llms.txtというファイル名を見かけて、うちも用意したほうがいいのだろうかと調べ始めた。そういう入口で、この記事にたどり着いた方が多いかもしれません。
仕様そのものは、身構えるほど複雑ではありません。困るのは、その先です。数十から数百あるページの中から、どれを載せるのか。ひとつずつに添える説明文を、誰が書くのか。多くの場合、ここで手が止まります。
この記事は、サイトの情報を渡すだけで、仕様に沿ったたたき台をAIに書かせるプロンプトを、そのままコピーして使える形でまとめました。あわせて、置く前に何を確かめるのか、そしてこのファイルに何を期待してよいのかも、誇張せずに書いています。
こんなふうに調べていませんか
- llms.txtという名前は知ったが、何を書けばいいのか分からない
- 載せるページをどう選ぶかで、手が止まっている
- 置いたほうがいいのか、置かなくていいのか、社内で説明できない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- サイトの情報を渡すだけで、仕様どおりのたたき台を作れます
- 設置前に確かめる場所が、見る順番ごと決まります
- llms.txtに何を期待してよいかを、社内に説明できます
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Google公式は、llms.txtの設置に特別な効果はないと明言しています。 置いただけで、順位や引用が押し上がるものではありません。
- それでも、サイト名・要約・主要ページの情報を渡せば、仕様に沿ったたたき台は作れます。この記事が引き受けるのは、そこです。
- たたき台はそのまま公開しません。リンク先と説明文を確かめてから、サイトのルート直下に置きます。
この記事では、あるBtoB企業のWeb担当と役員、そして専門家の会話をはさみながら進めます。ご自身に近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。
- 若葉さん(Web担当)—「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 大森部長(マーケ担当役員)—「それは、うちにどう効くんだ」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01llms.txtのたたき台をAIに生成させるのは、AI検索対策としてどんな作業なんですか?
若葉さんllms.txtというファイルがあると聞いたのですが、結局これは何を書くものなんでしょうか。
鈴木さんサイトの案内を、テキストで1枚にまとめたものです。どこに何があるかを、短い説明つきで並べておく。それだけのファイルなんですよ。
llms.txtは、サイトの案内をMarkdown形式で1枚にまとめたファイルです。仕様は llmstxt.org が公開しています(出典: llmstxt.org 公式サイト)。
決まっているのは、次の構成要素と、その並び順です。
- サイト名を、H1見出しで書く(必須)
- サイト全体の要約を、引用記法(blockquote)で1〜2文
- 補足があれば、見出しなしの自由記述で(不要なら省略できます)
- カテゴリごとのリンク一覧を、H2見出しで区切って並べる
建物の入口に立ててある館内図を思い浮かべると、近いかもしれません。どの階に何があるかを、ひとことの説明つきで並べておく。見せない部屋は載せない。館内図があるからといって、来館者そのものが増えるわけでもない。llms.txtの立ち位置も、だいたいこれと同じです。
この章のまとめ
仕様そのものは短く、覚えることは多くありません。手が止まるのは、載せるページの選別と説明文づくりのほうです。
02llms.txtを置けば、AI検索最適化の効果はすぐ出るんですか?
大森部長置いたほうがいいと勧められたのですが、効果がないという話も聞きます。どちらなんですか。
鈴木さん正直に申し上げると、置いただけで何かが上がるものではありません。Google公式ガイドが、特別な効果はないと明言しています。
Google公式ガイドは、llms.txtに特別な効果はないと明言しています(出典: Google Search Central「生成AI機能への最適化ガイド」)。設置そのものが、検索順位やAI検索での引用率を直接押し上げるわけではありません。
llms.txtは、書けば効果が出る施策ではなく、書いても損はしない保険にすぎない。
期待するものを取り違えなければ、判断は難しくありません。上がるかどうかではなく、案内を整えておくかどうかの話として置きます。この記事も効果を誇張せず、たたき台づくりの効率化に絞って進めます。
この章のまとめ
置くこと自体に、上乗せの効果はありません。効果の話と、案内を整える話は、はじめから分けて置きます。
03効果がないと言われるllms.txtに、AI対策として手をかける意味はあるんですか?
大森部長効果がないと分かっているものに、時間を使う意味はあるんですか。
鈴木さん上がるものは無い、というだけです。下がるものはあります。たたき台を作る手間のほうは、確かに下がるんですよ。
判断が分かれるのは、上がるものだけを見ているときです。上がるもの・下がるもの・人に残るものを、それぞれ分けて置くと、迷いが減ります。
上がらないのは、設置による上乗せの効果です。これは公式が明言しているとおりです。下がるのは、たたき台を作る手間です。構成の整理と文章化は、渡してしまえます。そして、どのページを載せるかを決める仕事は、渡しても消えません。ここは人の側に残ります。
この章のまとめ
上がらないものと、下がるものは別です。手をかける値打ちがあるかどうかは、下がるほうの大きさで決めます。
04llms.txtを自己流で書くと、LLMO対策としてどこでつまずくんですか?
