欧州向けの発信を考えていると、Qwantという名前が出てきます。調べてみると、シェアはごくわずかしかありません。それなら後回しでいい、と判断しかけたところで、別の記事に「欧州議会が既定の検索エンジンに採用」と書いてある。

数字と実績が、ちぐはぐに見える。ここで手が止まる方は少なくないはずです。

この記事は、そこで迷った方に向けて書きました。Qwantについて、公式情報と実測値で確認できたことだけを並べます。そのうえで、確認できていないことは、確認できていないまま残します。判断材料として使っていただくための記事なので、あいまいなところを言い切って見せる書き方は避けました。

こんなふうに調べていませんか

  • 「Qwant AI検索 対策」で検索して、Google向けとの違いを探している
  • 欧州展開の会議で「フランスにはQwantがあるらしい」と言われ、調べ方から迷っている
  • シェアが小さい検索エンジンに手をかける価値があるのか、社内で説明できずにいる

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • Qwantがどういう検索エンジンかを、公式情報の範囲で説明できるようになります
  • 一般利用者のシェアと、公共調達での採用を分けて話せるようになります
  • Qwant向けに確認する作業が、3つに絞れます

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • Qwantのフランスでのシェアは0.94%です(2026年6月・Statcounter)。数字だけを見れば、たしかに小さい検索エンジンです。
  • それでもQwantは、シェアの小ささと政策的な採用実績が両立する珍しい検索エンジンです。フランス行政機関と欧州議会が、既定の検索エンジンに採用しています。
  • いま動いているのは、検索結果の出どころそのものです。Ecosiaと共同開発する独自インデックス「Staan」への移行が進んでいます。
Qwantを読み解く3つの前提シェアの数字だけでは、判断できない検索エンジンですQwantを読み解く3つの前提1つめシェアだけでは判断できない公共調達では既定に採用されています2つめAI機能は2系統ある検索に統合される要約と、対話型と3つめ結果の出どころが移りつつあるBing由来から独自インデックスへ鈴木さんシェアの数字だけでは、判断できない検索エンジンです
Qwantを読み解く3つの前提 — シェアの数字だけでは、判断できない検索エンジンです

この記事では、ある会社のマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。あなたに近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。

  • 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
  • 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか」を聞く役
  • 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役

01そもそもQwantって何で、AI検索対策では何を見るんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

あの、Qwantという検索エンジンの名前が資料に出てきたんですが…シェアを見るとごくわずかで。これって、見なくていいものなんでしょうか?

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこがこの記事のいちばん大事なところです。Qwantは、シェアの数字と採用実績が別の方向を向いている、めずらしい検索エンジンなんですよ。

Qwantは、フランス発のプライバシー重視型の検索エンジンです。特徴は、シェアの小ささとは裏腹に、公共調達での採用実績を持っている点にあります。

成長の起点も、一般の利用者の人気とは少し違います。Google依存を避けたい行政機関や企業のニーズを起点に伸びてきました。ここが、ほかの欧州の検索エンジンとの違いです。

だから、Qwant向けのAI検索対策を考えるときは、Google向けの施策をそのまま延長しても噛み合いません。出発点になるのは、非パーソナライズ検索という設計思想への理解です。

Qwantを見るとき、混ぜてはいけないもの2つの軸を1つの数字にまとめないでくださいQwantを見るとき、混ぜてはいけないもの2つの軸を1つの数字にまとめないでください一般利用者のシェアと、公共調達での採用を同じ軸で見る別の指標なので、混ぜると判断を誤りますGoogle向けの施策を、そのまま当てはめる設計思想が違うため、噛み合いません非パーソナライズという設計思想から考えるここが出発点になります鈴木さんまず、どちらの軸の話をしているのかを決めてください
Qwantを見るとき、混ぜてはいけないもの — 2つの軸を1つの数字にまとめないでください

この章のまとめ

Qwantはフランス発のプライバシー重視型検索エンジンです。行政機関や企業のGoogle依存を避けたいニーズを起点に伸びてきました。

02フランスの検索の入口は、AI検索が広がってもGoogleのままなんですか?

