欧州向けの発信をどこから広げるかという話になったとき、ベルギーは「EUの本部がある国」として名前が挙がります。ただ、そこで検索やAIの実態がすぐ浮かぶ方は、多くないはずです。
そこで手が止まってしまった方に向けて、この記事を書きました。
この記事では、ベルギーについて一次情報で確認できたことだけを並べます。検索エンジンのシェア、AIチャットボットの使われ方、言語で分かれる読者、そしてブリュッセルに集まるEU機関の権限。そして同じくらい大事な、まだ確認できていないことも、そのまま書きます。
海外市場の記事は、言い切ったほうが読みやすくなります。それでも、確認できていないことを断定に見せる書き方は避けました。投資の判断材料として読んでいただくためです。
こんなふうに調べていませんか
- 「ベルギー AI検索 対策」で検索して、市場の実態を知りたいと思っている
- 欧州向けのデジタル投資を検討していて、判断材料になる数字を探している
- EUのAIのルールがどこで決まっているのかを、担当者として確かめたい
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- ベルギーの検索市場がどこに寄っているかを、数字で説明できるようになります
- EUのルールを作る場所と、国内で守る場所の違いが分かります
- 日本企業として先に確認することが、3つに絞れます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- ベルギーの検索市場は、Googleが87.33%を占めます。欧州全域の平均88.62%をわずかに下回る、標準的な構成です(2026年6月・Statcounter)。
- ルールを作る場所と、国内で守る場所が分かれています。欧州委員会とEU理事会の本部はブリュッセルにあり、AI Actの実務を担うAI Officeも欧州委員会の中に置かれています。
- 一方で、ベルギー国内の当局の指定は、本稿執筆時点で完了していません。確認できたことと、まだ確認できていないことを分けて書きます。
この記事では、ある会社のマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。あなたに近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01ベルギーのAI検索対策は、まず何を見るところから始めるんですか?
若葉さんベルギーって、検索エンジンの使われ方も日本と違うんでしょうか。EUの本部がある国と聞くと、何か特別なことがありそうな気がしてしまって。
鈴木さん検索の構成そのものは、欧州のなかでは標準的なんですよ。特別なのは、そこではなく制度の側です。まずは数字から見ていきましょう。
ベルギーの検索エンジン市場は、Googleが優位を保ちながらも、突出した集中は見せていません。まず実測値を並べます。
| 検索エンジン | シェア |
|---|---|
| 87.33% | |
| Bing | 8.68% |
| Ecosia | 1.27% |
| Yahoo! | 1.06% |
| DuckDuckGo | 0.98% |
| Yandex | 0.43% |
出典: Statcounter Global Stats(全デバイス合算・2026年6月)
表を眺めるより、棒の長さで見たほうが早いかもしれません。1本が長く伸びて、2番手がわずかに顔を出し、残りはほとんど見えないという形です。
2番手のBingは8.68%です。Ecosia・Yahoo!・DuckDuckGo・Yandexは、いずれも小さな数字にとどまります。入口をどこに置くかという話でいえば、選択肢はかなり絞られている市場です。
この章のまとめ
ベルギーの検索市場は、Googleが87.33%。2番手のBingが8.68%で、それ以外は小さな数字にとどまります。
02Google87.33%という数字は、ベルギーのAI検索対策に何を意味しますか?
シェアの数字は、そのまま施策になるわけではありません。読み替えて、はじめて判断材料になります。
そのために、まず隣に別の数字を置きます。欧州全域の平均は88.62%です(別記事『欧州のAI検索動向|Google8割台のシェアとEU規制を図解で整理』)。オランダは86.84%でした(別記事『オランダAI検索の監督構造|分散型規制とデジタル市場』)。
3つを並べると、ベルギーの立ち位置がはっきりします。欧州の平均並みで、極端に寄ってもいなければ、極端に分散してもいない市場です。
ベルギーの87.33%は、単独で見れば高い数字に映ります。地域の平均を隣に置くと、印象が変わります。
この章のまとめ
87.33%は、欧州全域の平均88.62%をわずかに下回り、オランダの86.84%をやや上回る水準です。欧州のなかでは平均並みの市場だと言えます。
03欧州向けに作った設計は、ベルギーのAI検索対策にそのまま使えますか?