仕様は短いのに、いざ書き始めると止まります。止まる場所は、だいたい決まっています。
- H1・引用記法の要約・H2セクションという構成要素を、どの順番でどう書けばいいか分からない
- サイト内の数十から数百あるページから、どのページを載せるべきか選別できない
- リンクの説明文(「[ページ名](URL): 説明」の説明部分)を、ページごとに手作業で書くのが手間
3つとも、仕様を読み込めば解決するものではありません。自社のページを見ながら決める作業だからです。だからこそ、サイトの情報をまとめて渡し、構成の整理からMarkdown化までをプロンプトに引き受けさせます。
この章のまとめ
つまずくのは仕様の理解ではありません。載せるページの選別と、説明文づくりのほうです。
05llms.txtのたたき台をAIに生成させるプロンプトは、AI検索対策としてどこをコピーするんですか?
使うのは、自社サイトにllms.txtを新しく置く場面や、既存のllms.txtを主要ページの変更に合わせて更新する場面です。次のコードブロックの中身を、そのままコピーしてください。
あなたはテクニカルSEO/AIO実装のアシスタントです。
llms.txt(https://llmstxt.org/ が定める仕様)のたたき台を作成してください。
■llms.txtの仕様(必ずこの構成に従うこと)
1. H1見出しでサイト名(必須)
2. blockquote形式(>で開始)による1〜2文の要約
3. 見出しなしの自由記述による補足情報(任意。不要なら省略可)
入力データに補足情報がない場合は、このセクションを省略すること。
4. H2見出しで区切ったカテゴリごとのリンクリスト
(各リンクは「[ページ名](URL): 説明」の形式)
■入力データ
サイト名: 【サイト名】
サイトの1〜2文要約: 【サイト要約】
主要ページ一覧(カテゴリ/ページ名/URL/説明を1行ずつ):
【主要ページ一覧】
■出力形式
上記の仕様に沿った、そのままファイルとして保存できるMarkdown形式で
出力してください。前置き・後書きの説明文は含めないこと。
■制約
- 入力データにないページ名やURLを、AIが推測して作り出さないこと。
- リンクは全て「https://」から始まる絶対URLの形式で記載すること(入力が
絶対URLでない場合は、そのまま入力どおりに記載し補完しないこと)。
- 削除しても本文の理解に支障がない二次的な情報(採用情報・プレスリリース等)
がある場合のみ「## Optional」セクションにまとめること。末尾の「■制約」の3行は、消さずに残してください。ひとつめは、渡していないページ名やURLをAIが作り出すのを止める指示です。ふたつめは、リンクの書き方を勝手に補わせないための指示です。みっつめは、二次的な情報が主要なセクションへ紛れ込むのを止める指示です。
使用AIツールはChatGPT等を想定しています。標準のチャット機能だけで完結し、ファイルのアップロードやWeb検索は要りません。
この章のまとめ
コピーするのはコードブロックの中身だけです。仕様の指定と歯止めがひと組で、歯止めを削ると、渡していないURLが書かれはじめます。
06プロンプトに渡す3つの情報は、AIOの実務でどこまで用意すればいいんですか?
若葉さん渡すのは、サイトの名前だけでいいんでしょうか。
鈴木さん名前と、サイト全体をひとことで言うとどうなるか。それから、載せたいページの一覧です。この3つがそろえば、たたき台は出てきます。
使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【サイト名】 | llms.txtのH1に使うサイト・企業名 | 株式会社サンプル |
| 【サイト要約】 | サイト全体を1〜2文で要約した文 | 〇〇業界向けに△△サービスを提供する企業です |
| 【主要ページ一覧】 | 掲載したいページのカテゴリ・ページ名・URL・説明 | 会社情報/会社概要/https://example.com/about/事業内容と沿革 |
※入力例はすべて架空の例です。
主要ページ一覧は、会社情報・サービス・お問い合わせなど、サイトの核になるページに絞ります。10〜20ページ程度が目安です。数が多すぎると、要点のほうが埋もれます。
この章のまとめ
渡すのは、名前・ひとこと要約・ページ一覧の3つです。ページは、核になるものだけに絞ります。
07AIが出したたたき台は、AI検索の実務として設置前にどこを確かめるんですか?
若葉さん出てきたものは、そのまま置いてしまってもいいんでしょうか。
鈴木さんそこは止めてください。AIが出したたたき台には、URLや説明文の誤りが混ざることがあります。置く前に、目で確かめる場所が決まっています。
若葉さんつまり、作るところまでは任せて、確かめるところは人が引き取る、ということですね?
