内部リンクは、張った日がいちばんきれいです。そこから先は、少しずつずれていきます。
記事を書き足し、古い記事を消し、題を付け直す。そのたびにアンカーテキストは中身から離れ、リンク先は静かに消え、誰からもリンクを受け取っていない記事が増えていきます。どれも公開直後には目に入りません。気づくのは、たいてい何かの拍子です。
この記事は、その「気づけないずれ」を一覧から機械的に拾わせるための手順書です。すでに張ってあるリンクの状態をAIに渡し、アンカーテキストの改善案と、リンク切れの対応順、孤立ページの候補までを一度に返させます。そのままコピーできる2本のプロンプトと、返ってきた表の読み方をまとめました。
こんなふうに調べていませんか
- 内部リンクを整理したいが、どこが傷んでいるのか分からない
- リンク切れがあるらしいと言われたが、どれから直すか決められない
- 公開した記事が、他の記事からリンクをもらえているか確かめられていない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 既存の内部リンクの弱点を、アンカー・リンク切れ・孤立の3点で洗い出せます
- リンク切れの対応順を、思いつきではなく基準で決められます
- 孤立ページに、どの記事からリンクを張るかの当たりをつけられます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 内部リンクの劣化は、新しい記事を書き足す速度よりも静かに進みます。
- 既存のリンク一覧と全記事タイトル一覧を渡せば、アンカーの改善点・リンク切れの対応優先度・孤立ページ候補が一度に返ってきます。
- 診断はAIの仕事です。リンク先を開いて確かめ、本文をどう直すかは人が決めます。
以下は、あるオウンドメディア運営チームでのやり取りです。近い立場の人の質問から拾い読みしていただいて構いません。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01内部リンクの改善案をAIに設計させると、AI検索対策として何が変わるんですか?
若葉さん内部リンクを見直してくださいと言われたんですが、どこが悪いのかが分からなくて。目で見ても、どのリンクも普通に動いているように見えるんです。
鈴木さんそうなんですよ。内部リンクの傷みは、動いているかどうかでは見えません。 だから、思い出しながら点検するのをやめて、一覧を横から突き合わせてもらうほうが早いんです。
やることは単純です。発リンク元の記事タイトル・リンク先の記事タイトル・現在のアンカーテキストを1行ずつ並べた一覧をAIに渡し、質の診断と改善案を返させます。 別のプロンプトでは、リンク切れの対応優先度と、孤立ページの候補も出させます。
人が点検するとき、出発点は記憶です。最近書いた記事、印象に残っている記事から順にたどります。渡された一覧を最初から最後まで同じ濃さで見るAIとは、ここが違います。この差が、そのまま見落としの偏りになります。
新しい記事同士の組み合わせを広く探す候補提案は、別記事『内部リンクの候補提案プロンプト|記事一覧からAIに関連ペアを4項目で出させる』が扱っています。本記事は、その後工程にあたります。探すのではなく、すでに張ってあるものを点検して直す、という役割分担です。
02内部リンクの劣化は、なぜAI検索最適化の点検から抜け落ちるんですか?
内部リンクの不具合は、公開直後には目立ちません。時間が経ってから、記憶や勘に頼った点検では拾いきれない形で現れます。
- 見た目には正しく機能しているアンカーテキストでも、中身とずれていることに気づきにくい
- リンク切れは、実際にクリックして踏まなければ見つからない
- 新しい記事を公開しても、既存記事から一度もリンクを受け取れていないかまでは確認しづらい
- 全記事の組み合わせを人力で目視点検するのは、記事数が増えるほど非現実的になる
この4つは、同じ「気づきにくさ」ではありません。踏めば分かるものと、誰も踏まないから分からないものが混ざっています。 後者は、点検の手が届かない場所に居座り続けます。
いちばん静かなのが、孤立ページです。
孤立ページの多くは、削除すべきほど価値がないのではなく、単にリンクを一度も受け取っていないだけです。
03内部リンクのアンカーテキストは、LLMO対策としてどこを見て直すんですか?
