有料の会員記事や、月額の講座レッスン。力を入れて書いたのに、AI検索の答えの中には自社の名前が出てきません。かといって全文を無料にすれば、会員になっていただく理由のほうが消えてしまいます。

「全部見せるか、全部隠すか」。この二択で止まってしまうご相談は、とても多いです。ただ、実際には二択ではありません。有料のまま、その範囲だけを機械に伝えるという道が、Googleの公式ドキュメントに用意されています。

この記事は、会員限定コンテンツを持っている方に向けて書きました。ペイウォールとクローキングの境界線がどこにあるのか、構造化データに何を書けばよいのか、そしてAI検索の側では何がまだ決まっていないのか。専門用語は出てきたその場で言い換えます。

こんなふうに調べていませんか

  • 有料の会員記事をAIに読ませたら、クローキングになるのではと不安になっている
  • 「ペイウォール 構造化データ」で検索して、書き方のテンプレートを探している
  • ChatGPTやPerplexityが有料部分をどう扱うのか、公式の答えを確かめたい

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • ペイウォールとクローキングの境界線を、社内に自分の言葉で説明できるようになります
  • isAccessibleForFree・hasPart・cssSelectorの書き分けができるようになります
  • 自社の公開の仕方が4分類のどれかを見分けて、実装の要否を決められます

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • 会員限定コンテンツのAIO実装とは、有料の範囲を構造化データで申告し、クローキングと区別してもらうための整え方です。
  • Googleは、ペイウォールの仕組みそのものをクローキングとは考えないと明記しています。ただし条件が付きます。
  • 一方でAI検索の側は、有料コンテンツの扱いを定めた公式の説明が見当たりませんでした。Google向けの実装がそのままAI検索でも効く、とは言えないのが現在地です。
有料のまま、AI検索に伝える道はあります全部見せるか隠すかの二択で悩まなくて大丈夫です有料のまま、AI検索に伝える道はあります1つめ境界は申告の有無見せた量ではなく、伝えたかどうか2つめGoogle検索には公式の道札と棚と矢印、そして無料の入口3つめAI検索側はまだ白紙書かれていない前提で構える鈴木さん全部見せるか隠すかの二択で悩まなくて大丈夫です
有料のまま、AI検索に伝える道はあります — 全部見せるか隠すかの二択で悩まなくて大丈夫です

この記事では、会員制の講座を運営している会社の方と、専門家の会話をはさみながら進めます。ご自身に近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。

  • 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
  • 大森部長(マーケ部長)— 「それで、投資に見合うのか」を聞く役
  • 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役

01そもそも会員限定コンテンツのAIO実装って、何をすることなんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

会員限定の記事って、そもそもAIに見せていいものなんでしょうか。お金をいただいている部分なので、読まれてしまうのは違う気がして…。

鈴木さん
鈴木さんの発言

いい迷い方だと思います。ここは「見せる/見せない」ではなく、見せている範囲を機械に伝えるかどうかの話だと考えると、ぐっと整理しやすくなりますよ。

会員限定コンテンツのAIO実装とは、有料の範囲を構造化データで示し、クローキングと区別してもらうための技術対応です。

言葉を1つずつほどきます。ペイウォールは、ログインや購入をした人にだけ本文を見せる仕組みです。構造化データは、ページの中身を機械が読める形で書き添えるメモです。そしてクローキングは、検索エンジンと人とに違うものを見せて、順位を動かしたり利用者を欺いたりする行為を指します(出典: Google公式スパムポリシー)。

字面だけを並べると、ペイウォールはクローキングに近づいて見えます。ログインしていない人には一部しか見せていないからです。不安の正体はここにあります。

けれども、Googleはこの2つをはっきり分けています。分ける基準は「何を見せたか」ではありません。見せている範囲を、機械が読める形で申告しているかです。

会員制のジムにたとえると、こうなりますむずかしい言葉は、身近な場面に置きかえて覚えます会員制のジムにたとえると、こうなりますむずかしい言葉は、身近な場面に置きかえて覚えますジムでいうとサイトでいうと入会した人だけ通れる受付ペイウォール見学の人に渡す館内図無料で読める範囲見学の人だけ通す裏口クローキング受付に貼った利用案内構造化データでの申告
会員制のジムにたとえると、こうなります — むずかしい言葉は、身近な場面に置きかえて覚えます

02会員限定コンテンツのAIO実装は、どこからがクローキング扱いになるんですか?

