内部リンクは、一度設置して終わりではありません。記事の追加や削除が繰り返されるうち、アンカーテキストは実態とずれ、リンク切れや孤立ページが静かに積み上がっていきます。この記事では、既存の内部リンクの状態を一覧でAIに渡し、問題箇所の診断から改善案の設計までを担わせる2本のプロンプトを解説します。
01この記事でわかること
- 既存の内部リンク一覧をAIに渡し、アンカーテキストの改善点とリンク切れ・孤立ページの優先度を診断させるプロンプト2本
- 入力する情報(発リンク元・リンク先・現在のアンカーテキスト、既知のリンク切れ状況、全記事タイトル一覧)と、得られる出力(診断結果表と改善案)
- 診断結果を、実際のリンク修正作業へどう反映するか
02結論サマリー
内部リンクの劣化は、新しい記事を書き足す速度よりも静かに進みます。既存のリンク一覧(発リンク元・リンク先・現在のアンカーテキスト・既知のリンク切れ状況)と全記事タイトル一覧をAIに渡すと、アンカーテキストの改善点を洗い出せます。同時に、優先度つきのリンク切れ対応案と孤立ページの候補も一度に得られます。
新しい記事同士の組み合わせを広く探す候補提案は、別記事『記事群から内部リンク候補をAIに提案させる実践プロンプト』が扱っています。本記事は、その候補提案の後工程にあたる、すでに存在するリンクの点検と修正に的を絞ります。
使用AIツール: ChatGPT等(既存リンクの一覧と全記事タイトル一覧をテキストとして貼り付けるだけで動作します。ファイルアップロードや外部ツール連携は不要です(2026年7月時点)。無料プランでも実行できますが、記事数が多い場合は複数回に分けて投入してください)
03課題の整理(なぜ難しいか)
内部リンクの不具合は、公開直後には目立ちません。時間が経ってから、記憶や勘に頼った点検では拾いきれない形で症状が現れます。
- 見た目には正しく機能しているアンカーテキストでも、内容とずれていることに気づきにくい
- リンク切れは、実際にクリックして踏まなければ見つからない
- 新しい記事を公開しても、既存記事から一度もリンクを受け取れていないかまでは確認しづらい
- 全記事の組み合わせを人力で目視点検するのは、記事数が増えるほど非現実的になる
整理すべき問題は複数種類にまたがるため、点検の手間を減らす目的で、以下では2本のプロンプトに役割を分けています。
04プロンプト本体
既存の内部リンクを一定期間ごとに棚卸しする場面、またはサイト全体の内部リンク構造に不安を感じたときに使います。
プロンプト1: アンカーテキストの診断・改善
あなたは内部リンク構造を点検するSEO/AIOアナリストです。
以下の既存内部リンク一覧をもとに、アンカーテキストの質を診断してください。
■入力データ
既存内部リンク一覧(1行1リンク。「発リンク元記事タイトル / リンク先記事
タイトル / 現在のアンカーテキスト」の形式):
【既存内部リンク一覧】
■判定基準(この基準で判定すること)
1. アンカーテキストが、リンク先の内容を単独で読んでも把握できる説明的
な文言になっているか。
2. 「こちら」「詳細はこちら」「この記事」のような、内容を示さない汎用
的な文言になっていないか。
3. リンク先と無関係なキーワードの詰め込みになっていないか。
■出力形式
以下の表形式で出力してください。
| 発リンク元 | 現在のアンカーテキスト | 判定(OK/要改善) | 改善案 |
表の後に、要改善と判定した件数を1行でまとめること。
■制約
- 【既存内部リンク一覧】に実在しない記事タイトルを作り出さないこと。
- 改善案は、入力されたリンク先記事タイトルの範囲内で作成し、記事本文
の内容を推測して付け加えないこと。プロンプト2: リンク切れ優先度・孤立ページの洗い出し
あなたは内部リンク構造を点検するSEO/AIOアナリストです。
以下の入力データをもとに、リンク切れへの対応優先度と、孤立ページの
候補を洗い出してください。
■入力データ
リンク切れ候補一覧(1行1件。「リンク元記事タイトル / リンク先URL / 生死
ステータス」の形式。ステータスはクローラーツール等で事前確認した結果
を入力すること):
【リンク切れ候補一覧】
全記事タイトル一覧: 【全記事タイトル一覧】
既存内部リンク一覧(発リンク元記事タイトルとリンク先記事タイトルの
ペア): 【既存内部リンク一覧】
■分析手順
1. 【リンク切れ候補一覧】のうち、ステータスが「切れ」と記載された行に
ついて、リンク元記事の重要度が入力に含まれる場合はそれを踏まえ、
対応優先度を高・中・低で判定すること。ステータス欄が空欄または不明
な行は、優先度をつけず「要確認」とすること。
2. 【全記事タイトル一覧】と【既存内部リンク一覧】を突き合わせ、リンク
先として一度も登場しない記事を孤立ページ候補として抽出すること。