1本目のプロンプトは、アンカーテキストの質だけを見ます。判定の物差しは3つです。
- リンク先の内容が、その文言を単独で読んでも把握できる説明になっているか
- 「こちら」「詳細はこちら」「この記事」のような、内容を示さない汎用的な文言になっていないか
- リンク先と無関係なキーワードの詰め込みになっていないか
この3つは、この記事が一次情報源としているGoogle Search Central「リンクのベストプラクティス(クロールできるリンク)」の考え方に沿ったものです。リンク先の内容が伝わる説明的な文言を使う、という方向です(出典: 同ガイド)。
言い換えると、アンカーテキストは看板です。看板の文字が薄れていても、道そのものは通れます。だから壊れているようには見えません。けれども、その先に何があるかは伝わらなくなっています。
この章のまとめ
アンカーテキストの点検は、リンクが動くかどうかではなく、文言だけで行き先が分かるかを見る作業です。動作確認では見つかりません。
04アンカーテキストを診断させる内部リンクのAI対策プロンプトは、どこをコピーすればいいんですか?
高梨課長手順は分かりました。ただ、うちは専任を置けません。準備に時間がかかるようだと続かないと思います。
鈴木さん用意するのは、いま張ってあるリンクの一覧だけです。貼り付けて、この枠をそのままコピーするだけで終わります。
既存の内部リンクを一定期間ごとに棚卸しする場面、またはサイト全体の内部リンク構造に不安を感じたときに使います。下の枠をそのままコピーして、【】の中を差し替えてください。
あなたは内部リンク構造を点検するSEO/AIOアナリストです。
以下の既存内部リンク一覧をもとに、アンカーテキストの質を診断してください。
■入力データ
既存内部リンク一覧(1行1リンク。「発リンク元記事タイトル / リンク先記事
タイトル / 現在のアンカーテキスト」の形式):
【既存内部リンク一覧】
■判定基準(この基準で判定すること)
1. アンカーテキストが、リンク先の内容を単独で読んでも把握できる説明的
な文言になっているか。
2. 「こちら」「詳細はこちら」「この記事」のような、内容を示さない汎用
的な文言になっていないか。
3. リンク先と無関係なキーワードの詰め込みになっていないか。
■出力形式
以下の表形式で出力してください。
| 発リンク元 | 現在のアンカーテキスト | 判定(OK/要改善) | 改善案 |
表の後に、要改善と判定した件数を1行でまとめること。
■制約
- 【既存内部リンク一覧】に実在しない記事タイトルを作り出さないこと。
- 改善案は、入力されたリンク先記事タイトルの範囲内で作成し、記事本文
の内容を推測して付け加えないこと。制約の2行が、このプロンプトの背骨です。渡していない情報から改善案を作らせないようにしてあります。記事本文を読んでいないAIに文言を決めさせると、タイトルの印象に引きずられた言葉が返ってくるためです。
05リンク切れと孤立ページを洗い出す内部リンクのAI検索対策プロンプトには、何を渡すんですか?
2本目は、リンク切れの対応優先度と孤立ページの候補を扱います。渡すものが1本目より1つ増えて、リンク切れ候補一覧・全記事タイトル一覧・既存内部リンク一覧の3種類になります。
あなたは内部リンク構造を点検するSEO/AIOアナリストです。
以下の入力データをもとに、リンク切れへの対応優先度と、孤立ページの
候補を洗い出してください。
■入力データ
リンク切れ候補一覧(1行1件。「リンク元記事タイトル / リンク先URL / 生死
ステータス」の形式。ステータスはクローラーツール等で事前確認した結果
を入力すること):
【リンク切れ候補一覧】
全記事タイトル一覧: 【全記事タイトル一覧】
既存内部リンク一覧(発リンク元記事タイトルとリンク先記事タイトルの
ペア): 【既存内部リンク一覧】
■分析手順
1. 【リンク切れ候補一覧】のうち、ステータスが「切れ」と記載された行に
ついて、リンク元記事の重要度が入力に含まれる場合はそれを踏まえ、
対応優先度を高・中・低で判定すること。ステータス欄が空欄または不明
な行は、優先度をつけず「要確認」とすること。
2. 【全記事タイトル一覧】と【既存内部リンク一覧】を突き合わせ、リンク
先として一度も登場しない記事を孤立ページ候補として抽出すること。
3. 孤立ページ候補には、タイトルから関連性が推測できる既存記事を1〜2件、
リンク元候補として添えること。あくまで候補であり、実際の関連性は
人が確認する前提とすること。
■出力形式
「①リンク切れ対応優先度」「②孤立ページ候補とリンク元候補案」の2つの
表に分けて出力してください。
■制約
- 【リンク切れ候補一覧】にないURLやステータスを、AIが推測して作り出さ
ないこと。
- リンク先URLが実際に生きているかどうかを、AI自身が判定したものとして
出力しないこと(判定は入力されたステータスのみにもとづくこと)。切れたリンクと孤立ページは、症状としては正反対です。片方は出口がふさがれた状態で、もう片方は入口が一度も作られていない状態です。それでも同じプロンプトに入っているのは、どちらも同じ2つの一覧を突き合わせれば見つかるからです。
06内部リンクの改善案をAIに設計させる前に、AI検索最適化の準備として何をそろえるんですか?