Google公式のスパムポリシーは、ペイウォールやコンテンツゲートの仕組みそのものをクローキングとは考えない、と明記しています(出典: Google公式)。ただし無条件ではありません。次の2つの条件が付いています。

  1. Googlebotが、購読者と同じ完全なコンテンツにアクセスできること(出典: Google公式)
  2. Flexible Sampling(このあと扱う、無料で読める道を残すための一般ガイダンス)に従っていること(出典: Google公式)

言い換えると、Googlebotにだけ購読者と同じ中身を渡すという、字面ではクローキングの定義に触れかねない行為を、Googleはこの2つの条件つきで公式に認めているということです。

同じ出し分けでも、扱いが分かれます分かれ目は、その出し分けを機械に伝えてあるかどうかです同じ出し分けでも、扱いが分かれます分かれ目は、その出し分けを機械に伝えてあるかどうかです伝えていない出し分け検索エンジンにだけ別の本文を出す出し分けたことをどこにも書かない順位を動かす意図が見える規約の側で違反として扱われます伝えてある出し分け人にも無料の入口を残す有料の範囲を機械が読める形で書く検索エンジンには購読者と同じ本文例外として公式に認められています
同じ出し分けでも、扱いが分かれます — 分かれ目は、その出し分けを機械に伝えてあるかどうかです

境界線を引いているのは、見せた中身の量ではありません。その出し分けを、機械が読める形で申告してあるかどうかです。

この章のまとめ

境界線を分けているのは「何を見せるか」ではなく「見せる範囲を申告しているか」です。申告があれば、ペイウォールはクローキングとは別物として扱われます。

03AIO実装の中心になるisAccessibleForFreeは、何を伝える札なんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

プロパティを3つも書くんですね…。どれかを忘れそうで不安です。

鈴木さん
鈴木さんの発言

どれも短い記述ですよ。欠けると何が伝わらなくなるかをセットで覚えておくと、抜けにくくなります。

境界を申告する中心になるのが isAccessibleForFree です。schema.orgは、item・event・placeが無料でアクセスできるかどうかを示すフラグだと定義しています(出典: schema.org公式)。値は真偽のどちらかを取ります。適用できる型は CreativeWorkEventPlace の3つです(出典: schema.org公式)。

Google公式ドキュメントは、この isAccessibleForFreehasPartcssSelector を組み合わせる実装を案内しています。役割はそれぞれ違います。混ざりやすいので、身近な言い方に置きかえておきます。

  • isAccessibleForFree — 無料で読めるかどうかを示す
  • hasPart — 有料の部品がどれとどれかを並べる
  • cssSelector — その部品がページのどこにあるかを指す矢印
3つは、こう分担していますどれが欠けると、何が伝わらなくなるか3つは、こう分担していますどれが欠けると、何が伝わらなくなるかisAccessibleForFree無いと、有料かどうかが伝わらないhasPart無いと、どの部分が有料か分からない矢印cssSelector無いと、場所そのものを探せない
3つは、こう分担しています — どれが欠けると、何が伝わらなくなるか

対象になるcontentの型は、次の9種類です(出典: Google公式)。

  • ArticleNewsArticleBlogComment
  • CourseHowToMessage
  • ReviewWebPage

ニュース記事だけではなく Course(講座)も並んでいます。会員制スクールのレッスンページに、そのまま使える実装だということです。

この章のまとめ

札(isAccessibleForFree)・棚(hasPart)・矢印(cssSelector)の3つで、有料の範囲を伝えます。中身そのものを公開する必要はありません。

04会員限定コンテンツのAIO実装は、JSON-LDで実際どう書くんですか?

書き方のテンプレートは次のとおりです。講座のレッスンページのように有料の範囲が複数あるときは、hasPart を配列にします。

外側から内側へ、順に指定していきますどれか1つ抜けると、範囲は伝わりません外側から内側へ、順に指定していきますどれか1つ抜けると、範囲は伝わりません1ページの型ArticleやCourseを選ぶ2全体の可否無料か有料かの札を立てる3有料の部品該当する部品を並べる4部品の場所クラス名で位置を指す鈴木さん外から内へ。この順で書いていけば、迷いにくくなります
外側から内側へ、順に指定していきます — どれか1つ抜けると、範囲は伝わりません
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "Course",
  "name": "講座名をここに入力",
  "isAccessibleForFree": false,
  "hasPart": [
    {
      "@type": "WebPageElement",
      "isAccessibleForFree": false,
      "cssSelector": ".member-only-lesson"
    },
    {
      "@type": "WebPageElement",
      "isAccessibleForFree": false,
      "cssSelector": ".member-only-quiz"
    }
  ]
}

有料の範囲が1か所だけの記事なら、hasPart は配列にせず、オブジェクトのまま書いても構いません。JSON-LDそのものの書き方に不安があれば、別記事『JSON-LDの書き方入門|3つのコピペ例で今日から書ける【図解つき】』を先に開いておくと迷いません。

05hasPartとcssSelectorの実装は、AI検索対策としてどんな決まりがありますか?