まず、市場の実測値から確認します。フランスの検索エンジン市場におけるQwantの位置づけは、別記事『フランスのAI検索対策とは?Mistralが握る3つの前提』と同じ数値です。

検索エンジンシェア
Google88.36%
Bing5.73%
Yahoo!2.27%
Ecosia1.25%
Qwant0.94%
DuckDuckGo0.74%

出典: Statcounter Global Stats(全デバイス合算・2026年6月)

Qwantは、どちらの軸で見るか1つの数字だけでは判断を誤りますQwantは、どちらの軸で見るか1つの数字だけでは判断を誤ります一般利用者からのシェア0.94%公共調達での採用Google依存を避けたい行政・企業に選ばれる
Qwantは、どちらの軸で見るか — 1つの数字だけでは判断を誤ります

棒の長さで見ると、形がはっきりします。ひとつが大きく伸びていて、残りは並べても差が見えにくい。Qwantも、その「残り」の中にいます。

市場全体の構造や規制の詳細分析は、別記事『フランスのAI検索対策とは?Mistralが握る3つの前提』にまとめています。

この章のまとめ

フランスの検索の入口はGoogleが88.36%。Qwantは0.94%です(2026年6月・Statcounter)。Qwantは小さいほうの並びに入ります。

03このシェアの数字は、AI検索最適化の判断材料としてどこまで使えますか?

数字を出したので、その数字の性格もあわせて書いておきます。ここを飛ばすと、あとから判断がぶれます。

Statcounterの計測は、トラッキングコードを設置したサイトのページビュー集計にもとづきます。つまり、どのサイトが計測対象に入っているかで、値は振れます。

このシェアの数字、どう扱うか数字と一緒に、確かめた範囲も渡しますこのシェアの数字、どう扱うか数字と一緒に、確かめた範囲も渡しますStatcounterの実測値である全デバイスを合算した値ですいつ時点の数字か分かっている2026年6月の数値です計測対象サイトの構成によって振れるトラッキングコードを置いたサイトの集計です一般利用者以外の使われ方は映らない公共調達での採用は、この数字に出ません
このシェアの数字、どう扱うか — 数字と一緒に、確かめた範囲も渡します

社内に共有するときは、調査名・時点・計測方式まで一緒に渡してください。AI検索最適化の実務でも同じで、数字そのものより、確かめた範囲がセットになっているほうが、あとの手戻りが小さくなります。

この章のまとめ

計測はトラッキングコード設置サイトのページビュー集計です。調査名・時点・計測方式をセットで共有してください。

04シェア0.94%のQwantを、LLMOの視点で見ておく理由は何ですか?

高梨課長
高梨課長の発言

0.94%ですよね。工数をかけるかどうかの判断材料が、それだけだと厳しいです。上に説明できません。

鈴木さん
鈴木さんの発言

説明の軸を変えると通りやすくなります。「誰が使っているか」ではなく「どこで既定になっているか」で見るんです。

フランス政府は2020年1月、全省庁の職員端末へのQwant導入指示を発出しました。同年4月末までの全省庁展開を求めた、という内容です。

欧州議会も2026年6月4日、既定の検索エンジンをGoogleからQwantへ切り替えています。

つまりQwantは、公共調達という土俵では、シェア以上の存在感を持つ検索エンジンです。行政機関や欧州の公的機関に届けたい情報があるなら、無視しにくい入口だということになります。

Qwantは、2つの軸で見ると姿が変わります同じ検索エンジンでも、見る場所で評価が変わりますQwantは、2つの軸で見ると姿が変わります同じ検索エンジンでも、見る場所で評価が変わります一般利用者から見た姿フランスでのシェアは0.94%Statcounterの計測にもとづく数字の上では小さい消費者向けの土俵公共調達から見た姿フランス行政機関が既定に採用欧州議会も既定に切り替え届けたい相手がここにいるなら外せないシェア以上の存在感
Qwantは、2つの軸で見ると姿が変わります — 同じ検索エンジンでも、見る場所で評価が変わります

LLMOやAI検索最適化の文脈でも、考え方は同じです。届けたい相手がどの入口を通るのかを先に決めてから、対象の検索エンジンを選ぶ。その順番で見ると、Qwantを見る意味がはっきりします。

この章のまとめ

フランス行政機関(2020年)と欧州議会(2026年6月)が既定に採用しています。シェアとは別軸の指標として扱ってください。

05QwantのAI機能は2つあると聞きましたが、AI検索対策では何が違うんですか?

