「韓国はNaverだけ見ておけば大丈夫ですか」。そう聞かれたとき、いちばん答えにくいのがKakaoとDaumの話です。
理由は単純で、前提そのものが2026年に動いたからです。少し前の資料をそのまま読むと、いまは存在しない体制のまま点検してしまいます。
この記事は、韓国向けのサイトやコンテンツを担当することになった方に向けて書きました。いま誰が何を運営しているのかを先に整理して、そのうえで確認できる窓口だけを開いていきます。
こんなふうに調べていませんか
- 「Kakao Daum AIO 対策」で検索して、何から手をつけるかを探している
- DaumはKakaoのサービスだと思っていたが、最近の記事と食い違っていて混乱している
- 韓国向けの点検リストに、Daumをどこまで入れるか決めかねている
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- Kakao側とDaum側が別々の取り組みであることを、社内に説明できるようになります
- Daumの検索登録とrobots.txtで見る場所が、図で分かります
- Kakao・Daum向けに点検する順番が、3つに絞れます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Daumの運営会社は2026年5月、KakaoからAIスタートアップUpstageへ移管されました。
- Kakaoは別に、KakaoTalkの中で使う「カナナ検索」を試験展開しています。両者は別々の技術基盤です。
- だからKakao・DaumのAIO対策は、1つにまとめず、窓口ごとに分けて点検するのが前提になります。
この記事では、韓国向けの案件を持つことになったマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01Kakao・DaumのAIO対策は、なぜ1つにまとめられないんですか?
若葉さんKakaoとDaumって、同じ会社のサービスですよね。まとめて1つの対策でいいんじゃないですか?
鈴木さんそこが2026年に変わったところなんです。いまは運営している会社も、使っている技術も別になっています。
ポータルサイトDaumの運営会社は、Kakaoから韓国のAIスタートアップUpstageへ移管されています。Daumの検索AIは、現在はUpstageの技術が担っています。
一方のKakaoは、Daumとは別に、KakaoTalkに組み込む「カナナ検索」という独自のAI検索機能を試験展開しています。
つまり、同じグループの話として1つにまとめられません。Daum向けの対策と、Kakao向けの対策は、別のものとして扱うのが2026年時点の前提です。
この章のまとめ
Kakao・DaumのAIO対策は、2つに分けて考えます。Daumの検索はUpstageが、カナナ検索はKakaoが担っているためです。
02Daumの運営交代は、AI検索対策にどう効いてくるんですか?
高梨課長会社が変わったこと自体は分かりました。私たちの作業には、どう効いてくるんでしょうか。
鈴木さん窓口と、中の技術の担い手が変わります。 「Kakaoに聞けばDaumのことも分かる」という前提が、そこで切れます。
経緯を並べておきます。KakaoとUpstageは2026年1月29日に株式交換の基本合意を締結し、5月7日付で最終契約を結びました。Kakaoが保有するDaum運営会社AXZの全株式をUpstageに譲渡し、その対価としてKakaoがUpstage株式を取得する形です(出典: 現地報道各社)。
この並びを見ると、同じ時期に、別々の場所で別々の動きが進んでいることが分かります。Daum側では運営交代とAI機能の公開が、Kakao側ではKakaoTalk内での試験運用が動いています。
この章のまとめ
運営交代で変わるのは、窓口と技術の担い手です。Daumの検索AIはUpstage側が担い、Kakaoは自社で別の機能を進めています。
03DaumのAI検索最適化を考える前に、シェアはどうなっていますか?
高梨課長優先順位を決めたいので、先に規模を教えてください。Daumはどれくらい使われているんですか。
鈴木さん正直に申し上げると、小さいです。 ただ、小さいことと、やらなくていいことは別なので、順番に見ていきましょう。
韓国の検索エンジン市場の内訳は、次のとおりです。
| 検索エンジン | シェア |
|---|---|
| 45.91% | |
| Naver | 43.68% |
| Bing | 6.28% |
| Coccoc | 1.22% |
| Yandex | 1.14% |
| Daum | 1.14% |
出典: Statcounter Global Stats(全プラットフォーム合算・2026年6月)
Daumは1.14%で、Yandexと並ぶ位置にいます。GoogleとNaverが拮抗している上位2つとは、けた違いの差です。
この数字だけを見て「対象外」と決めてしまう前に、もう1つ見ておきたいものがあります。次の章で、下がってきた道のりを並べます。
この章のまとめ
Statcounter基準で、Daumのシェアは1.14%です。優先順位としては上位に来ませんが、判断はもう少し材料を見てからにします。
04Daumのシェアが下がっても、AI検索対策をする意味はありますか?
