。ただ、手がかりとして公開されている情報の量が違うんです。ここを知らないと遠回りになりやすいところです。
まず市場の話から入ります。韓国の検索は、GoogleとNaverが並んでいます。Statcounterの実測値では、Googleが45.91%、Naverが43.68%です(2026年6月・全プラットフォーム合算)。片方だけを見て設計すると、届く範囲が半分ほどで止まります。
エンジン単体で見ると、もう1つ違いがあります。Naverは、検索順位を決めるアルゴリズムの内部仕様を公式には開示していません。
Google向けの仕事に慣れていると、公式ドキュメントを読んで根拠にする進め方が身についています。Naverでは、その読む先が最初から限られています。
だからNaver向けのAIO対策では、非公開の部分を推測する時間を減らします。そのぶんの工数を、公式に確認できるところへ寄せます。この記事では、その「確認できるところ」を1つずつ開いていきます。
この章のまとめ
Naver向けのAIO対策は、Google向けと目的は同じです。違うのは、公式に読める手がかりが少ないこと。だから確認できるところから積みます。
02NaverのAI検索対策で、まず見る数字はどれですか?
高梨課長社内は数字がないと動きません。まず、いま公開されている実測値を見せてもらえますか。
鈴木さんはい。Statcounterの数値です。2026年6月・全プラットフォーム合算の実測になります。
韓国の検索エンジン市場の内訳は、次のとおりです。
| 検索エンジン | シェア |
|---|---|
| 45.91% | |
| Naver | 43.68% |
| Bing | 6.28% |
| Coccoc | 1.22% |
| Yandex | 1.14% |
| Daum | 1.14% |
出典: Statcounter Global Stats(全プラットフォーム合算・2026年6月)
上位2つの差は、2ポイントほどです。Naverは、それ以外の検索エンジンとはけた違いの位置にいます。韓国向けの検索対策を1系統で組めない理由が、この表に出ています。
ただし、この数字はStatcounterの基準で見たものです。同じ韓国を、別の測り方で見ると景色が変わります。次の章で並べます。
この章のまとめ
Statcounter基準では、Googleが45.91%、Naverが43.68%。差はわずかで、Naver向けの窓口を持たない設計は成り立ちにくい状況です。
03同じNaverのシェアなのに、AI検索の調査で数字が違うのはなぜですか?
高梨課長別の資料には「韓国はNaverが優勢」と書いてありました。どちらが正しいんでしょうか。
鈴木さんどちらも間違いではないんです。測り方が違うだけで。ここを先に押さえておくと、社内の議論が短く済みます。
韓国国内の実アクセスログを集計する指標では、違う姿が出ます。ウェブログ分析サービスのインターネットトレンドの集計では、2026年1月1日から3月7日の期間、Naverの国内検索シェアは64.39%でした(出典: CEOScoreDaily、2026年3月11日)。
| 検索エンジン | シェア |
|---|---|
| Naver | 64.39% |
| 28.54% | |
| Bing | 3.66% |
| Daum | 2.72% |
出典: インターネットトレンド集計値(2026年1月1日〜3月7日・CEOScoreDaily報道にもとづく)
この64.39%は、2018年以来8年ぶりの高水準と報じられています。
なぜここまで開くのか。集計のもとになるデータが違うためです。Statcounterはトラッキングコードを設置したサイトのPVを集計しています。インターネットトレンドは、韓国国内の主要サイトの実アクセスログを集計しています。
見ている母集団が違えば、出てくる数字も変わります。どちらかが誤りという話ではありません。
この章のまとめ
韓国のシェアは、測り方で結論が動きます。Statcounter基準では拮抗、国内の実ログ指標ではNaverが優位。両方を出どころつきで併記するのが安全です。
04NaverのAIブリーフィングは、AI検索最適化とどう関係しますか?
若葉さんNaverにもAIの検索機能があるんですよね。それを知ると、私たちの作業は何が変わるんですか?