平均並みだと分かったところで、次に決めるのは「設計を作り直すのか、流用するのか」です。
そのまま持ち込みやすい、というのが1つめの読みです。地域の平均から大きく外れていないため、ベルギーだけのために設計を別に用意する必然性は高くありません。欧州全域向けに決めた優先順位を、ここでも土台にできます。
それでも入口はGoogleに寄っている、というのが2つめの読みです。2番手との差は大きく開いています。複数の検索エンジンへ手を分散させるより、まずGoogle側での見え方を確かめるほうが先になります。
この章のまとめ
欧州向けの設計は流用しやすい市場です。そのうえで、入口がGoogleに寄っている点だけは確かめ直します。
04このシェアの数字は、AI検索対策の判断材料としてどこまで使えますか?
数字を出したので、その数字の限界もあわせて書いておきます。ここを飛ばすと、判断を誤ります。
本稿のシェア数値は、Statcounter単独の実測にもとづいています。ベルギー政府による独自統計との突合は、本稿執筆時点で確認できていません。
Statcounterは、計測タグを設置したサイト群のページビューを集計する方式です。どのサイトにタグが入っているかによって、数字が振れる余地があります。サイト構成の偏りに由来する誤差が生じうる点には、留意してください。
この章のまとめ
シェアの数字はStatcounter単独に依拠しています。政府統計との突合は未確認で、計測方式に由来する誤差もありえます。
05ベルギーで使われているAIチャットボットは、AI検索最適化でどれを見ればいいですか?
若葉さん検索の勢力図は分かりました。AIのほうは、現地でどれが使われているんでしょうか。ここも日本と同じでいいのか、気になっていて。
鈴木さんこちらは、検索よりもさらに偏っています。確かめる場所が絞りやすいという意味では、担当者にとってありがたい形ですね。
ベルギーのAIチャットボット市場では、ChatGPTが73.94%を占めています(出典: Statcounter、2026年6月)。
| サービス | シェア |
|---|---|
| ChatGPT | 73.94% |
| Microsoft Copilot | 8.25% |
| Google Gemini | 6.6% |
| Perplexity | 5.59% |
| Claude | 5.41% |
| Phind | 0.21% |
出典: Statcounter Global Stats(AIチャットボット市場シェア・2026年6月)
検索エンジンと同じで、ここでも入口が1つに寄っています。検索はGoogle、AIチャットボットはChatGPT。見にいく先が絞りやすい市場だと言えます。
自社の名前がAIの答えのなかでどう扱われているかを確かめるとき、この偏りはそのまま優先順位になります。すべてのサービスを横断して調べる前に、まずChatGPTでの見え方から入るという順番です。
この章のまとめ
ベルギーのAIチャットボット市場は、ChatGPTが73.94%。検索と同じく、入口が1つに寄っています。
06読者が言語で分かれる国では、AI検索最適化は何を先に決めるんですか?
ここからは、コンテンツの作り方に直接効いてくる話です。ベルギーには、他の欧州各国と並べたときに見落としやすい特徴があります。読者が言語圏で分かれているという点です。
Reuters Institute Digital News Report 2026(2026年6月16日公開)によれば、ベルギーのニュース全般への信頼度は39%で、前年比4ポイントの低下でした。ただし、この数字は国全体をならしたものです。言語圏別に見ると、フラマン語圏は49%、フランス語圏は28%と、開きがあります。
生成AIの使われ方にも、同じ構図が出ています。同レポートは、フラマン語圏のメディアユーザーの43%が月1回以上生成AIを利用していると報告しています(前年比15ポイント増)。18〜24歳では75%、学生では81%に達します。主な用途は、情報を素早く見つけることです(出典: Reuters Institute)。
ここから、AI検索最適化の設計で先に決めることがはっきりします。どちらの言語圏に向けて書くのかを、最初に決めることです。国名でひとくくりにすると、数字のある側の実態だけを見て、数字のない側にも同じ前提を当ててしまいます。
この章のまとめ
ベルギーは読者が言語圏で分かれます。ニュースへの信頼度も生成AIの使われ方も、フラマン語圏とフランス語圏で同じではありません。
07片方の言語圏しか数字が無いとき、ベルギーのAI検索対策はどう組みますか?
