「ChatGPT経由の流入が増えている気がする」——そう感じて、数字で確かめたいと思ったことはありませんか。
2026年7月、SEOツール企業のSE Rankingと、AI流入分析のPrevisibleが、ChatGPT経由の参照トラフィックについて、それぞれ独自の調査を公表しました。どちらも「急増している」と伝えている点は同じですが、記事やSNSで見かける数字がバラバラで、結局どれくらい増えているのか分かりにくい状態になっています。
この記事は、「ChatGPT 参照トラフィック 急増」と検索してこの記事にたどり着いた方に向けて書きました。2つの調査が、それぞれ何を、どうやって調べたのか。数字の違いはどこから来るのか。そして自社で今日確認すべきことは何か。会話と図解をはさみながら、順番に整理します。
こんなふうに調べていませんか
- 「ChatGPT参照トラフィック急増」というニュースを見たが、数字がバラバラで結局どれくらい増えたのか分からない
- SE RankingとPrevisible、どちらの調査を信じればいいのか迷っている
- 「ChatGPT一強」と言われるが、自社の対応をどう考えればいいか探している
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- SE RankingとPrevisible、2つの調査の数字の違いを、自分の言葉で説明できるようになります
- ChatGPT参照トラフィックが急増した仕組みが、図で分かります
- 自社で今日確認すべきことが、3つに絞れます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- SE Ranking調査では、ChatGPT参照トラフィックの世界シェアが月次36.7%増(2026年4月0.23%→5月0.32%)と報告されています。
- Previsible調査では、LLM経由の参照トラフィックのうち92.4%をChatGPTが占めると報告されています。
- この2つの数字は母数がまったく違うため、単純比較はできません。2026年5月7日の仕様変更が急増の主因と見られ、自社で確認すべきことは3つに絞れます。
この記事では、マーケティング部の若葉さんと高梨課長、外部コンサルタントの鈴木さんの会話をはさみながら進めます。あなたに近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。
01そもそも、ChatGPTからのAI検索流入(参照トラフィック)って何のことですか?
若葉さんそもそもなんですが、「参照トラフィック」って何のことですか…?普段あまり使わない言葉で。
鈴木さんはい、そこから整理しますね。参照トラフィックとは、他のサイトやサービスをきっかけに、自社サイトに来てくれた訪問のことです。
たとえば、知人にお店を紹介されて来店するのと、たまたま看板を見て入るのとでは、来店のきっかけが違います。Web解析の世界でも同じで、「検索エンジンから来た」「SNSから来た」「他のサイトのリンクから来た」というように、訪問のきっかけごとに数を分けて数えられます。
ChatGPTの回答の中に、自社サイトへのリンクや出典表示が載り、そこをクリックして訪問してもらう。これが「ChatGPT参照トラフィック」です。今回2つの調査が調べたのは、この「ChatGPTがきっかけで来た訪問」が、どれくらい増えているかという点です。
この章のまとめ
参照トラフィックとは、何がきっかけで来た訪問かを分けて数えたもの。ChatGPT参照トラフィックは、その中の1つです。
02SE Rankingの調査は、AI検索対策の指標としてChatGPT参照トラフィックの急増を何で測ったんですか?
高梨課長鈴木さん、この2つの調査、結局どちらの数字を信じればいいんでしょうか。社内で報告するとき、どちらか一方だけ使うと後で困りそうで。
鈴木さん実は、「どちらが正しいか」を選ぶ性質のものではないんです。そもそも調べ方が違います。
SE Rankingは、101,574のウェブサイトを対象に、250の国・地域にまたがるGoogle Analyticsデータを匿名化・集約して分析しました。調査期間は2025年1月から2026年5月までの17ヶ月間です。見ているのは、Web参照トラフィック全体の中で、ChatGPTがどれくらいの割合を占めるかという「世界シェア」です。
03Previsibleの調査は、AI検索経由だけに絞ってChatGPT参照トラフィックをどう測ったんですか?