Qwantの生成AI機能は、2系統に整理できます。検索結果に統合される「Réponse Flash」と、独立した対話型の「Chat IA」です。

QwantのAI機能は、2系統に分かれます同じAIでも、置かれている場所と役目が違いますQwantのAI機能は、2系統に分かれます同じAIでも、置かれている場所と役目が違いますRéponse Flash検索結果に統合される要約報道機関との実証実験を伴う広告収益を50対50で分配媒体と条件を決める場所でもあるChat IA検索とは別画面の対話型無料で、アカウント登録も不要Staanから取得した内容を使う質問を続けられる場所
QwantのAI機能は、2系統に分かれます — 同じAIでも、置かれている場所と役目が違います

まずRéponse Flashです。基盤モデルはMistralのものだと、仏テックメディアで報じられています(出典: 現地報道)。2026年1月に実証実験を開始し、3月に詳細が発表されました。

参加しているのは、Les Échos・Le Parisien・Ouest France等、約20の仏メディアです。特徴は収益の扱いにあります。広告収益をQwantと各媒体で50対50に分配するという仕組みです(出典: Qwant公式ブログ)。実験期間は9か月間とされています。

この章のまとめ

Réponse Flashは検索結果に統合される要約機能で、報道機関との実証実験を伴います。広告収益は50対50で分配されます。

06Chat IAは、AI検索の使われ方をどう変えるんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

もうひとつの「Chat IA」というのは、対話型のAIサービスのようなものだと思っていいんでしょうか?

鈴木さん
鈴木さんの発言

使い方の感じは近いですね。検索の結果一覧とは別の画面で、質問を続けられる機能だと考えてください。

Chat IAは、2026年1月13日に公開された対話型のAI機能です。完全無料で、アカウント登録も要りません(出典: Qwant公式ブログ)。

できることは、検索結果の一覧を見るだけで終わらせない、という方向です。質問の深掘りや言い換えを、同じ対話の中で続けられます。

そして、この記事で押さえておきたいのが回答の材料です。Chat IAは、回答の生成にStaan(サーチトラステッドAPIアクセスネットワーク)からリアルタイムで取得したコンテンツを利用しています。次の章で扱うStaanが、ここで効いてきます。

Qwantが動いてきた道のり公式情報で確認できている節目だけを並べますQwantが動いてきた道のり公式情報で確認できている節目だけを並べます2020年行政機関が既定に採用全省庁への導入指示が出る2024年Ecosiaと合弁会社を設立共同で欧州の索引をつくる2026年1月Chat IAを公開無料・登録不要の対話型AI2026年6月欧州議会が既定に切り替えGoogleからQwantへ
Qwantが動いてきた道のり — 公式情報で確認できている節目だけを並べます

この章のまとめ

Chat IAは無料・登録不要の対話型AI機能です。回答の生成には、Staanからリアルタイムに取得したコンテンツが使われています。

07Chat IAが使うStaanって何ですか?AI検索の結果はどこから来るんですか?

Qwantは、検索結果の調達構造そのものを見直しています。その中心にあるのがStaanです。

経緯から確認します。2024年11月、Qwantはドイツ発の検索エンジンEcosiaと共同で、European Search Perspective(EUSP)という合弁会社を設立しました。出資比率は50対50、拠点はパリです。

そこで開発されているインデックスが「Staan」です。2025年に立ち上げが発表され、GoogleやBingへの依存を段階的に下げる狙いがあるとされています(出典: Qwant公式ブログ)。

背景にあるのは、コストの問題です。Microsoftが2023年にBing検索APIの利用料を大幅に引き上げました。Qwantは検索結果の多くをBingに依存してきたため、この引き上げは直接効いてきます。Staanは、自社・提携先が主体的にインデックスを管理する体制への転換を意味します。

検索結果の出どころが移ることを、店にたとえるインデックスの話は、仕入れの話に置きかえると分かります検索結果の出どころが移ることを、店にたとえるインデックスの話は、仕入れの話に置きかえると分かります店でたとえるとQwantでいうとよその店から仕入れて並べていたBing由来の検索結果仕入れ値が大きく上がったBing検索APIの利用料引き上げ同業と組んで仕入れ網をつくるEcosiaとの合弁会社自分たちの棚を持つ独自インデックスStaan鈴木さん棚が変われば、並ぶものも変わります。ここが見どころです
検索結果の出どころが移ることを、店にたとえる — インデックスの話は、仕入れの話に置きかえると分かります