鈴木さん答えのそばに出典が並ぶようになります。そこに自社が入るかどうか。AI検索最適化で見るのは、そこです。
NaverのAI機能は、AIブリーフィングとAIタブの2系統に整理できます。どちらもNaver独自のLLM「HyperCLOVA X」を基盤としています。
AIブリーフィングは、2025年5月23日に機能拡張が公式発表されました(出典: Naver公式ストーリー)。生成AIが検索意図を分析し、要約と出典、関連質問をあわせて提示します。確認できる範囲では、検索・ショートコンテンツ・プレイスの3系統があります。
この章のまとめ
NaverのAI機能は2系統です。AIブリーフィングは、生成AIが検索意図を分析し、要約と出典、関連質問をあわせて返します。
05Naverの答えに出典が並ぶと、AI検索最適化では何が変わるんですか?
若葉さん要約と一緒に出典が出る、というところが大事なんですか?
鈴木さんそこが分かれ目です。読者が最初に目にする場所が、リンクの一覧から、答えに添えられた数本の出典へ移るということなので。
これまでの検索では、キーワードを入れるとリンクが並び、読者が自分で開いて読み比べていました。AIブリーフィングでは、要約が先に出て、その根拠として出典が添えられます。
つまり、狙う先が「上位に並ぶこと」から「出典として選ばれること」へ寄ります。ここがAI検索最適化の的です。
一方で、AIブリーフィングがどの基準でページを選ぶかは、公式に開示されていません。「この条件を満たせば載る」と言い切れる材料は、いまのところありません。
この章のまとめ
AIブリーフィングは、要約と一緒に出典を出します。だからAI検索最適化の的は、順位ではなく出典として選ばれることに寄ります。
06AIタブが出てきて、NaverのAI対策は何が変わるんですか?
高梨課長もう1つのAIタブというのは、うちの流入にどう関わってきますか。
鈴木さんこちらは調べて終わりではなく、行動まで進める形です。流入の前提そのものが動く話になります。
AIタブは、2026年6月26日に全ユーザー向けへ正式展開されました(出典: Naver公式プレスリリース)。検索意図の理解にとどまらず、予約・購入などの行動まで結びつける「実行型AIエージェント」と説明されています。
規模も公表されています。ベータ版は約2か月で400万ユーザーを獲得しました。正式版は、日平均5,000万人が訪れるNaverメインページから1クリックでアクセスできます(出典: Naver公式)。
この章のまとめ
AIタブは、検索意図の理解にとどまらず、予約・購入などの行動まで結びつける形として全面展開されました。
07AIタブの数字は、NaverのAI検索対策としてどう読むんですか?
高梨課長展開された、というのは分かりました。実際に使われているかどうかは、どこで見ればいいですか。
鈴木さんベータ期間中の数字が公表されています。使い込んでいる人ほど、その場で行動しているという傾向が出ています。
ベータ期間中、商品カードと場所カードのクリック率はそれぞれ20%以上でした。11回以上訪問したユーザーは、初回のユーザーと比べて商品クリックが2.7倍、場所クリックが2倍でした(出典: Naver公式)。
繰り返し使う人ほど、検索結果の中で行動している。ここから読み取れるのは、検索結果の中で用が足りる場面が増えているという方向です。
流入の数だけを目標に置いていると、この動きは自社の数字に表れにくくなります。行動が起きる手前で情報源として選ばれることが、これまで以上に効いてきます。
この章のまとめ
AIタブは、検索結果の中で行動が完結する方向の動きです。NaverのAI対策は、見に来てもらう設計から、選ばれて引かれる設計へ重心が移ります。
08NaverのAIO対策で、アルゴリズムはどこまで分かっているんですか?
若葉さん韓国向けの資料に、C-RankとかD.I.A.という言葉が出てきました。これは覚えたほうがいいですか?