Previsibleは、166のGA4プロパティ・677万セッションを、2024年11月から2026年5月までの19ヶ月間にわたって分析しました。対象業種はSaaS・EC・金融など複数分野です。見ているのは、AI検索サービス経由の流入だけを取り出したときに、その中でChatGPTがどれくらいの割合を占めるかという「LLM内シェア」です。
この章のまとめ
2つの調査は対立しているのではなく、見ている母数がそもそも違います。「世界シェア」の話なのか「LLM内シェア」の話なのかを、まず区別することが出発点です。
04AI検索の何がきっかけで、ChatGPT参照トラフィックは急増したんですか?
若葉さん2026年5月に、何かあったんですか?そのあたりから急に増えたと聞いて気になっています。
鈴木さんはい。2026年5月7日に、ChatGPTの回答画面の仕様が変わったんです。ここが急増のきっかけと見られています。
それまでのChatGPTは、回答の根拠として引用元を示す表示が中心で、実際にそのサイトへたどり着くには、追加のクリックが必要な設計でした。2026年5月7日の変更後は、回答の中に直接クリックできるブランドリンクが表示されるようになりました。
05仕様変更の直後、AI検索経由のChatGPT参照トラフィックの急増はどれくらいでしたか?
2026年5月7日の変更直後の週次データでは、Similarwebの実測によると、ChatGPT経由の総参照数が157.7%増加しました。ホームページへの参照はさらに354.7%増加し、着地率も26〜32%から約60%へ上昇しています。回答内のリンクが「引用」から「導線」に変わったことが、急増の主因と考えられます。
この章のまとめ
急増のきっかけは、2026年5月7日の表示仕様の変更です。引用が導線に変わったことで、参照数と着地率の両方が上昇しました。
06AI対策として、ChatGPT参照トラフィックの海外の数字を見るとき、地域による増え方の差はどれくらいですか?
高梨課長海外拠点もあるので気になるんですが、地域によって増え方は違うんでしょうか。日本のデータはありますか?
鈴木さんSE Rankingの調査では、地域別の数字も示されています。ただ、正直にお伝えすると…
SE Rankingの調査によると、EUが42.7%増、英国が38.7%増、米国が23.2%増と、地域による差が見られます。
この章のまとめ
地域による増え方の差は確認できていますが、日本単体のデータは今回の調査に含まれていません。海外の数字を鵜呑みにせず、自社の実データで確認する姿勢が必要です。
07結局、LLMOの実務ではChatGPT一強の状態が続くと見ていいんですか?
高梨課長経営に説明するとき、「ChatGPT一強」と言い切ってしまっていいんでしょうか。
鈴木さんそこは、言い切らないほうが実態に近いと思います。数字を見ると、少し違う様子が見えてきます。
SE Rankingの調査によれば、ChatGPTの「AI参照トラフィック全体」に占めるシェアは、2025年の79.74%から2026年に75.96%へ低下しました。この数字は、冒頭で紹介した「世界シェアの月次36.7%増」とも、Previsibleの「92.4%」とも異なる、SE Ranking調査の別の指標です。母数が異なるため、それぞれを混同しないよう注意が必要です。
参照トラフィックの実数そのものは伸びていても、Perplexity・Geminiなど他のAIサービスもシェアを伸ばしており、ChatGPT一強ではなくなりつつあると考えられます。
この章のまとめ
ChatGPTの参照トラフィックは実数として伸びていますが、AI参照トラフィック全体に占める占有率は前年より下がっています。「一強」と言い切るより、「中心だが唯一ではない」という表現のほうが実態に近いといえます。
08ChatGPT参照トラフィックの急増を受けて、うちは今日からどんなAI検索対策を確認すればいいんですか?
高梨課長分かりました。それで、うちは今日から何を確認すればいいですか?