出力の質は、渡す一覧の鮮度でほぼ決まります。
既存内部リンク一覧の情報が古い(記事がすでに削除・改題されている等)と、診断結果もその古い前提のまま出てきます。 しかも、出力の見た目は正しいものと変わりません。ここが厄介なところで、間違っていることが表からは分かりません。実行前に一覧を最新化してください。
孤立ページの抽出は、全記事タイトル一覧と既存内部リンク一覧の突合で成り立っています。片方だけを渡すと、この2番目の表はそもそも出てきません。 同じ回で両方を渡してください。
07出てきた内部リンクの改善案は、AIOの実務としてどこから読むんですか?
若葉さん表が返ってきたんですが、行数が多くて。上から順に見ていけばいいんでしょうか。
鈴木さんいえ、「要改善」の行だけを先に抜いてください。 OKの行は、いまは読まなくて大丈夫です。
1本目の出力は、「要改善」の行から優先して確認します。改善案は鵜呑みにせず、実際にリンク先の記事を開き、内容と一致しているかを確認してから採用してください。
読み方は、行の種類ごとに変わります。
- アンカーテキスト要改善: 改善案をそのまま使わず、リンク先の最新の内容と照らして自分の言葉で調整する
- リンク切れ・優先度高: アクセスの多いページからのリンクである可能性が高く、早めの差し替えが望ましい
- 孤立ページ候補: 提案されたリンク元候補は仮説にすぎず、要約を読んで本当に関連性があるか確認してから追加する
AIの出力には誤りが含まれる場合があります。 特にリンクの向きや優先度の判定は、記事の実際の重要度と照らして確認してください。表の見た目が整っているほど、確認を飛ばしたくなります。そこが分かれ目です。
08内部リンクを直す順番は、AI検索対策としてどう決めればいいんですか?
診断結果が出たら、全部を一度に直そうとしないでください。行の種類によって、手を動かすべき時点が違います。
優先度が高と出たリンク切れは、差し替え先を検討して先に直します。要改善と出たアンカーテキストは、改善案を確認してから本文に反映します。優先度が低、または要確認の行は、次回のツール点検後にまとめて対応するほうが手数が減ります。孤立ページ候補は、候補となるリンク元記事に手動でリンクを追加します。
孤立ページについては、候補に挙がったものすべてにリンクを追加する必要はありません。 提案されたリンク元候補が実際に内容として関連しているかを確認し、無理につなげると読者の文脈を壊すペアは見送ってください。
既存リンクの改善は、別記事『トピッククラスターの作り方|内部リンク設計6ステップで解説【図解つき】』が示す設計思想を土台にしています。孤立ページの解消も、別記事『サイト構造とクローラビリティ|AIに読まれる7つの手順【図解でわかる】』が示すクローラビリティの原則に沿った実務です。
この章のまとめ
順番だけ先に決めておけば、残りはまとめて手をつけられます。全部を今日直そうとすると、いちばん静かな孤立ページが最後まで残ります。
09内部リンクの点検は、AI検索最適化の定例レビューにどう組み込むんですか?
