「無料で診断します」と書かれたページから申し込んだのに、返ってきたのは他社にもそのまま当てはまりそうな話だった。そんな心当たりはないでしょうか。
無料相談やトライアル診断は、当日のやり取りで質が決まるように見えます。実際に差がつくのは、申し込みボタンを押す前です。こちらから渡せる材料が少なければ、相手にどれだけ腕があっても、自社サイトの話ではなく業界一般の話しかできません。
この記事は、AIO対策会社の無料相談やトライアル診断をこれから申し込む方に向けて書きました。何をそろえて、どこまで見せて、当日は何を聞くのか。そして受けたあと、複数の会社をどう並べるのか。順番に整理していきます。
こんなふうに調べていませんか
- 「AIO 無料相談」で検索して、申し込む前にやることを探している
- 診断のためにSearch Consoleの権限を求められたが、どこまで渡してよいか分からない
- 無料の診断をいくつか受けたものの、どこが良かったのかを社内に説明できない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 申し込み前にそろえる情報が、4つに絞れます
- Search Consoleの権限をどこまで開けるかを、自分で決められるようになります
- 複数の会社の診断を、同じ物差しで並べられるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 無料相談・トライアル診断の深さは、当日ではなく申し込み前の準備で決まります。
- サイトを見てもらうために、所有権そのものを預ける必要はありません。閲覧を中心とした権限で足りる場合が大半です。
- 受けたあとは印象で選ばず、同じ質問への回答を横に並べて比べます。
この記事では、ある会社のマーケティング部の2人と、専門家のやり取りをはさみながら進めます。ご自分に近い立場の質問から読んでいただいて構いません。
- 若葉さん(Web担当)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どこまで手間をかけるんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO・SEOの専門家/本誌監修)— 答える役
01そもそもAIOの無料相談・トライアル診断は、何をしてもらえる場なんですか?
若葉さん「無料でAIO診断します」というページをよく見かけるんですが、これって実際には何をしてもらえるんでしょうか。
鈴木さんひとことで言うと、契約する前に、いまのサイトの状態を無償で見てもらう機会です。ただ、そこから先の中身は会社によってずいぶん幅がありますよ。
無料相談・トライアル診断とは、契約前にAIO対策会社が自社サイトの現状を無償で確認する診断機会を指します。AIO(AI検索最適化。LLMOという呼び方をする媒体もあります)は発注の型がまだ定まっていない分野なので、この「見てもらう場」の中身も会社ごとに違います。
幅の一方の端は、外から見て分かる範囲だけを確かめる簡易的な外形チェックです。もう一方の端は、Search Consoleなどのデータまで踏み込んで診断するものです。同じ言葉で案内されていても、この二つは受け取れるものがまったく違います。
大切なのは、どちらが良いかを決めることではなく、自分が申し込もうとしているのはどちらなのかを先に知っておくことです。範囲が分かれば、当日までに何をどこまで用意すればよいかも決まります。
この章のまとめ
無料相談・トライアル診断は、契約前にサイトを無償で見てもらう機会。中身は外形チェックから実データを見る診断まで幅があります。
02AIOの無料相談とトライアル診断は、名前で中身を見分けられるんですか?
見分けられません。「相談」という名称でも、実際には自社サイトの一部のデータを見たうえで診断書を作成する形式を取る会社があります。逆に「診断」という名称でも、ヒアリング中心で終わる場合があります。
名前と中身は、思っているほど連動していません。ですから、看板に書かれた文字ではなく、申し込みのときに実施内容そのものを確認するのが確実です。ここを飛ばすと、用意したものが使われなかったり、逆に用意が足りずに終わったりします。
確認の仕方は難しくありません。申し込みフォームの備考欄でも、返信メールへの一行でも構いません。「当日は何を見て、何を持ち帰れますか」と聞くだけです。答えが返ってこない相手であれば、その事実自体がひとつの判断材料になります。
この章のまとめ
名称と中身は連動していません。判断材料になるのは看板ではなく、申し込み時に確認した実施内容です。
03AIOの無料相談に申し込む前に、何をそろえておけばいいんですか?