前の章で挙げた生成AIの利用状況は、フラマン語圏について報告されたものです。フランス語圏の同種の数値は、本稿執筆時点で確認できていません。片方だけ数字があり、もう片方は空欄という状態です。
こういうとき、いちばん起こりやすいのが空欄の側を、数字のある側で埋めてしまうことです。「ベルギーの読者は生成AIをよく使う」という一文にまとめた瞬間に、根拠が片方へ偏ったまま社内を回り始めます。
やることは2つです。数字には、どの言語圏のものかを添える。そして、数字が無い側は空欄のまま渡す。埋めないことが、この場合の正確さになります。
この章のまとめ
生成AIの利用状況が確認できているのはフラマン語圏側です。フランス語圏の同種の数値は未確認で、空欄のまま渡すのが正確な扱いです。
08ニュースへの信頼が下がるベルギーで、LLMO対策は何を優先しますか?
数字をもう少し並べます。ここは、書き方の優先順位に効いてくる部分です。
同じReuters Institute Digital News Report 2026によれば、ベルギーのインターネット普及率は96%です。ニュース全般への信頼度は39%で、前年比4ポイントの低下。有料オンラインニュースの購読率は14%で、こちらも前年比2ポイントの低下でした。報道の自由度指数では、180か国中16位に位置しています(出典: Reuters Institute)。
インターネットはほぼ行き渡っている一方で、ニュースへの信頼と支払いは、どちらも下向きです。
この並びから、LLMO対策(AI検索最適化とも呼ばれます)の優先順位が導けます。根拠のありかを示す書き方が、相対的に効きやすいという考え方です。読み手が自分で確かめたがる市場では、主張のそばに出典を置く設計が先に来ます。
もっとも、これは「信頼度が低いから出典が効く」という因果が検証された話ではありません。市場の性質から導ける、方針の立て方だと受け取ってください。
この章のまとめ
インターネット普及率96%、信頼度39%、有料購読14%。読み手が自分で確かめたがる市場では、出典の明示を先に置く設計が考えられます。
09ベルギー企業のAI検索対策の事例は、見つかっているんですか?
高梨課長現地企業の取り組み事例はありますか。社内を通すときに、他社がどうしているかは決まって聞かれるところなんです。
鈴木さん正直に申し上げます。ベルギー国内の一企業がAI検索対策の成果を独自に公表した事例は、本稿執筆時点で一次情報から確認できませんでした。無いとも言えませんが、確認できたとも言えない状態です。
自社サイトのAI検索経由での見え方を数値で示したベルギー企業の事例を探しました。ただ、本稿執筆時点で一次情報にはたどり着けていません。
もっとも、この国で意味を持つ問いは「企業が何をしたか」ではありません。「規制そのものがどこで作られているか」のほうです。ベルギーの場合、企業事例より制度側の情報のほうが、はるかに厚く公開されています。
事例が見つからないことを、「まだ誰も取り組んでいない」と読み替えないでください。公開情報として出ていないというだけの可能性もあります。ここで言えるのは、他社事例を待つより自社でデータを取りにいくほうが早い、ということだけです。
この章のまとめ
ベルギー企業のAI検索対策の公表事例は、一次情報で確認できていません。厚く確認できるのは、制度の側の情報です。
10ブリュッセルに機関が集まっていることは、AI検索対策とどう関係しますか?
