競合のサイトを見て、「向こうのほうが幅広い気がする」と感じたことはないでしょうか。その感覚は、たいていの場合あたっています。ただ、どのテーマが抜けているのかを言葉にするのは、そこから先の別の作業です。
やっかいなのは、自分の記事一覧を眺めても抜けが見つからないことです。知っている前提が邪魔をして、そもそも扱っていないテーマの存在自体に気づけません。
この記事は、その空白探しを勘の作業から機械的な突き合わせに変える手順をまとめました。自社と競合、それぞれの記事一覧をCSVにしてAIに読み込ませ、競合側にだけあるテーマを一覧で受け取ります。
こんなふうに調べていませんか
- 競合のほうが幅広い気がするが、どのテーマが抜けているのか説明できない
- 記事の企画会議で、次に書くテーマの候補が感覚で決まってしまう
- 自社の記事一覧を見返しても、足りないテーマが浮かんでこない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 自社と競合の記事一覧から、競合側にだけあるテーマを一覧で受け取れるようになります
- 抽出されたテーマを、関連度でどう選び分けるかを決められます
- 見つけたテーマを企画に落とすまでの順番が分かります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 競合が繰り返し扱っていて自社が触れていないテーマは、一覧を並べただけでは見えません。
- 自社と競合の記事一覧をCSVで読み込ませると、競合側にだけあるテーマが関連度つきで返ってきます。
- 出てきたテーマは企画の出発点です。そのまま記事タイトルにはしません。
この記事では、あるオウンドメディア運営チームの2人と、専門家のやりとりをはさみながら進めます。自分に近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「それは、そもそも何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれだけの手間でやるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01競合コンテンツのギャップ分析をAI検索対策として行うと、何が見えるんですか?
若葉さん競合のほうが記事の幅が広い気がするんです。でも、どこが足りないのかと聞かれると、うまく答えられなくて…。
鈴木さんそれは感覚が鈍いわけではないんですよ。自分の一覧を見ているかぎり、書いていないテーマは視界に入らないんです。だから、外から物差しを借りてきます。
このギャップ分析で見えるのは、自社と競合の記事の量の差ではありません。競合側にだけ存在するテーマです。同じ土俵に並べたときに、片側にしか置かれていない領域と言い換えてもかまいません。
Googleも、独自の価値を十分に提供しているかを、有用なコンテンツの自己評価基準の一つに挙げています(出典: Google検索セントラル「有用で信頼性の高いコンテンツの作成」)。自社にしか書けない一次情報を積むためにも、いまどこが空いているのかを先に知っておく価値があります。
自社の記事一覧と読者の質問リストから不足テーマを洗い出す方法は、別記事(AIOM-619)で扱っています。この手順はそれとは視点が異なり、競合という外部の物差しを使うことで、自社視点だけでは浮かびにくいテーマの空白を突き止めます。
この章のまとめ
見えるのは量の差ではなく、テーマの空白です。外の物差しを借りると、自分では気づけない領域が輪郭を持ちます。
02自社だけを眺めてギャップ分析をしても、AI対策の抜けが見つからないのはなぜですか?
自社の記事一覧を眺めて足りないテーマを探そうとしても、知っている前提が邪魔をします。そもそも扱っていないテーマの存在自体に気づきにくい、という構造の問題です。
うまくいかないときは、だいたい次の4つのどこかで起きています。
- 競合が独自に取り上げているテーマは、自社側の目線だけでは読み流されやすい
- 言葉が違うだけで同じ領域を指す場合と、似た言葉でも別領域の場合があり、判別に手間がかかる
- 競合・自社それぞれの記事数が増えるほど、全組み合わせを目視で突き合わせる作業量が増える
- 差分を見つけても、優先して企画すべきなのか、自社があえて扱っていないテーマなのかの切り分けが要る
4つとも、担当者の観察力の問題ではありません。自分の持ち物を、自分の目だけで数えているという形そのものに原因があります。だから、外から借りた一覧を横に置いて、機械的に突き合わせます。
この章のまとめ
抜けが見つからないのは、見落としではなく視界の問題です。外の一覧を並べると、突き合わせは目視の勝負でなくなります。
03競合コンテンツのギャップ分析に、AIOの材料として何を用意するんですか?