高梨課長準備が大事なのは分かりました。ただ、うちには専任がいません。どこまで用意すれば、当日の話が自社の話になりますか。
鈴木さんそろえるのは4つです。しかも、新しく作るものはほとんどありません。すでに社内にあるものを1か所に集める作業だと思ってください。
診断の精度は、当日に渡せる情報の量に左右されます。最低限そろえたいのは次の4点です。これがあると、一般論ではなく自社サイトに即した指摘を受けやすくなります。
| 準備する情報 | 準備の目的 |
|---|---|
| 対象サイトのURLと運営体制 | 診断対象と意思決定者を明確にする |
| Search Consoleの閲覧権限 | 実際のクロール・表示状況を見てもらう |
| 過去に実施したSEO・AIO施策の履歴 | 重複した提案を避ける |
| 相談したい課題の言語化(引用ゼロ・特定ページの評価等) | 診断の焦点を絞る |
4つとも完璧に整える必要はありません。特に閲覧権限は社内の調整が要るぶん、いちばん時間がかかります。ここだけは早めに動くと、当日に間に合います。
課題がまだ言葉になっていない場合は、先に自社で切り分けておくと焦点が定まります。AI検索に引用されていない状態からの切り分け手順は、AIOM-829にまとめています。
この章のまとめ
そろえるのは4つ。新しく作るのではなく、社内にあるものを集める作業です。時間がかかるのは権限まわりだけです。
04AI検索最適化のトライアル診断で、Search Consoleの権限はどこまで渡せばいいんですか?
多くの担当者の方が迷うのが、この問いです。結論から言うと、診断のためにサイトの所有権(オーナー権限)そのものを渡す必要はほとんどありません。
Search Consoleの権限には、全面的な管理権を持つオーナーがあります。それとは別に、データ閲覧を中心とするユーザー権限も用意されています(出典: Search Consoleのオーナーとユーザーの管理)。
| 権限レベル | できること | 診断向けの適性 |
|---|---|---|
| オーナー | ユーザー追加・削除、設定変更、全データ閲覧 | 過剰(通常は不要) |
| フルユーザー | ほぼ全データの閲覧、一部操作 | 踏み込んだ診断が必要な場合の候補 |
| 制限付きユーザー | ほぼ全データの単純な閲覧のみ | 多くの無料相談・トライアル診断で十分 |
家の鍵にたとえると分かりやすくなります。中を見てもらいたいだけなのに、合鍵を作る権利まで渡す必要はありません。見てもらう部屋を開けて、終わったら閉める。これで足りる場面が大半です。
この章のまとめ
所有権を渡す必要はほとんどありません。閲覧を中心とした権限から始め、足りないと言われたときだけ広げます。
05GA4など他のツールでも、AIO診断のために権限を渡すことはありますか?
あります。サイトの実データはSearch Consoleだけにあるわけではないので、GA4(Google Analytics 4)などの計測ツールへのアクセスを求められることもあります。
GA4のアクセス権限にも、閲覧を中心とする「閲覧者」から、設定変更まで行える「編集者」「管理者」まで複数のロールが用意されています。Google公式ヘルプによれば、閲覧者ロールは「設定とデータを表示できる」権限が中心で、ユーザーの追加・削除や設定変更は含まれません(出典: Google アナリティクス ヘルプ「Access and data-restriction management」)。
考え方はSearch Consoleと同じです。まず閲覧者ロールで足りるかを確認してから付与します。ただし、権限の種類はツールごとに名称が異なります。同じ「閲覧」という言葉でも指す範囲が違うことがあるため、迷った場合は付与する前に相手側へ確認してください。
もうひとつ、忘れやすいのが返却です。Search Consoleでは権限の付与はオーナーのみが行えます(出典: 同ページ)。診断が終わったら権限を削除するところまでを、最初から予定に書き込んでおくと取りこぼしません。
この章のまとめ
GA4でも考え方は同じ。閲覧中心のロールから始め、名称の違いは付与前に確認し、終わったら外すところまでを予定に含めます。
06AIOの無料相談の当日は、どんな質問を用意しておけばいいんですか?