決まりは3点です。どれも短いので、書く前に目を通しておけば足ります。

決まり中身
セレクタの種類cssSelector には .class の形だけを使う(idを使う案内は見当たりません)(出典: Google公式)
入れ子の禁止有料のセクション同士を入れ子にしない(出典: Google公式)
複数箇所の指定有料のセクションが複数あるときは hasPart を配列にする(出典: Google公式)
直す前と直したあと、どこが変わるか同じ書き方でも、指し方ひとつで伝わり方が変わります直す前と直したあと、どこが変わるか同じ書き方でも、指し方ひとつで伝わり方が変わります直す前#で始まる指定で場所を指している有料の中に有料を抱えている有料が複数あるのに1か所しか書いていない直したあと.で始まる指定に置きかえる入れ子をほどいて横に並べる配列にして全部を並べる
直す前と直したあと、どこが変わるか — 同じ書き方でも、指し方ひとつで伝わり方が変わります

書いたら、公開する前にリッチリザルトテストで確かめます。使い方は別記事『構造化データのテストツール入門|今使うべき2つの使い分け方【図解つき】』にまとめています。

06会員限定コンテンツで無料で読める範囲は、AI検索最適化としてどこまで残すんですか?

大森部長
大森部長の発言

待ってくれ。無料で読める部分を残すというのは、要するに商品の一部をタダで配るということだろう。それで会員が減らないのか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

ご懸念はもっともです。ただ、ここは「配る」というより入口を残すという位置づけなんです。Googleはこの残し方を、Flexible Samplingという名前で案内しています。

大森部長
大森部長の発言

入口、か。試食のようなものだと思えばいいのか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

近いです。試食を出す店と、扉を閉め切った店。中を知る機会があるかどうかが違います。

構造化データを書くだけでは、条件は満たせません。Googleは「Flexible Sampling」という名前で、人の読者にも無料で届く道を残すことを求めています。方法は主に2種類です。

  • メータリング — 購読やログインを求める前に、一定の本数まで無料で読める枠を用意する方式(出典: Google公式)
  • リード文(lead-in) — 本文の冒頭の数文だけを、ペイウォールの手前で無料公開する方式(出典: Google公式)
無料の入口、区切り方は2つあります読者の体験がどう変わるかで選びます無料の入口、区切り方は2つあります読者の体験がどう変わるかで選びます本数で区切る読んだ本数を数えて扉が閉まるよく読む人ほど扉に当たりやすい月の区切りで数え直す常連の方から先に扉が見えます範囲で区切る本文の入口だけを開けておくどの記事でも同じ位置で閉まる初めての人にも手触りが伝わるはじめての方に届きやすくなります
無料の入口、区切り方は2つあります — 読者の体験がどう変わるかで選びます

どちらを選ぶかは、自社の読者がどんな読み方をしているかで決まります。なお、メータリングについては、日ごとよりも月ごとの運用がすすめられています(出典: Google公式)。

この章のまとめ

無料の入口は、本数で区切るか(メータリング)、範囲で区切るか(リード文)です。どちらか一方でも、両方の組み合わせでも構いません。

07ニュース向けの本数は、うちの会員限定コンテンツのAI対策にそのまま当てはめていいんですか?