3. 孤立ページ候補には、タイトルから関連性が推測できる既存記事を1〜2件、
リンク元候補として添えること。あくまで候補であり、実際の関連性は
人が確認する前提とすること。
■出力形式
「①リンク切れ対応優先度」「②孤立ページ候補とリンク元候補案」の2つの
表に分けて出力してください。
■制約
- 【リンク切れ候補一覧】にないURLやステータスを、AIが推測して作り出さ
ないこと。
- リンク先URLが実際に生きているかどうかを、AI自身が判定したものとして
出力しないこと(判定は入力されたステータスのみにもとづくこと)。使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【既存内部リンク一覧】 | 発リンク元記事タイトル・リンク先記事タイトル・現在のアンカーテキストを1行ずつ列挙したもの | AIOとはの記事/llms.txtの記事/こちらの記事(架空例) |
| 【リンク切れ候補一覧】 | クローラーツール等で事前確認したリンク元・リンク先URL・生死ステータス | 事例記事A/https://example.com/old-page/切れ(架空例) |
| 【全記事タイトル一覧】 | サイト内の全記事タイトルを列挙したもの | (公開済み記事のタイトル一覧をそのまま貼り付け) |
※入力例はすべて架空の例です。
05出力の見方と分析の観点
プロンプト1の出力は、「要改善」の行から優先して確認します。改善案は鵜呑みにせず、実際にリンク先記事を開き、内容と一致しているかを確認してから採用します。
- アンカーテキスト要改善: 改善案をそのまま使わず、リンク先の最新の内容と照らして自分の言葉で調整する
- リンク切れ・優先度高: アクセスの多いページからのリンクである可能性が高く、早めの差し替えが望ましい
- 孤立ページ候補: 提案されたリンク元候補は仮説にすぎず、要約を読んで本当に関連性があるか確認してから追加する
既存リンクの改善は、別記事『内部リンク設計でトピッククラスターを作る方法|実装6ステップ』が示す設計思想を土台にしています。孤立ページの解消も、別記事『サイト構造とAIクローラビリティの関係|設計手順を7ステップで解説』が示すクローラビリティの原則に沿った実務です。
06応用パターン
応用1: 定例レビューに組み込む
月次や四半期ごとにリンク一覧を最新化して同じプロンプトを再実行すれば、アンカーテキストの陳腐化やリンクの劣化を早期に検知できます。
応用2: 新規リンク候補の提案と組み合わせる
孤立ページ候補が出たら、別記事『記事群から内部リンク候補をAIに提案させる実践プロンプト』のプロンプトで、その記事を起点にリンク元候補を広く探すと、解消までの動きが早くなります。
07注意点
既存内部リンク一覧の情報が古い(記事がすでに削除・改題されている等)と、診断結果もその古い前提のまま出力されます。実行前に一覧を最新化してください。
AIはリンク先URLの生死を自分で確認できません。生死ステータスは、Search Console等の外部ツールで事前確認した結果を入力する前提で設計されており、空欄のままでは正確な優先度判定になりません。
AIの出力には誤りが含まれる場合があります。特にリンクの向きや優先度の判定は、記事の実際の重要度と照らして確認してください。
未公開の記事タイトルやURL構成を含める場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。
診断結果を社外の委託先と共有する場合や、大量ページに自動適用する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください。
AIの回答は実行のたびに揺らぎます。優先度の判定や孤立ページ候補の絞り込みが変わることがあるため、重要な判断の前には複数回実行して安定を確認することをおすすめします。
08FAQ
Q. リンク切れ候補一覧は、どうやって用意すればいいですか?
Google Search Consoleのクロールエラーレポートや、市販のサイトクローラーツールで検出したリンク切れの一覧を、URLとステータスの形式でまとめてください。AI自身はリンク先の生死を確認できないため、この事前準備が診断の精度を左右します。
Q. 孤立ページ候補に挙がった記事は、すべてリンクを追加すべきですか?
すべてに追加する必要はありません。提案されたリンク元候補が実際に内容として関連しているかを確認し、無理につなげると読者の文脈を壊すペアは見送ってください。
Q. どのくらいの頻度でこのプロンプトを再実行すればいいですか?
記事の追加・改題・削除の頻度に合わせるのが基本です。月に数本以上のペースで記事を公開しているメディアであれば、月次での再実行が目安になります。