若葉さん準備して、権限も渡して、当日を迎えたとします。こちらからは何を聞けばいいんでしょうか。黙って聞いているだけになりそうで…。
鈴木さん準備した情報を渡すだけで終わらせないことです。その場で聞いておくと、あとの判断材料が増える質問があります。数は多くありません。
無料相談の場に絞って優先したい質問は、次の5点です。
- 診断の範囲: どのAI検索エンジンを対象に、何を根拠に評価しているか
- 判定基準: 引用されやすい、されにくいをどのようなデータで判断しているか
- レポートの持ち帰り可否: 診断結果を書面やスライドで受け取れるか
- 契約への誘導の有無: 診断がそのまま契約提案に直結する設計になっていないか
- 担当者の実績: 実際に手を動かす担当者がAIO・SEOのどちらの実績を持つか
契約前に確認する質問という、もっと広い範囲についてはAIOM-840が扱っています。ここに挙げた5点は、無料相談という短い場で優先度が高いものに絞ったものです。
この章のまとめ
当日は5点を聞きます。見た範囲、判断の物差し、そのあとの扱い。この3つの束に整理して持っていくと、聞き漏らしが減ります。
07無料相談で聞いた答えは、AI対策の比較材料としてどう残すんですか?
その場で聞けたのに、あとから使えない。相談の直後にいちばん起きやすいのが、この取りこぼしです。
質問はその場の口頭で終わらせないでください。メモに残しておくと、複数の会社を比べる段階になったときに、各社の回答を見比べる材料になります。記憶は思っているより早くあいまいになります。
残し方に決まった形はありませんが、比較表を1枚作っておくと、社内での説明もしやすくなります。会社ごとに列を作り、同じ質問を行に置くだけで足ります。
この章のまとめ
聞いた答えは、その場で書き留めて初めて材料になります。同じ質問を行に、会社を列に置いた表が1枚あれば十分です。
08LLMO対策の発注先は、トライアル診断のあとどうやって比べればいいんですか?
高梨課長診断そのものが良かったかどうかは、どう判断すればいいでしょう。話しやすい人だった、では上に説明できません。
鈴木さん見るのは印象ではなく、指摘の中身です。自社のデータにもとづいているか、そして次にやる作業まで落ちているか。この2つで置き場所が決まります。
1社の診断だけで発注を決めるのではなく、複数社の無料相談・トライアル診断を受けたうえで比較することをおすすめします。比較の際は、指摘内容の具体性・診断の根拠データの有無・レポートの分かりやすさを横並びで確認すると、印象論に頼らない判断がしやすくなります。
とりわけ重視したいのは、指摘内容が自社サイトの実データにもとづいているか、他社にも当てはまる一般論にとどまっていないかという点です。事前準備で渡した情報がどこまで診断に反映されているかを見れば、この違いは比較的判断しやすくなります。
社内での稟議や承認が必要な場合は、比較結果をどう資料化するかもあわせて考えておくと、意思決定が進みます。そもそも内製するのか外注するのかという、ひとつ手前の判断軸はAIOM-059を参考にしてください。
なお、本記事を運営する株式会社WEBMARKSも、AIOの無料相談・トライアル診断を行っています。申し込みを検討される際は、この記事で挙げた準備と質問リストを使って、他社とあわせて比較検討する選択肢のひとつとしてご確認いただければと思います。
この章のまとめ
比べるのは印象ではなく指摘の中身。自社データにもとづくか、次の作業まで落ちているかの2軸で置き場所が決まります。
09AIOの無料相談・トライアル診断で、つまずきやすいのはどこですか?