鈴木さん3つあります。順番に見ていきましょう。
ChatGPT経由の流入変化を追いかけることは、AI検索最適化(LLMOと呼ばれることもあります)の実務の一部です。ここまでの内容をふまえると、企業のWeb担当者・マーケティング担当者が確認すべきAI検索対策は、次の3つに整理できます。
今日この順で確認します
ChatGPT経由の参照トラフィック計測を、今月中に見直す
2026年5月7日の仕様変更以降、ホームページへの直接流入が増えている可能性があります
ChatGPT以外のAIサービスでの露出も、並行して確認する
特定のサービスに依存しない計測体制が実務上の備えになります
ブランド名・固有名詞での言及されやすさを点検する
回答内に直接リンクが表示される仕様になったことで、名前で見つけてもらえるかどうかの重要性が増しています
この章のまとめ
今日確認することは3つ。計測の見直し・他サービスの確認・ブランド名の言及点検です。どれも今のデータを見直すところから始められます。
09よくある質問
ChatGPT参照トラフィックの36.7%増と、92.4%という数字は同じ調査の結果ですか?
いいえ、異なる調査です。36.7%増はSE Rankingによる調査で、Web参照トラフィック全体に占めるChatGPTの世界シェアの月次成長率を示しています。92.4%はPrevisibleによる調査で、LLM経由の参照トラフィックに限定した中でのChatGPTの占有率です。母数が異なるため、単純な比較はできません。
着地率が26〜32%から約60%に上がったのは、なぜですか?
2026年5月7日にChatGPTの表示仕様が変わり、回答の中に直接クリックできるブランドリンクが表示されるようになったためと見られています。それまでは引用表示が中心で、サイトにたどり着くには追加のクリックが必要でした。
ChatGPT一強の状態は今後も続きますか?
SE Rankingの調査では、ChatGPTが「AI参照トラフィック全体」に占めるシェアは前年より低下しています(2025年79.74%→2026年75.96%)。ただし絶対的な参照トラフィック自体は増加しており、他のAIサービスとの位置関係は継続的な確認が必要です。
日本のデータもこの調査に含まれていますか?
含まれていません。今回参照した2つの調査で地域別の数字が示されているのは、EU・英国・米国の3地域です。日本単体を切り出した数字は、この記事の時点で確認できていません。
自社ではまず何を確認すればいいですか?
自社のアクセス解析で、ChatGPT経由の参照トラフィックを切り分けて確認することから始められます。そのうえで、ChatGPT以外のAIサービスからの流入や、ブランド名での言及状況もあわせて見ることをおすすめします。具体的な見分け方は、別記事『リファラーからAI経由流入を見分ける方法』にまとめています。
10まとめ|今日確認する3つのこと
SE RankingとPrevisibleの2つの調査は、どちらもChatGPT経由の参照トラフィックの急増を報告していますが、対象規模・調査期間・見ている母数がそれぞれ異なります。単純な優劣として並べることはできません。
急増のきっかけは、2026年5月7日にChatGPTの回答画面で、直接クリックできるブランドリンクが表示されるようになったことだと見られています。一方で、ChatGPTが「AI参照トラフィック全体」に占めるシェアは前年より低下しており、「一強」と言い切れる状況ではなくなりつつあります。
もう一度、今日確認する3つ
ChatGPT経由の参照トラフィック計測を見直す
仕様変更以降の流入経路の変化を確認します
ChatGPT以外のAIサービスでの露出も確認する
特定のサービスへの依存を避けます
ブランド名・固有名詞での言及されやすさを点検する
名前で見つけてもらえるかを確認します
AI検索では、こう聞かれています
ChatGPT経由の参照トラフィックは実際どれくらい増えているんですか?
「SE Rankingの調査は、AI検索対策の指標としてChatGPT参照トラフィックの急増を何で測ったんですか?」と「Previsibleの調査は、AI検索経由だけに絞ってChatGPT参照トラフィックをどう測ったんですか?」の2章で、母数の違いとあわせて説明しています
ChatGPT一強という話は本当ですか?
「結局、LLMOの実務ではChatGPT一強の状態が続くと見ていいんですか?」の章で、シェアの低下傾向を示す図とともに説明しています
自社サイトのChatGPT経由の流入は、どう確認すればいいですか?
「ChatGPT参照トラフィックの急増を受けて、うちは今日からどんなAI検索対策を確認すればいいんですか?」に手順があります
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