では、その制度側を見ていきます。ここがベルギーという国のいちばんの特徴です。
欧州委員会とEU理事会の所在地を定めているのは、EUの基本条約に付属する議定書第6号です。同議定書は、欧州委員会について「The Commission shall have its seat in Brussels」と定めています。EU理事会についても、ブリュッセルを本部と定める条文があります(出典: EU基本条約 議定書第6号)。欧州議会の本会議はストラスブールが正式な所在地ですが、委員会審議はブリュッセルで行われます。
つまりベルギーは、EUのルールが適用される国であると同時に、そのルールが作られる場所でもあります。この二重性が、担当者にとっての実務の形を決めます。
見る窓口が2つに分かれている、と覚えてください。国内当局だけを追いかけていると、実務に効く改正のほうを取り逃がします。逆に、EUの発表だけを見ていると、国内の問い合わせ窓口の変化に気づけません。
この章のまとめ
ベルギーはEUのルールが適用される国であり、同時にそのルールが作られる場所でもあります。見る窓口は国内当局とEU本体の2つです。
11AI Officeは、ベルギー向けAI検索対策の何を担っている組織ですか?
窓口が2つに分かれると書きました。では、EU本体の側では何が動いているのか。確認できている2つを、順に見ていきます。
1つめが、AI Officeです。欧州委員会は2024年5月29日、AI Actの実務を担う専門組織としてAI Officeの設立を発表しました。同組織は、欧州委員会の中に置かれています。
AI Officeは5つのユニットで構成され、規制とコンプライアンスの調整、高度な汎用AIモデルのシステミックリスクの評価、行動規範の策定などを担います(出典: 欧州委員会公式)。
担当者にとって大事なのは、この組織がベルギー国内の機関ではないという点です。所在地はブリュッセルですが、権限はEU全体に及びます。ベルギー向けの動向を追っているつもりでAI Officeの発表を見ているなら、それは欧州全体の動向を見ていることになります。
この章のまとめ
AI Officeは2024年5月29日に設立が発表された、欧州委員会内の組織です。所在地はブリュッセルですが、権限はEU全体に及びます。
12DSAでVLOSEに指定されると、AI検索対策の情報源はどこになりますか?
2つめが、DSA(デジタルサービス法)の執行体制です。GoogleとBingは2023年4月25日、「非常に大規模なオンライン検索エンジン(VLOSE)」に指定されました。そして指定から4か月後の2023年8月25日から、追加の義務の適用が始まっています。
ここで押さえておきたいのは、誰が見ているかです。VLOSE・VLOP(非常に大規模なオンラインプラットフォーム)に課される追加の義務について、その監視と執行は、加盟国のデジタルサービス調整機関ではなく、主に欧州委員会自身が担っています(出典: 欧州委員会公式)。
だから、GoogleやBingが負う義務の執行状況を追うときは、ベルギー国内当局の発表ではなく欧州委員会の公式発表を見にいきます。情報源を取り違えると、いつまでも更新が来ない場所を眺め続けることになります。
この章のまとめ
AI Officeは欧州委員会の中に置かれ、VLOSEの監督も主に欧州委員会自身が担います。執行状況は欧州委員会の発表で確認します。
13ベルギー国内のAI Act対応は、AI検索対策の実務にいつ効いてきますか?
高梨課長EU側の動きは分かりました。国内のほうはどうなっているんでしょうか。問い合わせ先が決まっていないと、社内で手順書を作れなくて。
鈴木さんそこは、まだ動いている最中です。決まっていないことを決まったように書けないので、状況をそのままお伝えしますね。
ベルギーの規制環境で最大の特徴は、EU加盟国としての義務に加え、EU本部所在国としての制度的な役割を併せ持つ点です。時期とあわせて整理します。
| 制度 | 時期 | 概要 |
|---|---|---|
| AI Act 発効 | 2024年8月1日 | EU加盟国全体に適用される規則2024/1689(出典: EU官報) |
| 国内当局の指定義務 | 2025年8月2日が期限 | 届出当局・市場監視当局を各国が最低1つずつ指定(出典: 欧州委員会公式) |
| ベルギー国内の指定状況 | 本稿執筆時点で「現在進行中」 | FOD Economie(経済省)公式FAQが明記(出典: FOD Economie公式) |
| 附属書IIIの完全適用 | 2027年12月2日へ延期 | Digital Omnibus on AIの採択による(出典: 欧州議会公式) |
出典: EU官報/欧州委員会公式/FOD Economie公式/欧州議会公式
ベルギーは、国内当局を指定すべき期限からすでに1年近くが経過した本稿執筆時点でも、指定作業を完了させていません。FOD Economie(経済省)の公式FAQは、届出当局・市場監視当局の指定を含む体制整備を「現在進行中」としています(出典: FOD Economie公式)。
現地の法律専門家による報道では、電気通信・郵便分野の規制機関であるベルギー電気通信・郵便規制機構(BIPT)が主管庁の最有力候補とされています。ただし、ベルギー政府自身の一次情報から指定の確定を直接確認することは、本稿執筆時点でできませんでした。
この章のまとめ
国内当局の指定は本稿執筆時点で「現在進行中」です。BIPTが有力候補とされていますが、政府の一次情報からの確定は確認できていません。
14データ保護のAPDは、ベルギーのAI検索対策とどう関わりますか?