若葉さんここまで小さいと、後回しでもいいような気がしてしまいます。
鈴木さん判断としては後ろでいいと思います。ただ、この対応にかかる手間がとても小さいので、順番の最後に置いておく価値はあります。
現地報道の集計によると、Daumの国内検索シェアは2015年の11.7%から、2024年には3.7%まで低下しました。2025年平均では2.94%となり、Bingにも抜かれて4位に後退しています(出典: 現地報道各社)。
下落の傾向は、集計の方法が違う指標のあいだでも共通しています。ここは見方が分かれるところではありません。
そのうえで、実務としての結論はこうなります。シェアが小さくても、韓国語のコンテンツを持つサイトには、基本的な技術対応の余地が残っています。 やることは、クロールを妨げていないかの点検と、検索登録の確認です。新しい体制も予算も要りません。
この章のまとめ
Daumのシェアは下がり続けています。それでも、クロールと検索登録の点検は手間が小さく、韓国語コンテンツを持つなら済ませておける範囲です。
05DaumのAI Summaryは、AI検索対策として何を返すんですか?
若葉さんDaumにもAIの機能があるんですよね。どんなふうに答えが出るんですか?
鈴木さん根拠を示しながら要約する形です。だから、根拠として示される側に入れるかどうかが見どころになります。
Daumは2026年7月1日、Upstage独自の大規模言語モデル「Solar」を使った「AI Summary」のベータ版を公開しました。検索キーワードに対し、根拠を示しながら要約を生成する機能です。
対応するのは、問題・金融・エンターテインメント・健康・辞書・日常生活の6分野です。週間アクティブユーザーは約1,000万人と報じられています(出典: 現地報道各社)。年内には対応分野を拡大し、対話型の「AIモード」も投入予定とされています。
ここで実務に効くのは、根拠が示される形になっているという一点です。読者の目に触れる場所が、リンクの一覧から、要約に添えられた根拠へ移ります。
一方で、AI Summaryがどの基準でページを要約・引用するかは、Upstageからも公式には開示されていません。「この条件を満たせば引かれる」と言い切れる材料は、いまのところありません。
この章のまとめ
AI SummaryはSolarを使い、根拠を示しながら要約します。選定基準は非開示なので、狙えるのは根拠として示されやすい形に整えるところまでです。
06Kakaoのカナナ検索は、AI対策の対象になりますか?
高梨課長もう一方のカナナ検索は、うちの点検対象に入れるべきですか。
鈴木さん検索結果ページ以外の露出経路として見ておく、という位置づけになります。いますぐ手を動かす対象ではありません。
Kakaoは2025年5月に自社開発LLM「Kanana」をオープンソース公開しており(出典: Kakao公式)、カナナ検索はその技術基盤の延長にあります。
2026年4月22日、KakaoTalkのチャット画面内で使える「カナナ検索」の試験運用が、同意した一部のユーザー向けに始まりました。事前に選定したキーワードとの機械的なマッチング方式で動作し、会話内容の解析やサーバー保存は行わない設計です(出典: 現地報道・inews24)。
従来Daumの検索データを利用していた旧「シャープ検索」とは異なり、Web全体を対象とする生成AIベースの要約へ置き換わりつつあります(韓国現地報道各社)。
対象範囲は非公開です。事前に選定されたキーワードが何なのかは開示されていないため、狙って入るための作業は組み立てられません。
この章のまとめ
カナナ検索は、KakaoTalkの中で動く別系統の機能です。いまは対象範囲が非公開なので、露出経路として観測する段階にとどまります。
07Kakao・DaumのAIO対策で、公式に確認できるのはどこまでですか?