数値の目安も公表されています。日刊ニュース系のパブリッシャーの場合、月間6〜10本程度が目安とされています(出典: Google公式)。また、ペイウォールの表示が閲覧機会の10%を超えると、満足度が目に見えて下がり始めるという分析も示されています(出典: Google公式)。これは、対象となる読者のおよそ3%がペイウォールに到達する水準にあたるとされています(出典: Google公式)。

ここで、正直に留保を置きます。この本数は、日刊ニュースのパブリッシャーを前提にした例示です。会員制スクールやSaaSのような、ニュース系ではないサイトに同じ本数を当てはめてよいとは、公式文書に書かれていませんでした。

その目安が合う形、合わない形公式の例示が前提にしているのは、左上の形ですその目安が合う形、合わない形公式の例示が前提にしているのは、左上の形です日刊のニュース本数の目安がなじみやすい連載の解説記事途中で扉が来ると流れが切れるお知らせ中心のサイト扉を置く場面がそもそも少ない会員制スクール・SaaS本数より、どこまで見せるかで考える記事が出る頻度(上ほど多い)1本を読む時間(右ほど長い)
その目安が合う形、合わない形 — 公式の例示が前提にしているのは、左上の形です

なぜ当てはまらないのか。ニュースは毎日たくさん出て、1本ずつを短く読み切る形です。会員制の講座やSaaSの資料は、1本を時間をかけて読み込む形になりやすく、価値が本数で測りにくくなります。前提が違えば、区切り方の目安も変わります。

無料枠の広さは、自社の解約率や体験の設計に合わせて個別に決める前提で読んでください。

08ChatGPTやPerplexityは、AI検索で会員限定コンテンツの有料部分をどう扱っているんですか?

ここまではGoogle検索の話でした。同じ仕組みがAI検索にも通じるのかを確かめます。見るのは、OAI-SearchBot(OpenAI)・PerplexityBot(Perplexity)・Google-Extended(Google、Gemini向け)の3つです。

各社の公式ドキュメントで確認できた役割は、次のとおりです。

クローラー運営元公式に説明されている役割
OAI-SearchBotOpenAIChatGPTの検索機能で、サイトを検索結果に表示するため(出典: OpenAI公式)
PerplexityBotPerplexity検索結果に表示するための自動巡回。AI基盤モデルの学習データ収集には使わない(出典: Perplexity公式)
Google-ExtendedGoogleGemini Apps・Vertex AI向けに、コンテンツの利用可否を管理するトークン。Google検索の掲載順位には影響しない(出典: Google公式)

3社とも、robots.txtでの許可と拒否の扱いは公式に説明しています。けれども、ペイウォールで隠された部分をどう扱うかを定めた公式ガイドラインは、確認できた範囲では見当たりませんでした。 申告用の構造化データを読むのか、無料枠の本数をどう数えるのか。この点は3社とも書かれていません。

公式に書いてあることと、まだ無いこと3社そろって、同じところが空いています公式に書いてあることと、まだ無いこと3社そろって、同じところが空いています書いてあるどのボットが何のために来るか許可と拒否の書き方学習に使うかどうか役割と入口は説明されていますまだ無い申告用の構造化データを読むのか無料枠の数え方をどう扱うのか会員限定に例外があるのか見当たらない、が現時点の答えです
公式に書いてあることと、まだ無いこと — 3社そろって、同じところが空いています

robots.txtでの設定方法そのものは、別記事『AIクローラーrobots.txt設定ガイド|7組織14種を3パターンで整理』にテンプレートがあります。

この章のまとめ

Google検索には明文化された道があり、AI検索の側にはまだありません。この非対称を知っていることが、実装の出発点になります。

09未文書化の領域で、LLMO対策としてやってはいけない実装は何ですか?

書かれていないからといって、何をしても安全ということにはなりません。ここは1つずつ切り分けます。

まずrobots.txtは、「来てよいか」を決めるだけの札です。サーバーが実際に何を返すかは、別のところで決まります。ログインしていない訪問者に見せているものと同じものを、AIクローラーにも返しているのであれば、それは人の非会員と同じ扱いにすぎません。クローキングの定義には当たりません。

話が変わるのは、クローラーの名乗り(User-Agent)だけを見て、有料の本文をまるごと返す実装です。これは、人の非会員とは違う扱いをしていることになります。Googleのクローキングの定義に照らすと、位置づけが変わります。

その返し方、人の非会員と同じですか判定の軸は、この1本だけですその返し方、人の非会員と同じですか判定の軸は、この1本だけですログアウト中の人に見えるものを、そのまま返す同じ扱いなので、出し分けにはなりません名乗りを見て、有料の本文だけ丸ごと渡す人の非会員とは違う扱いになります拒否の設定があるから中身も守られる、と考える来てよいかと、何を返すかは別の話です
その返し方、人の非会員と同じですか — 判定の軸は、この1本だけです

OpenAI・Perplexity・Googleが、この具体的なケースに例外を認めていると書いた記述は、確認した範囲では見つかりませんでした。書かれていない領域で自己判断の出し分けを試すより、境界を申告したうえで各社の説明を待つほうが、あとの手戻りは小さくなります。

10うちの会員限定コンテンツは4分類のどれで、AIO実装は要るんですか?