AI Actの体制が「現在進行中」である一方、データ保護の分野はこれとは対照的です。すでに動いている機関があり、AIについての説明も出ています。
ベルギーデータ保護機関(APD/GBA)がGDPRの執行を担っています。同機関は自身のサイトの市民向けテーマ一覧に、Covid-19やカメラ、与信などと並べて「人工知能」を掲載しています。GDPRとAI Actの関係は複雑であるとしたうえで、AIシステムの開発者・運用者向けの解説ページを公開しています(出典: APD公式)。
同じ国のなかでも、分野によって整備の進み方が違います。個人データの扱いについて確かめたいなら、いま問い合わせられる先があります。AI Actの適合性について確かめたいなら、窓口が固まるのを待つことになります。
適用スケジュールの側も動いています。2026年6月16日、欧州議会本会議でDigital Omnibus on AIが採択されました。これにより、単体型の高リスクAIシステム(附属書III)の完全適用が、当初の2026年8月2日から2027年12月2日へ延期されています(出典: 欧州議会公式)。
条文の詳しい構造は、別記事『EU AI ActとAI検索|リスク区分・適用時期・実務影響』で解説しています。EU共通のルールと各国の運用という2層構造そのものは、別記事『欧州のAI検索動向|Google8割台のシェアとEU規制を図解で整理』で整理したとおりです。
この章のまとめ
データ保護はAPDが執行を担い、人工知能の解説ページも公開されています。同じ国でも、分野によって整備の進み方が違います。
15日本企業がベルギー向けAI検索対策で、先に確認することは何ですか?
高梨課長国内の窓口が決まっていないなら、こちらは待つしかないんでしょうか。動けないまま時間だけ過ぎるのは避けたいんです。
鈴木さん待たなくて大丈夫です。窓口が決まる前に手をつけられることが、3つあります。どれも新しい体制を作らずに始められます。
ここまでを、日本企業の立場でやることに落とします。
窓口が決まる前に、先に手をつける3つ
情報源を2か所に決める
ベルギー国内当局(FOD Economie・APDなど)と、欧州委員会自身の発表(AI Office・DSA関連)の両方を定点で確認します。ベルギーはEU規則そのものが作られる場所であり、国内固有の規制よりEU規則本体の改正が先に実務へ影響することがあります
執行状況の見にいく先を間違えない
GoogleやBingが負うVLOSEの追加義務の執行状況は、ベルギー国内当局ではなく欧州委員会が直接監督します。国内当局の発表を待っていても更新は来ません
自社データの計測を始める
AI検索経由での自社の見え方を、自前で測れるようにします。現地の公表事例が確認できない以上、社内の判断材料は自社データが最も早く手に入ります
3つ目がいちばん効きます。ベルギー固有のAIO対応事例が確認できない現時点では、公開データを待つより自社データの蓄積が優先だからです。EU側でどれだけ制度が整っても、自社の見え方のデータはそこからは出てきません。
あわせて、国内の届出当局・市場監視当局の指定状況は、FOD Economieの公式サイトで定期的に確認してください。指定が確定した時点で、実務上の問い合わせ窓口が変わる可能性があります。
欧州本社の集積地という切り口が近いオランダとの比較は、別記事『オランダAI検索の監督構造|分散型規制とデジタル市場』をご覧ください。AIOという考え方そのものを基礎から押さえたい方は、別記事『AIOとは?AI検索に選ばれる会社がやっている3つのこと』が入口になります。
この章のまとめ
待つのではなく、情報源を2か所に決める・執行の見にいく先を間違えない・自社計測を始める。この3つから始めます。
16よくある質問
ベルギーにEU AI Actは適用されますか?