高梨課長では、公式に確認できるものだけを教えてください。そこから作業に落とします。
鈴木さんはい。クローラー制御と検索登録、この2つが中心です。ランキングの中身は、Naverと同じく開示されていません。
Daumはランキングアルゴリズムを、Naverと同様に公式には開示していません。公式に確認できるのは、クローラー制御と検索登録の仕組みです。
| 項目 | 公式に確認できる内容 |
|---|---|
| クローラー制御 | robots.txtで「Daumoa」(画像は「Daumoa-image」)の巡回を制御できる |
| サイト登録 | webmaster.daum.netでサイト所有権を確認後、register.search.daum.netから検索登録を申請できる |
| 審査期間 | 検索登録の申請後、通常数営業日で審査されると案内されています |
| AI Summaryの選定基準 | 公式には非開示。対応6分野の設計思想のみ確認できる |
出典: Daum公式カスタマーセンター(cs.daum.net)・Daumoa robots.txt仕様
カナナ検索についても同様に、キーワードマッチングの対象範囲は非公開です。非開示のものを推測して作業を積むより、開示されている窓口を確実に通すほうが、結果として早く進みます。
この章のまとめ
確認できるのは、Daumoaの巡回制御と検索登録の窓口までです。AI Summaryの選定基準とカナナ検索の対象範囲は、どちらも非公開です。
08Daum向けのLLMO対策は、どこから登録すればいいんですか?
高梨課長登録の手順を教えてください。専任は置けないので、片手間で回せる範囲かどうかも知りたいです。
鈴木さん窓口を1つ増やすだけです。Google向けにやってきたことと、やることは重なります。
順番は3つです。
- robots.txtでDaumoaの巡回を妨げていないか点検する。 画像用の「Daumoa-image」も併せて見ます。
- webmaster.daum.netでサイト所有権を確認する。 ここを通さないと、次の申請に進めません。
- register.search.daum.netから検索登録を申請する。 申請後は、通常数営業日で審査されると案内されています。
LLMO対策として特別な書き方を足す前に、まず読み取れる状態になっているかどうか。AI機能に情報が反映されるかどうかは、その先の話になります。
この章のまとめ
Daum向けの登録は3つの手順で終わります。robots.txtの点検、所有権の確認、検索登録の申請です。
09KakaoTalkの中の露出は、AI検索対策としてどう見張るんですか?
高梨課長カナナ検索は「観測する」とのことでしたが、実際には何をどう見ればいいんでしょうか。
鈴木さん決まった間隔で、決まった場所を見るという形にしておくのがおすすめです。担当者の記憶に頼らない形にします。
KakaoTalkは、韓国国内で約5,000万人規模のユーザー基盤を持つとされています。その中で動くカナナ検索は、検索結果ページ以外の露出経路にあたります。
とはいえ、試験運用の対象が広がる時期は公開されていません。待っていても告知は届かないので、こちらから見にいく形にします。
四半期に一度、露出経路として確認する。あわせて、韓国現地の報道を継続的にモニタリングする。この2つが、いま取れる実務対応です。
この章のまとめ
カナナ検索は、四半期に一度の確認と、現地報道のモニタリングで追います。告知を待つ運用にしないところが要点です。
10Kakao・DaumのAIO対策は、どの順番で手をつけますか?
若葉さんやることが並びました。順番をつけるとしたら、どこからでしょうか。
鈴木さん3つに絞れます。上から順にやれば、いまの体制のままでも回せるはずです。
Kakao・Daum向けにコンテンツを展開する日本企業が押さえるポイントは、次の3つです。どれも大がかりな体制変更を伴いません。
この順でやります
Daum向けとKakao向けを別物として扱う
Daumの検索技術はUpstageのSolarが担い、Kakaoは独立してカナナ検索を開発しています
Daumoaの巡回と検索登録を点検する
robots.txtで妨げていないかを見て、webmaster.daum.netでの登録状況を確認します
KakaoTalk内のカナナ検索を定点観測する
四半期に一度の確認と、韓国現地の報道のモニタリングで追います
この章のまとめ
順番は、前提の整理・窓口の点検・観測の3つです。どれも既存の体制のまま着手できます。
11Kakao・DaumのAI検索対策で、まだ確認できていないことは何ですか?