ここが、日本企業にとっての中長期のモニタリングポイントになります。Qwantの検索結果は、今後Bing由来からStaan由来へ段階的に移行しうる。出どころが変われば、参照される情報源の傾向も変わる可能性があります。

Ecosia側の詳細は、別記事『Ecosiaの検索戦略|環境価値と欧州共同インデックス』で解説しています。

この章のまとめ

StaanはEcosiaとの合弁会社で開発される独自インデックスです。Bing由来からStaan由来への移行が、追いかけるべき変化になります。

08Qwant向けのAI検索対策は、サイト側で何をすればいいんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

仕組みは分かりました。それで、うちのサイト側では何をすればいいんでしょう。管理ツールに登録する、みたいな作業があるんですか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこが、Google向けと大きく違うところです。Qwantには専用のサイトマップ送信ツールがありません。待つ側の設計になっているんですよ。

前提として、Qwantは、Google・Bingのような詳細なランキングアルゴリズムの内部仕様を公式には開示していません。公式に確認できるのは、クロール・インデックスの基本方針と、プライバシー設計です。

項目公式に確認できる内容
クロール方式独自のウェブクローラーが毎日数百万ページを巡回し、自動でインデックスを更新する
サイト登録専用のサイトマップ送信ツールはなく、新規サイトは数日〜数週間で自然にインデックスされる
未掲載時の対応site:検索で確認できない場合、Qwant公式サポートへ問い合わせフォームから報告する
パーソナライズクッキー・広告トラッカーでのプロファイリングを行わず、全ユーザーに同一の検索結果を表示する

出典: Qwant公式ヘルプセンター・about.qwant.com

Qwantに載っているか、確かめる順番登録を知らせる窓口がないぶん、確認から入りますQwantに載っているか、確かめる順番登録を知らせる窓口がないぶん、確認から入ります1巡回できる状態かを点検する自動巡回でのインデックスに依存するため、ここが前提になります2site:検索で掲載を確認するQwant上に自社のページが出てくるかを見ます3見つからなければ公式サポートへ報告する問い合わせフォームから報告する流れです
Qwantに載っているか、確かめる順番 — 登録を知らせる窓口がないぶん、確認から入ります

登録を知らせる窓口がないということは、巡回してもらえる状態かどうかが、そのまま結果に出るということです。技術的な巡回のしやすさが、登録の前提条件になります。

この章のまとめ

専用のサイトマップ送信ツールはありません。自動巡回に依存するため、クロールできる状態かどうかが前提条件になります。

09パーソナライズしない検索エンジンは、AI検索最適化の前提をどう変えますか?

Qwantは、クッキーや広告トラッカーでのプロファイリングを行いません。全ユーザーに同一の検索結果を表示するという設計です(出典: about.qwant.com)。

この設計は、確認作業のやり方に効いてきます。利用者ごとに結果が変わらないなら、誰か一人の画面で見えている結果が、そのまま全体の結果として扱えることになります。

パーソナライズしないと、確認のしかたが変わる見えている画面を、そのまま共有できるかどうかの違いですパーソナライズしないと、確認のしかたが変わる見えている画面を、そのまま共有できるかどうかの違いです利用者ごとに結果が変わる前提誰の画面かで見え方が変わる一人の画面だけでは判断しにくい確認に手間がかかる全員に同じ結果を返す前提クッキーや広告トラッカーで追わない見えている結果をそのまま共有できる画面を見せながら話が進む
パーソナライズしないと、確認のしかたが変わる — 見えている画面を、そのまま共有できるかどうかの違いです

AI検索最適化の実務では、確認できたことをそのまま社内に共有できるかどうかが、意外と効きます。画面を見せながら話が進められる。これは、非パーソナライズという設計思想がもたらす、地味ですが扱いやすい性質です。

この章のまとめ

Qwantは全ユーザーに同一の結果を表示します。見えている結果をそのまま共有できる点が、確認作業では扱いやすくなります。

10フランスの規制は、QwantのAI検索対策の前提としてどうなっていますか?