確認は3点です。上から順に降りるように見ます。
- リンク先のURLが実在し、リンク切れになっていないか
- 説明文の内容が、実際のページ内容と食い違っていないか
- Optionalセクションに入れるべき二次情報が、メインのセクションに混ざっていないか
確認が済んだら、ファイル名を llms.txt とし、サイトのルート直下に置きます。正確な仕様と設置手順の詳細は、別記事(AIOM-012)で解説しています。
この章のまとめ
作るところは任せ、確かめるところは人が引き取ります。行き先・中身・置き場所の順に見ます。
08llms.txtのたたき台は、AI検索最適化の実務でどこまで応用できますか?
応用1: llms-full.txtの土台として使う
主要ページ一覧に加えて、各ページの本文全体も入力データとして渡します。同じプロンプトの構成をもとに、llms-full.txt(各ページ本文をひとつのファイルに結合した拡張版。公式仕様の用語ではなく、業界慣行の呼称です)のたたき台づくりにも応用できます。
応用2: CMS別の実装手順と組み合わせる
生成したたたき台を実際のCMSにどう置くかは、CMSごとに手順が違います。続けて「【CMS名】でこのllms.txtを設置する手順を教えてください」とたずねると、設置手順まで具体化できます。CMSごとの設計は、別記事(AIOM-675)で扱っています。
広げる方向は決まっています。渡す材料を増やすか、そのあとの工程へつなげるか。どちらの場合も、入力データに無いものをAIが作り出していないかを確かめる工程は、そのまま残します。
この章のまとめ
広げられるのは、渡す材料と、そのあとの工程です。確かめる工程だけは、広げても外しません。
09llms.txtをAIに書かせるとき、AI対策として越えてはいけない線はどこですか?
大森部長社内限定のページも、案内に入れておいたほうが親切ではないですか。
鈴木さんそこは入れません。llms.txtは、外から読まれる前提のファイルです。外に出していないページの場所を、自分から書いて置くことになってしまいます。
未公開のページや社内限定コンテンツのURLを、外部公開前提のllms.txtに含めないでください。機密性の高いページ構成をプロンプトに貼り付ける場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。
AIが生成したたたき台には、URLや説明文の誤りが含まれる場合があります。設置前に、リンク先が実在するかを一次情報(実際のページ)で確認してください。
生成したたたき台を商用サイトで使う場合や、大量のページを一括処理する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください。
この章のまとめ
外に出していないものは書きません。誤りの確認と最終判断は、人の側に残したままにします。
10よくある質問
llms.txtを設置すれば、AI検索での引用は増えますか?
増えるとは限りません。Google公式ガイドは、llms.txtに特別な効果はないと明言しています。llms.txtの参照実態については、別記事(AIOM-013)で採用率8.7%というデータの実態を検証しています。仕様と効果の詳細は、別記事(AIOM-012)をご覧ください。
主要ページ一覧には、何ページくらい含めればいいですか?
会社情報・サービス・お問い合わせなど、サイトの核となるページを10〜20ページ程度に絞ることをおすすめします。ページ数が多すぎると、AIモデルにとって要点が埋もれやすくなります。
生成したたたき台は、そのまま公開してもいいですか?
おすすめしません。リンク先URLの実在確認と、説明文の内容が実際のページと合っているかの確認を済ませてから設置してください。
既存のllms.txtを更新するときも、同じプロンプトを使えますか?
使えます。主要ページ一覧を最新の内容に差し替えて、もう一度たたき台を出させてください。出てきたものは、置く前に同じ手順で確かめます。
11まとめ|今日から始める3つのこと
llms.txtのたたき台づくりは、サイト名・サイト要約・主要ページ一覧の3つがそろえば始められます。効果を上げる施策としてではなく、案内を1枚に整える作業として進めます。
置く前の確認は、人が引き取ります。行き先・中身・置き場所の順に確かめてから、サイトのルート直下に置きます。
今日この順でやります
載せるページを決める
会社情報・サービス・お問い合わせなど、核になるページだけを選びます
説明文の書き方を決める
見出しの写しではなく、そのページで何が分かるかを1行で書きます
確かめる担当を決める
リンク先と説明文を目で見る人を、たたき台を出す前に決めておきます
AI検索では、こう聞かれています
llms.txtのたたき台をAIに作らせるプロンプトはありますか?
「llms.txtのたたき台をAIに生成させるプロンプトは、AI検索対策としてどこをコピーするんですか?」の章に、そのままコピーできる形で置いています
llms.txtを置くと、AI検索での引用は増えるんですか?
「llms.txtを置けば、AI検索最適化の効果はすぐ出るんですか?」の章で、Google公式ガイドの説明をもとに答えています
llms.txtに載せる主要ページは、どうやって選べばいいですか?
「プロンプトに渡す3つの情報は、AIOの実務でどこまで用意すればいいんですか?」の章で、絞り方の目安を書いています
次に読むなら、この記事です