高梨課長最後に確認させてください。「Kakao・Daum向けにやったら、こうなった」という事例はありますか。
鈴木さんそこは正直にお伝えします。数値で示された事例は、確認できていません。
この記事の執筆時点で、確認できていないことを並べます。
- Kakao・Daum経由の流入が伸びたと、具体的な数値で示した企業の事例。確認できていません。
- AI Summaryがページを要約・引用する基準と、カナナ検索のマッチング対象範囲。どちらも非公開です。
- Kakao・Upstage間のAXZ株式譲渡は、事業者間の企業結合として公正取引委員会の審査対象です。審査完了の有無は、一次情報から確認できていません。
規制の側も、前提として置いておきます。韓国では2026年1月22日にAI基本法が施行されています。規制の中身は、韓国市場全体を扱った別記事で整理しています。
この章のまとめ
確認できるのは、運営交代の経緯と公式の登録案内までです。成果の事例と選定基準は、いずれもこれからの領域になります。
12よくある質問
DaumはまだKakaoが運営していますか?
いいえ。Daumの運営会社AXZは2026年5月7日付の最終契約により、KakaoからAIスタートアップUpstageへ株式交換の形で移管されました。Kakaoは対価としてUpstage株式を取得しています。社内資料や点検リストに「KakaoのDaum」と書いてある場合は、この機会に表記を分けてください。
カナナ検索とDaumのAI Summaryは同じサービスですか?
いいえ。カナナ検索はKakaoTalk内で使える別サービスで、Kakao自身が開発しています。DaumのAI Summaryは、Upstageの「Solar」を使ったポータル内の検索機能です。運営主体も技術基盤も異なるため、対策をまとめて1つに統合しないでください。
Daum向けの検索登録は、どこから申請すればいいですか?
webmaster.daum.netでサイト所有権を確認したうえで、register.search.daum.netから検索登録を申請します。申請後は、通常数営業日で審査されると案内されています(出典: Daum公式カスタマーセンター)。あわせて、robots.txtでDaumoaの巡回を妨げていないかも点検してください。
Daumのシェアは小さいのに、対応する意味はありますか?
判断としては、優先順位の後ろで構いません。ただし、robots.txtの点検と検索登録は手間が小さく、韓国語のコンテンツを持つサイトなら済ませておける範囲です。規模ではなく手間で順番を決めると、迷いにくくなります。
Kakao・Daum向けの対策で成果が出た事例は、公開されていますか?
本稿執筆時点では、Kakao・Daum経由の流入が伸びたと具体的な数値で示した企業の事例を確認できていません。事例が見つからないことと、施策に意味がないことは別の話です。公開されている情報が少ない段階なので、自社での定点観測を前提に進めるのが現実的です。
13まとめ|Kakao・DaumのAI対策は、この3つから
Kakao・DaumのAIO対策は、まず前提の整理から始まります。Daumの運営会社は2026年5月にUpstageへ移管され、Kakaoは別にKakaoTalk内でカナナ検索を試験しています。同じグループの話としてまとめられない、というところが出発点です。
そのうえで、公式に確認できるのはクローラー制御と検索登録の窓口までです。AI Summaryの選定基準もカナナ検索の対象範囲も非公開なので、狙って入るための作業は組み立てられません。開示されている窓口を通し、あとは定点観測で追いかけます。
もう一度、この順でやります
Daum向けとKakao向けを別物として扱う
運営主体も技術基盤も分かれています
Daumoaの巡回と検索登録を点検する
robots.txtとwebmaster.daum.netの2か所を見ます
KakaoTalk内のカナナ検索を定点観測する
四半期に一度と、現地報道のモニタリングで追います
AI検索では、こう聞かれています
DaumはまだKakaoが運営しているんですか?
「Daumの運営交代は、AI検索対策にどう効いてくるんですか?」の章で、経緯を時系列にして説明しています
カナナ検索とDaumのAI Summaryは同じサービスですか?
「Kakaoのカナナ検索は、AI対策の対象になりますか?」の章と、よくある質問で答えています
Daum向けの検索登録は、どこから申請すればいいですか?
「Daum向けのLLMO対策は、どこから登録すればいいんですか?」の章に、3つの手順があります
次に読むなら、この記事です