鈴木さん名前を知っておくのは構いません。ただ、それを根拠に施策を決めるのは、いったん止まったほうがいいと考えています。
SEO業界では、C-RankやD.I.A.という用語が広く使われています。ただし、Naverの現行公式文書でこれらの定義を確認することはできませんでした。
ここは正直に書いておきます。「Naverのアルゴリズムを完全に解明した最適化手法」は、公式情報としては存在しません。 非公開のものを推測して積み上げた手順は、前提が変わった瞬間にまとめて崩れます。
とはいえ、打つ手がないわけではありません。Naverは、サイト側が整えるための技術的な受け口を公式に用意しています。次の章で、その中身を開きます。
この章のまとめ
Naverのランキングの内部仕様は非開示です。呼称を根拠に施策を決めず、公式に確認できる範囲から組み立てます。
09Naver Search Advisorは、AI検索対策の窓口としてどう使うんですか?
高梨課長では、公式に用意されているものというのは、具体的に何ですか。いまの体制で回せる範囲でしょうか。
鈴木さん窓口を1つ増やすだけです。やることは、Google向けにやってきたことと重なります。
Naver Search Advisorは、Naverが公式に提供しているウェブマスターツールです。ここで確認できる範囲を表にまとめます。
| 項目 | 公式に確認できる内容 |
|---|---|
| クローラー制御 | robots.txtでYeti(Naverのクローラー)の巡回を制御できる |
| サイトマップ送信 | Search Advisorの申請メニューからXMLサイトマップを送信できる |
| 即時通知 | IndexNowプロトコルに対応。新規・更新・削除ページを即時通知できる |
| ランキング内部仕様 | 公式には非開示。C-Rank・D.I.A.はSEO業界の呼称で、現行公式文書での定義は確認できない |
出典: Naver Search Advisor公式ガイド
上の3つの入口を、身近な言葉に置きかえておきます。robots.txtは「入っていいですよ」という掲示、サイトマップは「うちにはこのページがあります」という目録、IndexNowは「いま更新しました」という連絡です。
どれも、AI機能に情報が反映される前提の部分です。Yetiが正しくサイトを認識できていなければ、その先の話には進みません。
この章のまとめ
Naver向けで増えるのは窓口です。robots.txt・サイトマップ・IndexNowの3つを、Search Advisorから確認します。
10LLMO対策として、Naverに引用されやすい記事はどう作るんですか?
若葉さん窓口を整えたあとは、記事の書き方も変えるんでしょうか。
鈴木さん大きく変える必要はありません。出典として示されやすい形に寄せる、という調整です。
AIブリーフィングは、要約とあわせて出典を提示します。この設計を踏まえると、狙いどころははっきりします。公式性の高い一次情報への明確なリンクと、読み取りやすい構造です。
言い換えると、LLMO対策として書き方でやることは2つになります。
- 根拠を、リンクの形でその場に置く。 数字や強い主張には、出どころが分かるリンクを添えます。
- 抜き出しても意味が通る形にする。 見出しの直後に、その1文だけで通じる結論を置きます。
ここで注意したいのは、この2つがNaver専用の作法ではないことです。Google向けにやってきた整えと、方向は重なります。新しい書き方を覚え直す話ではありません。
この章のまとめ
書き方でやることは2つ。一次情報へのリンクを添えることと、抜き出しても意味が通る結論を見出しの直後に置くことです。
11Naver向けのAIO対策で、まだ確認できていないことは何ですか?