はい。ベルギーはEU加盟国であり、規則2024/1689が直接適用されます。発効は2024年8月1日、大部分の規定の適用開始は2026年8月2日です。単体型の高リスクAIシステム(附属書III)については、2027年12月2日へ延期されています(出典: EU官報、欧州議会公式)。
ベルギーのAI Actの国内当局はどこですか?
本稿執筆時点で、ベルギー政府の一次情報から確定を直接確認することはできませんでした。現地報道では、電気通信・郵便規制機構(BIPT)が有力候補とされています。指定義務の期限から1年近くが経過した現在も、経済省(FOD Economie)の公式FAQは体制整備を「現在進行中」としています。
なぜベルギーにEUの主要機関が集中しているのですか?
EUの基本条約に付属する議定書第6号が、欧州委員会とEU理事会の本部をブリュッセルに置くと定めているためです。欧州議会の本会議はストラスブールですが、委員会審議はブリュッセルで行われます(出典: EU基本条約 議定書第6号)。
ベルギーの検索エンジンシェアは、欧州のなかで高いほうですか?
欧州全域の平均88.62%をわずかに下回り、オランダの86.84%をやや上回る水準です。欧州のなかでは標準的な構成だと言えます。数値はいずれもStatcounterの実測にもとづきます(2026年6月)。
ベルギーにAI検索対策の企業事例はありますか?
本稿執筆時点で、ベルギー国内の一企業が成果を独自に公表した事例は、一次情報から確認できませんでした。確認できるのは、EU機関の権限や国内の体制整備といった制度側の情報です。事例が公開されていないことと、取り組みが存在しないことは別だとお考えください。
シェアの数字は、どこまで信頼できますか?
Statcounter単独の実測に依拠した数値です。計測タグを設置したサイト群のページビューを集計する方式のため、サイト構成の偏りに由来する誤差が生じうる点に留意してください。ベルギー政府による独自統計との突合は確認できていません。
17まとめ|ベルギー向けに、先に確認する3つ
ベルギーの検索市場は、Googleが87.33%を占めます。欧州全域の平均88.62%をわずかに下回り、オランダの86.84%をやや上回る、標準的な構成です。AIチャットボットではChatGPTが73.94%を占め、こちらは検索よりさらに偏っています。
読者は言語圏で分かれます。生成AIの利用状況が確認できているのはフラマン語圏側で、フランス語圏の同種の数値は本稿執筆時点で確認できていません。
制度の側は、EUのルールが作られる場所であることが最大の特徴です。AI Officeは欧州委員会の中にあり、VLOSEの監督も主に欧州委員会自身が担います。一方でベルギー国内の当局の指定は「現在進行中」のままです。
確認できたことと、まだ確認できていないことを分けたまま社内に出す。それが、この市場でいちばん外しにくい進め方です。
もう一度、先に手をつける3つ
情報源を2か所に決める
ベルギー国内当局と欧州委員会自身の発表を、両方とも定点で見ます
執行の見にいく先を間違えない
VLOSEの義務の執行状況は、欧州委員会の発表で確認します
自社データを取り始める
AI検索経由での自社の見え方を、自前で計測します
AI検索では、こう聞かれています
ベルギーの検索エンジンシェアはどうなっていますか?
「ベルギーのAI検索対策は、まず何を見るところから始めるんですか?」の章に、実測値の表と棒グラフがあります
ベルギーのAI Actの国内当局はどこですか?
「ベルギー国内のAI Act対応は、AI検索対策の実務にいつ効いてきますか?」の章で、指定の状況をそのまま整理しています
なぜEUのAI規制はブリュッセルで決まるのですか?
「ブリュッセルに機関が集まっていることは、AI検索対策とどう関係しますか?」の章で、条文の根拠まで書いています
日本企業は何から手をつければいいですか?
「日本企業がベルギー向けAI検索対策で、先に確認することは何ですか?」の章に、手順があります
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