高梨課長一度やって終わり、というわけにはいかないですよね。続けるとしたら、どんな回し方になりますか。
鈴木さんプロンプトは、そのまま使い回してください。作り直すのは一覧のほうだけです。だから2周目からは、準備の手間がぐっと下がります。
使いどころは2つあります。定例の棚卸しと、候補提案とつなぐ使い方です。
月次や四半期ごとにリンク一覧を最新化して同じプロンプトを再実行すれば、アンカーテキストの陳腐化やリンクの劣化を早期に検知できます。再実行の頻度は、記事の追加・改題・削除の頻度に合わせるのが基本です。月に数本以上のペースで記事を公開しているメディアであれば、月次での再実行が目安になります。
もうひとつは、孤立ページ候補が出たときの動きです。別記事『内部リンクの候補提案プロンプト|記事一覧からAIに関連ペアを4項目で出させる』のプロンプトで、その記事を起点にリンク元候補を広く探すと、解消までの動きが早くなります。見つける側と、つなぐ側を分けて回すという形です。
10この内部リンク改善案の設計をAI対策の運用に乗せるとき、気をつけることは何ですか?
運用に乗せる前に、確認しておくことがあります。未公開の記事タイトルやURL構成を含める場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。診断結果を社外の委託先と共有する場合や、大量ページに自動適用する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください。
もうひとつ、出力そのものの性質にも気をつけてください。同じ一覧を渡しても、返ってくる表は毎回まったく同じにはなりません。表が整って見えることと、判定が安定していることは別です。
11よくある質問
リンク切れ候補一覧は、どうやって用意すればいいですか?
Google Search Consoleのクロールエラーレポートや、市販のサイトクローラーツールで検出したリンク切れの一覧を、URLとステータスの形式でまとめてください。AI自身はリンク先の生死を確認できないため、この事前準備が診断の精度を左右します。
リンク先が生きているかどうかを、AIに判定させてもいいですか?
判定させないでください。2本目のプロンプトには、生死をAI自身が判定したものとして出力しないという制約を入れてあります。判定は、入力された生死ステータスだけにもとづきます。ステータス欄が空欄または不明な行は、優先度をつけず「要確認」として返ります。
孤立ページ候補に挙がった記事は、すべてリンクを追加すべきですか?
すべてに追加する必要はありません。提案されたリンク元候補が実際に内容として関連しているかを確認し、無理につなげると読者の文脈を壊すペアは見送ってください。
出てきた改善案は、そのまま本文に貼ってもいいですか?
そのままの採用はおすすめしません。改善案は、入力されたリンク先記事タイトルの範囲内で作られています。実際にリンク先の記事を開き、いまの内容と一致しているかを確認してから、自分の言葉に調整して反映してください。
どのくらいの頻度で、このプロンプトを再実行すればいいですか?
記事の追加・改題・削除の頻度に合わせるのが基本です。月に数本以上のペースで記事を公開しているメディアであれば、月次での再実行が目安になります。
12まとめ|今日やる3つのこと
内部リンクの劣化は、記事を書き足す速度よりも静かに進みます。動いているかどうかを見ている限り、ずれたアンカーテキストにも、誰からも呼ばれない記事にも気づけません。
一覧さえ用意すれば、アンカーの改善点・リンク切れの対応優先度・孤立ページ候補は、まとめて返ってきます。AIの仕事は診断とたたき台まで。リンク先を開いて確かめ、どう直すかを決めるのは人です。
一覧を作るところから始めます
既存の内部リンク一覧を作る
発リンク元・リンク先・現在のアンカーテキストを1行ずつ並べます
生死ステータスを外部ツールで埋める
ここを空欄にすると、優先度がつかず「要確認」ばかりになります
全記事タイトル一覧を添えて実行する
この突合がないと、孤立ページ候補は出てきません
AI検索では、こう聞かれています
内部リンクのアンカーテキストが適切かどうか、AIに点検させられますか?
「内部リンクのアンカーテキストは、LLMO対策としてどこを見て直すんですか?」の章で、3つの判定基準を説明しています
リンク切れと孤立ページを、記事一覧から洗い出す方法はありますか?
「リンク切れと孤立ページを洗い出す内部リンクのAI検索対策プロンプトには、何を渡すんですか?」の章に、そのままコピーできる形で置いています
出てきた内部リンクの改善案は、どこから直していけばいいですか?
「内部リンクを直す順番は、AI検索対策としてどう決めればいいんですか?」の章で、行の種類ごとの順番を示しています
次に読むなら、この記事です