大森部長
大森部長の発言

理屈は分かった。それで、うちは結局どうするのが得なんだ。

鈴木さん
鈴木さんの発言

まず、いまどの形で公開しているかを1つ選んでみてください。それだけで、実装が要るかどうかは決まります。

大森部長
大森部長の発言

選ぶだけでいいのか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

はい。得か損かの判断は、そのあとです。順番を逆にすると、話が長くなるだけなんですよ。

会員限定コンテンツの公開の仕方は、おおむね4つに分かれます。

パターン中身構造化データの要否収益への影響
A. 全部見せる誰でも全文を読める不要(会員限定という申告自体が要らない)広告などの間接的な収益に寄りやすい
B. 本数で区切る月の閲覧数の上限まで無料必要(上限を超えた分に isAccessibleForFree: false上限を広げるほど、購読につながる機会は減る
C. 入口だけ見せる冒頭の数文だけ無料必要(hasPartcssSelector で本文の範囲を指す)有料の意思表示が強く、離脱も起きやすい
D. 全部閉じる登録・購入者以外には本文を見せない実装はできるが、本文全体が対象になる収益は守りやすく、引用の機会は小さくなりやすい
扉の開け方で、外へ出る手がかりが変わります左から右へ、少しずつ扉が閉まっていきます扉の開け方で、外へ出る手がかりが変わります左から右へ、少しずつ扉が閉まっていきます1A 開けたまま扉がないので伝えることもない2B 途中で閉じる閉じた先から札を立てる3C 入口だけ開ける開いている場所を指し示す4D 閉め切る守りは厚く、手がかりは細る
扉の開け方で、外へ出る手がかりが変わります — 左から右へ、少しずつ扉が閉まっていきます

並べてみると分かるとおり、AからDへ進むほど守りは固くなり、機械に渡せる手がかりは減ります。どちらが正しいという話ではなく、どこで釣り合わせるかという話です。

11会員限定コンテンツの収益とAI検索での露出は、どちらを優先して決めるんですか?

「ペイウォールを外せばAI検索で有利になる」という助言は、事業の判断としては雑です。構造化データは、あくまで境界を正しく申告する手段であり、収益を手放す決断とは別の話です。パターンDを選ぶこと自体は正当な事業判断で、WEBMARKSはこれを推奨も否定もしません。

判断するのは、無料で見せる範囲を広げる価値が、購読につながる機会の損失に見合うかどうかです。順番を守ると、話が短く済みます。

決める順番は、下から積みます上から手をつけると、話だけが長くなります決める順番は、下から積みます上から手をつけると、話だけが長くなります④ 出し方を点検する相手によって中身を変えていないか③ 広さを決める業種と解約率をもとに自社で決める② 範囲を伝える札と棚と矢印を置く① 事実を見る非会員に何がどこまで見えているか
決める順番は、下から積みます — 上から手をつけると、話だけが長くなります

この順で決めます

  1. いまの公開の形をA〜Dから1つ選ぶ

    迷ったら、ログアウトした画面を実際に開いて確かめます

  2. B・C・Dなら、札と棚と矢印を書く

    isAccessibleForFreehasPartcssSelector を実装します

  3. 無料枠の広さを自社で決める

    業種と解約率で決めます。ニュース向けの本数はそのまま流用しません

  4. 配信のルールを点検する

    AIクローラーにだけ違うものを返す設定になっていないかを見ます

12会員限定コンテンツのAIO実装で、やってしまいがちな失敗は何ですか?

同じところでつまずいていませんかどれも、順番を飛ばしたときに起きます同じところでつまずいていませんかどれも、順番を飛ばしたときに起きます出ない理由を、申告の前に決めつけるまず自社に札があるかを見ます札だけ立てて、棚と矢印を省くどこからが有料かが伝わりません他業種の目安を、そのまま持ち込む前提の読み方がそろっていません形を決めてから、必要な分だけ書く順番を守ると、迷いが減ります
同じところでつまずいていませんか — どれも、順番を飛ばしたときに起きます