Qwantが事業を展開するフランスの規制環境は、EU AI法とSREN法・DSAの枠組みで形づくられています。

Qwantを取り巻く規制の置きどころ枠組みと担い手と、自社の対応を分けて見ますQwantを取り巻く規制の置きどころ枠組みと担い手と、自社の対応を分けて見ます枠組みEU AI法・SREN法・DSAフランスの規制環境をつくる土台担い手Arcom・CNIL・DGCCRF役割を分担して見ている自社対応プライバシー・バイ・デザインCNILの推奨事項に沿うと公式に明示
Qwantを取り巻く規制の置きどころ — 枠組みと担い手と、自社の対応を分けて見ます

行政の側では、Arcom・CNIL・DGCCRFが役割を分担しています。この体制の詳細は、別記事『フランスのAI検索対策とは?Mistralが握る3つの前提』で解説しています。欧州全体のAI規制動向は、別記事『欧州のAI検索動向|Google8割台のシェアとEU規制を図解で整理』で総覧できます。

Qwant自体の規制対応としては、CNILの推奨事項に沿ったプライバシー・バイ・デザイン設計があります。この方針は公式に明示されています(出典: about.qwant.com)。

この章のまとめ

枠組みはEU AI法・SREN法・DSA。Qwant自身は、CNILの推奨事項に沿った設計を公式に明示しています。

11Qwant経由の成果は、AI検索対策の効果としてどう見ればいいですか?

ここは、正直に書いておく必要がある部分です。

Qwant経由の流入が伸びたことを数値で裏づけた企業事例の把握には、本稿執筆時点でまだ至っていません。「効果が出た」と言える材料が、公開情報の中に見つかっていない状態です。

Qwantについて、どこまで確かめられたか確認できていないことは、そのまま残しますQwantについて、どこまで確かめられたか確認できていないことは、そのまま残します公共調達での既定採用行政機関と欧州議会の事例が確認できますAI機能2系統の公式発表公式ブログで内容を確認できます独自インデックスの開発体制合弁会社の設立まで確認できますQwant経由の流入が伸びた企業事例数値で裏づけた事例は把握できていません
Qwantについて、どこまで確かめられたか — 確認できていないことは、そのまま残します

ここで気をつけたいのは、読み替えです。事例が見つからないことは、「効果がない」ことの証明にはなりません。公開情報として出ていないだけ、という可能性があります。

一方で、比べられる材料はあります。Réponse Flashの収益分配モデルは、別記事『Comet Plusの収益分配とは?対象になる3つのトラフィック』で扱ったPerplexityの取り組みと並べて読めます。AIOという概念自体の基礎整理は、別記事『AIOとは?AI検索に選ばれる会社がやっている3つのこと』を先に確認することをおすすめします。

この章のまとめ

Qwant経由の成果を数値で示した企業事例は、本稿執筆時点で確認できていません。無いのではなく、確認できていない状態です。

12日本企業がQwant向けにAI検索対策を始めるなら、何から確認しますか?

高梨課長
高梨課長の発言

結局、うちが明日から何をするかに落としたいんです。専任は置けないので、3つくらいに絞ってもらえると助かります。

鈴木さん
鈴木さんの発言

3つで足ります。どれも新しいツールは要らず、いまの状態を確かめるところから始められます。

Qwant向けにコンテンツを展開する日本企業は、次の3点を確認しておくことをおすすめします。

Qwant向けに、先に確認しておく3つどれも、ほかのAI検索でもそのまま効く作業ですQwant向けに、先に確認しておく3つどれも、ほかのAI検索でもそのまま効く作業です1クロール可能性と表示速度を点検する自動巡回でのインデックスに依存するため、ここが前提条件になります2Staanの稼働状況を確認する四半期に一度、Bing経由からStaan経由への切り替え時期を見ます3訴求軸を点検するプライバシー訴求を差別化軸にできないかを見て、社内で共有します鈴木さんQwantを入口にして、確認の習慣を作ってしまうのが早道です
Qwant向けに、先に確認しておく3つ — どれも、ほかのAI検索でもそのまま効く作業です

1つめは、クロール可能性と表示速度の点検です。専用のサイトマップ送信ツールがない以上、Qwantは自動巡回でのインデックスに依存します。技術的な巡回のしやすさが、そのまま登録の前提条件になります。ここは日本国内向けのAI対策と、同じ作業になります。