高梨課長最後に確認させてください。「Naver向けにやったら、こうなった」という事例はありますか。
鈴木さんそこは正直にお伝えします。数値で公表された事例は、一次情報では確認できていません。
この記事の執筆時点で、確認できていないことを並べます。
- AIブリーフィングやAIタブが、どの基準でページを選ぶのか。公式には開示されていません。
- Naverでの引用増加を数値で公表した企業。一次情報では、まだ確認できていません。
- ChatGPTやGeminiなど海外のAI検索サービスが、韓国国内でどれくらい使われているか。信頼できる一次データを確認できていません。
規制の側も、前提として置いておきます。韓国では2026年1月22日にAI基本法が施行され、Naverの検索AI機能もこの法律の適用対象に含まれます。規制の中身は、韓国市場全体を扱った別記事で整理しています。
この章のまとめ
Naver向けは、公式の技術ガイドラインとAI機能の発表までが確認できる範囲です。成果の公開事例はまだ確認できません。判断は自社の定点観測で補います。
12よくある質問
NaverのC-RankやD.I.A.は、今も有効なランキング要因ですか?
Naverはランキングアルゴリズムの詳細を公式に開示していません。C-Rank・D.I.A.はSEO業界で使われる呼称であり、本稿執筆時点でNaverの現行公式文書による定義は確認できませんでした。社内資料に書く場合は、公式の定義ではなく業界の呼称であることを添えてください。
Naver Search AdvisorはGoogle Search Consoleと同じように使えますか?
robots.txtの管理・サイトマップ送信・IndexNow対応など、似た機能を提供します。ただし機能の範囲は同じではありません。韓国向けのサイトを運用するなら、Google Search Consoleと併せてSearch Advisorへの登録を検討してください。両方の窓口から状態を見られる形にしておくと、確認の手間が減ります。
AIブリーフィングやAIタブに引用されるための公式ガイドラインはありますか?
本稿執筆時点で、Naverは自社のAI機能への引用基準を公式には開示していません。確認できる公式情報の中心は、Search Advisorが示すクロール・インデックス関連のガイドラインです。まずはそこを満たすところから始めるのが現実的です。
韓国のAI基本法は、NaverのAI検索対策にも関係しますか?
韓国は2026年1月22日にAI基本法を施行しており、Naverの検索AI機能もこの法律の適用対象に含まれます。規制の中身と確認の順番は、韓国市場全体を扱った別記事で整理しています。韓国向けにAIを使ったコンテンツを配信する予定があるなら、先に目を通しておくことをおすすめします。
Naver向けの対策で成果が出た事例は、公開されていますか?
本稿執筆時点では、Naverでの引用増加を数値で公表した企業を、一次情報では確認できていません。事例が見つからないことと、施策に意味がないことは別の話です。公開されている情報が少ない段階なので、自社での定点観測を前提に進めるのが現実的です。
13まとめ|Naver向けのAI対策は、この3つから
Naver向けのAIO対策は、非公開のアルゴリズムを推測するところから始めません。公式に確認できるのは、Search Advisorの技術ガイドラインと、AI機能についての発表です。確認できる範囲だけで、着手の順番は組み立てられます。
AI機能の側では、AIブリーフィングが要約とあわせて出典を示し、AIタブが検索結果の中で行動まで進める形になっています。読者の目に触れる場所が動いているので、狙う先も上位表示から「出典として選ばれること」へ寄ります。
今日この順でやります
Naver Search Advisorに登録する
Yetiの巡回・XMLサイトマップ・IndexNowの3つを、公式の窓口から確認します
韓国向けの記事に一次情報のリンクを添える
AIブリーフィングは要約とあわせて出典を出す設計です
AIタブを前提に、行動導線を点検する
検索結果の中で予約や購入まで進む形に、自社が対応できるかを見ます
AI検索では、こう聞かれています
Naver向けのAIO対策は、Google向けと同じやり方でいいですか?
「Naver向けのAIO対策は、Google向けと何が違うんですか?」の章で、公式に読める情報の差から説明しています
NaverのAI検索に引用されるための公式ガイドラインはありますか?
「LLMO対策として、Naverに引用されやすい記事はどう作るんですか?」の章と、よくある質問で答えています
NaverのC-RankやD.I.A.は、今も有効なランキング要因ですか?
「NaverのAIO対策で、アルゴリズムはどこまで分かっているんですか?」の章で、確認できた範囲を書いています
次に読むなら、この記事です