構造化データを書かないまま「AI検索に出ない」と結論づける。申告がないと、無料の部分だけが引用され、有料の部分の価値は伝わりません。まず自社の実装の有無を確かめるのが先です。

isAccessibleForFree: false だけ書いて、hasPartcssSelector を省く。ページ全体が有料なのか、一部だけが有料なのかが伝わらず、判断の材料が足りなくなります。

ニュース向けの数値をそのまま持ち込む。月間6〜10本という目安は、日刊ニュースのパブリッシャーを想定した例示でした。自社の読み方に合っているかを先に見ます。

AIクローラーにだけ有料の本文を返す。書かれていないからこそ、公式に許されているという保証もありません。人の非会員と違うものを特定のクローラーにだけ返す設計は、慎重に扱ってください。

この章のまとめ

失敗の多くは「書かなかった」か「書きすぎた」かのどちらかです。まず自社が4分類のどこにいるかを決めてから、必要な分だけ書きます。

13よくある質問

isAccessibleForFreeを実装すれば、ChatGPTやPerplexityにも有料部分が引用されますか?

確認した公式文書の範囲では、そのような記述はありませんでした。この構造化データが働くと確認できているのは、いまのところGoogle検索の枠組みに限られます。

完全に非公開にしたいページにも、この構造化データは必要ですか?

必須ではありません。全部閉じる形(パターンD)を選ぶのであれば、引用の機会が狭まる代わりに実装を省くという判断もあり得ます。実装する場合は、本文全体を hasPart の対象として扱う形になります。

cssSelectorはidセレクタ(#で始まる指定)でも使えますか?

Google公式ドキュメントが案内しているのは .class の形だけです。idの形についての案内は確認できませんでした。すでにidで組んでいる場合は、有料の範囲を囲むクラスを別に用意するほうが安全です。

メータリングとリード文は、どちらか一方だけを実装すればよいですか?

Google公式は、どちらか一方でも、両方の組み合わせでも認めています。自社サイトで無料の届き先をどう設計するかに応じて選んでください。

OAI-SearchBotやPerplexityBotにだけ有料本文を返す実装は、規約違反になりますか?

違反すると明言した公式記述は確認できませんでした。同時に、許容すると明言した公式記述もありません。Googleのクローキングの定義に照らせば、人の非会員と違う中身を特定のクローラーにだけ返す設計は、リスクとして扱うのが妥当です。

会員限定コンテンツを持つ会社が、いちばん先に確かめることは何ですか?

ログアウトした状態で自社のページを開くことです。非会員に何がどこまで見えているのかが分かれば、A〜Dのどの形かが決まります。実装の話は、そのあとで足ります。

14まとめ|今日やる3つのこと

会員限定コンテンツのAIO実装とは、有料の範囲を機械が読める形で申告し、クローキングと誤解されない状態を作る作業です。境界線を分けているのは、見せた中身の量ではなく、申告の有無でした。

Google検索については、検証できる実装の道が公式に用意されています。札(isAccessibleForFree)と棚(hasPart)と矢印(cssSelector)、そして無料の入口を残すFlexible Samplingの組み合わせです。一方でAI検索の側は、3社とも有料コンテンツの扱いを定めた公式ガイドラインが確認できませんでした。書かれていない領域である、という前提に立つのが、いまの安全な構えです。

もう一度、今日やる3つ

  1. ログアウトした画面を開く

    いま自社がA〜Dのどれで公開しているかを確かめます

  2. 札と棚と矢印を書く

    isAccessibleForFreehasPartcssSelector で有料の範囲を申告します

  3. 配信のルールを1件点検する

    AIクローラーにだけ違うものを返していないかを見ます

AI検索では、こう聞かれています

  • 会員限定の有料記事をAIに読ませたら、クローキングになりますか?

    「会員限定コンテンツのAIO実装は、どこからがクローキング扱いになるんですか?」の章で、条件と対比の図を使って説明しています

  • isAccessibleForFreeはどう書けば、有料の範囲を正しく伝えられますか?

    「会員限定コンテンツのAIO実装は、JSON-LDで実際どう書くんですか?」の章に、そのまま使えるテンプレートがあります

  • ChatGPTやPerplexityは、ペイウォールの中身をどう扱っているんですか?

    「ChatGPTやPerplexityは、AI検索で会員限定コンテンツの有料部分をどう扱っているんですか?」の章で、公式に書かれていることと書かれていないことを分けています

  • 有料記事を無料公開せずにAI検索へ伝える方法はありますか?

    「まとめ|今日やる3つのこと」に手順を置いています

次に読むなら、この記事です