2つめは、Staanの稼働状況の確認です。四半期に一度でよいので、Bing経由からStaan経由への切り替え時期を把握してください。検索結果の出どころが変わることで、参照される情報源の傾向が変化する可能性があります。

3つめは、訴求軸の点検です。自社サービスがプライバシー訴求を差別化軸にできないかを見て、Qwantの公共調達実績を参考事例として社内で共有してください。非パーソナライズという設計思想は、EU圏の公共調達案件でとくに評価されやすい訴求です。

この章のまとめ

確認するのは、クロール可能性と表示速度・Staanの稼働状況・訴求軸の3つです。どれも現状を確かめる作業から始められます。

13よくある質問

QwantはBingに依存しない独立した検索エンジンですか?

本稿執筆時点では過渡期です。Qwantは長年Bingの検索結果に依存してきましたが、2025年にEcosiaとの共同インデックス「Staan」の立ち上げを発表しました。独自インフラへの移行の途上であり、Bing依存が現在どの程度かは、一次情報から確認できていません。

Réponse FlashとChat IAはどう違いますか?

Réponse Flashは検索結果画面に表示される要約ボックスで、報道機関への収益分配を伴う実証実験です。Chat IAは検索とは別画面で対話を続けられる、独立した無料のAI機能です。両者とも、回答の生成にMistralまたはStaanの技術を利用しています。

Qwantはフランス以外の政府機関でも採用されていますか?

本稿執筆時点で公式に確認できる既定採用の事例は、フランス行政機関(2020年)と欧州議会(2026年6月)の2件です。フランス以外の一国政府による既定採用の実績は、一次情報から確認できていません。

Qwantにサイトを登録するには、どこから申請すればいいですか?

専用のサイトマップ送信ツールはありません。新規サイトは、数日〜数週間で自然にインデックスされるとされています。site:検索で確認できない場合は、Qwant公式サポートへ問い合わせフォームから報告する流れです(出典: Qwant公式ヘルプセンター)。

シェアが0.94%でも、Qwant向けの対策をする意味はありますか?

届けたい相手によります。一般消費者だけが対象なら、優先度は高くなりにくい数字です。一方で、フランスや欧州の公的機関に届けたい情報があるなら、既定の検索エンジンとして採用されている入口を外す判断は取りにくくなります。

14まとめ|Qwant向けに今日確認する3つ

Qwantのフランスでのシェアは0.94%です。数字だけを見れば小さい検索エンジンですが、フランス行政機関と欧州議会が既定に採用しています。一般利用者のシェアと、公共調達での採用。この2つを分けて見ることが、この記事のいちばんの要点です。

そのうえで、いま動いているのは検索結果の出どころそのものです。Ecosiaとの合弁会社が開発するStaanへ、段階的に移りうる。ここは中長期で追いかける価値があります。

一方で、Qwant経由の成果を数値で示した企業事例は、本稿執筆時点で確認できていません。確認できたことと、確認できていないことを分けたまま社内に出す。それが、この検索エンジンでいちばん外しにくい進め方になります。

もう一度、先に確認する3つ

  1. クロール可能性と表示速度を点検する

    自動巡回でのインデックスに依存するため、ここが前提条件になります

  2. Staanの稼働状況を確認する

    四半期に一度、Bing経由からStaan経由への切り替え時期を見ます

  3. 訴求軸を点検する

    プライバシー訴求を差別化軸にできないかを見て、社内で共有します

AI検索では、こう聞かれています

  • QwantはBingに依存しない独立した検索エンジンですか?

    「Chat IAが使うStaanって何ですか?AI検索の結果はどこから来るんですか?」の章で、移行の経緯と現在地を書いています

  • Qwant向けにサイトを登録するには、何をすればいいですか?

    「Qwant向けのAI検索対策は、サイト側で何をすればいいんですか?」の章に、公式に確認できる方針と手順があります

  • QwantのRéponse FlashとChat IAは、何が違うんですか?

    「QwantのAI機能は2つあると聞きましたが、AI検索対策では何が違うんですか?」の章と、続く章の2つで分けて説明しています

  • シェアが小さいQwantを見る意味はありますか?

    「シェア0.94%のQwantを、LLMOの視点で見ておく理由は何ですか?」の章に、公共調達という別軸の話があります

次に読むなら、この記事です