若葉さん競合の記事を全部読んで、要約してから渡すことになりますか。
鈴木さんいえ、読まなくて大丈夫です。渡すのは一覧の形にした見出しとキーワードだけなんですよ。中身の良し悪しではなく、置いてあるかどうかを見る作業なので。
用意するのは、記事一覧のCSVが2つだけです。自社のぶんと、競合のぶん。どちらも列の形をそろえておきます。
- 自社記事一覧CSV — 記事タイトル・target_kw・カテゴリ
- 競合記事一覧CSV — 記事タイトル・想定KW・カテゴリ
競合側のKWは、こちらから見た想定で構いません。相手が実際に狙っている語を当てにいく作業ではないので、タイトルから読み取れる範囲で埋めます。
使用AIツール: Claude(自社・競合それぞれの記事一覧をCSVファイルとしてアップロードして使います。1つの会話で複数のファイルをまとめて添付できます(出典: Claude Help Center「Claudeへのファイルアップロードについて」、2026年7月時点)。無料プランでも添付できますが、記事数が多い場合はファイルサイズ・件数の上限を事前に確認してください)
この章のまとめ
材料は記事一覧のCSVが2つだけ。列の形をそろえ、競合側のKWはタイトルから読み取れる範囲で埋めます。
04競合コンテンツのギャップ分析プロンプトは、LLMO対策としてどこをコピーするんですか?
自社と競合それぞれの記事一覧が手元にあり、競合が扱っていて自社が扱っていないテーマを洗い出したい場面で使います。次のコードブロックの中身を、そのままコピーしてください。
あなたはコンテンツ企画を支援するSEO/AIOアナリストです。
添付された2つの記事一覧CSVをもとに、競合が扱っていて自社が扱っていない
テーマを抽出してください。
■入力データ
比較対象カテゴリ: 【比較対象カテゴリ】
自社記事一覧CSV: 【自社記事一覧CSV】(添付ファイルとして渡す。列=記事タイトル・
target_kw・カテゴリ)
競合記事一覧CSV: 【競合記事一覧CSV】(添付ファイルとして渡す。列=記事タイトル・
想定KW・カテゴリ)
■分析手順
1. 【競合記事一覧CSV】の各記事が扱っているテーマを、タイトルとKWの言葉から
1テーマ1行に整理する。
2. 整理した競合側のテーマごとに、【自社記事一覧CSV】に同一・類似のテーマを
扱った記事が存在するかを判定する。
3. 自社側に同一・類似のテーマが存在しないと判定したものを「競合優位テーマ」
として抽出する。
4. 抽出した競合優位テーマごとに、【比較対象カテゴリ】との関連度を「高・中・低」
の3段階で評価し、企画を優先すべき理由を1行で添える。
■出力形式
競合優位テーマごとに、以下の列を持つ表で出力してください。
| 競合優位テーマ | 出典となる競合記事タイトル | 関連度 | 企画優先の理由 |
表の後に、関連度「高」と判定したテーマの件数を1行でまとめること。
■制約
- 添付された2つのCSVに実在しない記事タイトル・テーマを作り出さないこと。
- 自社記事一覧に部分的にでも同種のテーマを扱った記事が含まれる場合は、
「競合優位テーマ」に含めず対象外とすること。
- テーマの表現は、競合記事のタイトル・KWの言葉を引き継ぎ、抽象化しすぎ
ないこと。貼り付けたあとに手を入れるのは、■入力データの中だけです。■分析手順の番号を入れ替えたり、■制約の行を削ったりすると、返ってくる表の性格が変わります。
とくに効いているのは、テーマの言葉を抽象化させない指定です。抽象度を上げた言い方でまとめられてしまうと、どの記事から来たテーマなのかが読めなくなり、企画に落とせません。
この章のまとめ
コピーするのはコードブロックの中身だけです。差し替えるのは入力データの欄で、分析手順と制約はそのまま使います。
05記事一覧CSVは、AI対策のギャップ分析の材料としてどこまで作り込むんですか?
差し替えるのは、次の3つだけです。
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【比較対象カテゴリ】 | 自社・競合を比較する記事群のジャンル・カテゴリ名 | AIO実践プロンプト記事(架空例) |
| 【自社記事一覧CSV】 | 自社の記事タイトル・target_kw・カテゴリを列にしたCSV(添付ファイル) | (自社の記事一覧CSVをそのまま添付) |
| 【競合記事一覧CSV】 | 競合の記事タイトル・想定KW・カテゴリを列にしたCSV(添付ファイル) | (競合サイトの記事一覧CSVをそのまま添付) |
※入力例はすべて架空の例です。
出てくる表の質を決めるのは、【比較対象カテゴリ】の決め方です。ここが広すぎると、関連度の判定が甘くなります。逆に狭すぎると、隣接領域のテーマが最初から候補に入りません。
この章のまとめ
差し替えるのは3つの欄だけ。表の質を左右するのは列の多さではなく、比較対象カテゴリの決め方です。
06出てきたギャップ分析の競合優位テーマは、AI検索最適化の企画としてどこから読むんですか?