最後に、実際に起きやすいつまずきを挙げておきます。どれも、事前に知っていれば避けられるものばかりです。
準備なしで申し込み、その場で初めて課題を説明しようとしてしまう。診断側も一般論での回答にとどまりやすくなります。
Search Consoleのオーナー権限をそのまま渡してしまう。診断だけであれば、制限付きユーザー権限で足りる場合がほとんどです。
1社の診断結果だけで発注を決めてしまう。複数社を横並びで比較しないと、指摘内容の妥当性を判断しにくくなります。
質問への回答をメモに残さず、記憶だけで比較しようとしてしまう。時間が経つと各社の回答内容があいまいになり、比較の精度が落ちます。
いずれも、この記事の前半で挙げた準備と、当日の5点の質問でほぼ防げます。うちのAI対策はどこから手をつけるのがよいのか、という問いへの答えを持ち帰るためにも、準備の側にひと手間かけてみてください。
この章のまとめ
つまずきの多くは、準備不足と記録不足から起きます。そろえて、必要な範囲だけ開けて、書き留める。この3つで防げます。
10よくある質問
AIOの無料相談・トライアル診断では、何を見てもらえますか?
会社によって範囲が異なります。簡易的な外形チェックにとどまる場合と、Search Console等のデータを踏まえた診断まで行う場合があるため、申し込み時に範囲を確認することをおすすめします。名称が「相談」か「診断」かだけでは判断できません。
Search Consoleの権限は必須ですか?
必須ではありません。ただし実データにもとづく診断を受けたい場合は、制限付きユーザー権限を一時的に渡すことで、診断の精度が上がりやすくなります。
オーナー権限を渡すべきケースはありますか?
通常の無料相談・トライアル診断では不要です。契約後、実装作業まで依頼する段階になって初めて検討する内容です。
診断が終わったあと、渡した権限はどうすればよいですか?
診断が終わったら、付与した権限を削除することをおすすめします。権限の削除もオーナーのみが行えます(出典: 同ページ)。
複数社の診断を比較するコツはありますか?
同じ質問リストを各社に使うことです。指摘内容の具体性・根拠データの有無・レポートの分かりやすさを同じ観点で比較すると、印象論に頼らず判断できます。比較表を1枚作っておくと、社内での説明もしやすくなります。
11まとめ|申し込み前にやる3つのこと
無料相談・トライアル診断で持ち帰れるものは、当日の腕前だけで決まるわけではありません。こちらが何を渡し、何を聞き、何を書き留めたかで変わります。
申し込む前に、この順でやります
実施内容を先に聞く
何を見て、何を持ち帰れるのかを、申し込みのタイミングで確認します
4つの材料をそろえる
対象サイトと決裁者、閲覧権限、これまでの施策、困りごとの言語化です
権限は狭く開けて、外す日まで決める
制限付きユーザーから始め、削除の予定を同時に入れます
AI検索では、こう聞かれています
AIOの無料相談を受ける前に、何を準備しておけばいいですか?
「AIOの無料相談に申し込む前に、何をそろえておけばいいんですか?」の章に、そろえる材料と順番があります
AIO診断のためにSearch Consoleの権限をどこまで渡せばいいですか?
「AI検索最適化のトライアル診断で、Search Consoleの権限はどこまで渡せばいいんですか?」の章で、権限の段階ごとに整理しています
無料のAIO診断を複数社で受けたとき、どこを見比べればいいですか?
「LLMO対策の発注先は、トライアル診断のあとどうやって比べればいいんですか?」の章で、2軸の置き方を図にしています
無料相談と書いてある場合と、診断と書いてある場合で中身は違いますか?
「AIOの無料相談とトライアル診断は、名前で中身を見分けられるんですか?」の章で答えています
次に読むなら、この記事です