出力された表は、関連度「高」の行から順に確認します。上から流し読みするのではなく、関連度で扱いを分けてから中身に入ります。
- 関連度「高」: 比較対象カテゴリの中核に近く、企画の優先度が最も高いテーマです。次の記事化サイクルに組み込むことを検討します
- 関連度「中」: 隣接領域のテーマです。新規記事にする前に、既存記事への追記で対応できないかを先に検討する余地があります
- 関連度「低」: 競合が扱っていても自社の読者層とはズレがある可能性があります。企画化を急ぐ前に、想定読者との整合を見直します
企画優先の理由欄まで読み、なぜそのテーマが競合優位と判定されたのかを具体的に把握してから、記事化の順番を決めます。理由欄を飛ばすと、関連度の数字だけが独り歩きします。
この章のまとめ
読む順番は、関連度・受け皿の有無・企画優先の理由。理由まで読んでから、記事化の順番を決めます。
07同じテーマなのに言葉が違うと、AI検索のギャップ分析はどうずれるんですか?
高梨課長言い方が違うだけで中身は同じ、という記事はよくあります。そこは、AIが吸収してくれるものですか。
鈴木さんそこは期待しすぎないほうがいいところです。表記のゆれを見抜けず、別テーマとして並べてしまうことがあります。だから、出てきた表の粒度を人が見ます。
タイトルの言葉が違うだけで、実際には同じテーマ領域を指している場合があります。AIはこの表記ゆれを見抜けず別テーマと誤判定し、本来検出すべき重複や近接テーマを見逃すことがあります(2026年7月時点)。
抽出結果の粒度に不自然なばらつきがある場合は、テーマ名の言い換えパターンを手動で補って再実行することをおすすめします。同じ意味で使われている言葉を並べて渡すだけで、まとまり方が変わります。
AIの出力には誤りが含まれる場合があります。特に企画優先の理由欄は、そのまま鵜呑みにせず自分の目でテーマの妥当性を確認してください。
この章のまとめ
表記ゆれは吸収されません。粒度がばらついたら、言い換えのパターンを補って実行し直します。
08うちの体制で競合コンテンツのギャップ分析を、AI対策として続けられますか?
高梨課長鈴木さん、これは誰が回す想定になりますか。専任は置けません。
鈴木さん人が手を動かすのは、記事一覧を最新にするところだけです。あとは添付して受け取るだけなので、追加の体制は要りません。
高梨課長毎月やる必要はありますか。
鈴木さんいえ、記事は毎日増えるものではありません。四半期に一度、双方の一覧を最新化して回すくらいで十分に足ります。
四半期に一度、双方の記事一覧を最新化して再実行すれば、新しく生まれた競合優位テーマを早い段階で見つけられます。定例の棚卸しに組み込んでしまうと、続きやすくなります。
競合記事一覧CSVに競合社名の列を追加し、複数社ぶんのデータをまとめて添付すれば、どの競合が最も自社の空白領域を埋めているかを横断的に比較できます。まずは主要な競合1社から始め、慣れてから広げる進め方で構いません。
添付できるファイルの件数・サイズには上限があります(出典: Claude Help Center「Claudeへのファイルアップロードについて」、2026年7月時点)。記事数が数百本規模の媒体では、カテゴリ単位や公開時期で分割して添付する必要があります。
この章のまとめ
人が動くのは一覧を最新にする工程だけです。四半期の棚卸しに組み込むと、体制を増やさずに続きます。
09ギャップ分析で見つけたテーマは、AI検索最適化の企画としてどう記事に変えるんですか?
若葉さん抽出された行を、そのまま記事タイトルにしてしまってもいいですか。
鈴木さんそこは、ひと手間かけてください。出てきているのは、競合の言葉で書かれたテーマなんですよ。そのまま出すと、相手の記事の言い直しになってしまいます。
抽出されたテーマは、そのまま記事タイトルとして使わないでください。競合優位テーマは企画の出発点であり、自社の実績・専門性を反映した切り口への作り込みが別途必要です。
作り込みの手がかりは、企画優先の理由欄にあります。なぜ競合優位と判定されたのかが書かれているので、そこに自社の一次情報を足せるかどうかを先に確かめます。足せないテーマは、順番を下げても構いません。
この章のまとめ
出てきたテーマは企画の出発点です。競合の言葉のまま出さず、自社の材料を足せるかどうかで順番を決めます。
10ギャップ分析の記事を出したあと、AI対策としては何につないでおくんですか?
記事化したら、別記事(AIOM-044)の考え方で既存記事群と接続しておくと、孤立記事になりません。せっかく空白を埋めても、どこからも辿れない場所に置くと、読者にもAIにも見つけてもらえません。
競合のAI検索での言及量そのものを定点観測したい場合は、別記事(AIOM-048)が参考になります。競合の強み弱みまで踏み込んで整理したい場合は、別記事(AIOM-630)もあわせてご覧ください。
未公開の競合分析結果や、自社の非公開の企画案をプロンプトに含める場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。競合記事一覧CSVの作成方法や、出力結果を社外向けの資料に転用する場合は、利用しているAIサービスおよび競合サイトの利用規約の範囲内で行ってください。
この章のまとめ
公開したら既存記事群へつなぎます。社外へ持ち出す前に、混ぜてはいけない情報と規約の範囲を確かめます。
11よくある質問
自社にまだ記事がないテーマと、既にあるが薄いテーマは区別されますか?
このプロンプトの判定は記事の有無に絞っています。自社に同種のテーマの記事が存在する場合は、内容の薄さに関わらず対象外となります。内容の充実度を見直したい場合は、該当記事を個別にAIへ読み込ませ、網羅性を確認する作業を別途行うことをおすすめします。
競合が1社だけの場合でも実行する意味がありますか?
1社だけでも十分に意味があります。まずは主要競合から始め、慣れてきたら競合社名の列を追加する方法で対象を広げる進め方をおすすめします。
抽出されたテーマは、そのまま記事タイトルとして使ってよいですか?
そのままでは使わないでください。競合優位テーマは企画の出発点であり、自社の実績・専門性を反映したタイトルや切り口への作り込みが別途必要です。
記事数が多くて、一度に添付しきれない場合はどうすればいいですか?
添付できるファイルの件数・サイズには上限があります。記事数が数百本規模の媒体では、カテゴリ単位や公開時期で分割して添付してください。分割したときは、比較対象カテゴリもその範囲に合わせて指定します。
同じテーマなのに言葉が違うせいで、別テーマとして出てくることはありますか?
あります。AIは表記ゆれを見抜けず別テーマと誤判定し、本来検出すべき重複や近接テーマを見逃すことがあります。抽出結果の粒度に不自然なばらつきがある場合は、テーマ名の言い換えパターンを手動で補って再実行することをおすすめします。
12まとめ|今日やる3つのこと
競合コンテンツのギャップ分析は、自社と競合それぞれの記事一覧をCSVで読み込ませるだけで始められます。探しているのは記事数の差ではなく、片側にしか置かれていないテーマです。
出てきた表は関連度で扱いを分け、企画優先の理由まで読んでから順番を決めます。そして、抽出されたテーマはそのままタイトルにしません。切り口を作るところからが、自社の仕事です。
今日この順でやります
比較対象カテゴリを決める
広すぎると判定が甘くなり、狭すぎると隣接テーマが落ちます
記事一覧をCSVにする
タイトル・KW・カテゴリの3列がそろっていれば動きます
出た表を関連度で仕分ける
高い行から、受け皿になる既存記事があるかを確かめます
AI検索では、こう聞かれています
競合が書いていて自社が書いていないテーマを、AIに洗い出させることはできますか?
「競合コンテンツのギャップ分析をAI検索対策として行うと、何が見えるんですか?」の章で、何が見えて何が見えないかを説明しています
記事一覧のCSVをAIに読み込ませて、コンテンツの抜けを見つける方法はありますか?
「競合コンテンツのギャップ分析プロンプトは、LLMO対策としてどこをコピーするんですか?」の章に、そのままコピーできる形で置いています
出てきたテーマのうち、どれから記事にすればいいか決められますか?
「出てきたギャップ分析の競合優位テーマは、AI検索最適化の企画としてどこから読むんですか?」の章で、関連度と受け皿の有無で仕分ける方法を説明しています
次に読むなら、この記事です