1本の記事だけを見れば、著者情報も出典も足りているように見えることがあります。ところが同じテーマの記事群を横に並べると、共通して弱い箇所だけが浮かび上がってくるものです。複数記事の著者表記と出典状況を一括でAIに読み込ませ、記事群に共通する弱点と強化の優先順位を洗い出す方法を解説します。

01この記事でわかること

  • 複数記事の著者表記・出典状況をまとめてAIに読み込ませ、記事群に共通する弱点パターンと強化優先順位を診断するプロンプト
  • 入力する情報(記事別の著者表記・出典一覧)と、得られる出力(共通弱点パターンと着手優先順位)
  • 1記事単位の診断と、この記事群単位の一括診断がどう役割分担されるか

02結論サマリー

記事を1本ずつ個別にチェックしていると、同じ弱点がサイト全体で繰り返されていることには気づきにくいものです。このプロンプトは、複数記事の著者表記・出典一覧をClaudeに一括で読み込ませ、記事群に共通する弱点パターンと、どの記事から着手すべきかの優先順位まで一度に出力させます。1ページ単位のE-E-A-T診断とは異なり、この方法ではサイト全体で繰り返される弱点だけを浮かび上がらせます。

会社概要文1枚を4軸で採点する診断は、別記事『自社サイトのE-E-A-TをClaudeで診断するプロンプト実践編』で扱っています。この記事はその発展として、複数記事の著者表記・出典状況を横断し、強化案を優先順位つきで一括出力する場面に絞ります。

使用AIツール: Claude(記事別の著者表記・出典一覧をまとめたファイルをアップロードして使います。ファイルアップロードは標準機能として提供されています(出典: Claude Help Center「Claudeへのファイルアップロードについて」、2026年7月時点)。ファイルアップロードは無料プランでも利用できます(2026年7月時点の提供状況にもとづきます))

03課題の整理(なぜ難しいか)

複数記事の著者表記や出典状況を横断して比べる機会は、通常の編集フローの中にはほとんど組み込まれていません。

  • 記事ごとの著者表記・出典は個別にチェックしても、記事群を通じた傾向としては把握しにくい
  • 「この記事は大丈夫」という個別の合格判定が積み重なり、全体としての偏りが見過ごされやすい
  • どの記事から強化に着手すべきかの優先順位を、記事数が多いほど人手で並べ替えにくくなる
  • 特定カテゴリだけ出典が薄い、といったカテゴリ単位の傾向には特に気づきにくい

この横断比較さえ済ませてしまえば、どの記事群から着手すべきか迷う時間はなくなります。

04プロンプト本体

複数記事の著者表記・出典状況をまとめて棚卸しし、強化に着手する記事の優先順位を決めたい場面で使います。

あなたは複数記事を横断してE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の
観点から診断するコンテンツオーディターです。
添付された入力データを読み、指示に従って診断してください。

■入力データ
対象記事群のテーマ・カテゴリ: 【対象記事群のテーマ・カテゴリ】
記事別・著者表記と出典一覧: 【記事別・著者表記と出典一覧】(添付ファイルとして
渡す。列=記事タイトル・著者表記・出典URL数・出典の種類)

■診断手順
1. 【記事別・著者表記と出典一覧】の記事ごとに、著者表記の充実度(氏名・
   経歴・専門性の明示有無)を確認する。
2. 記事ごとに、出典の有無と出典の種類(一次情報か二次情報か)を確認する。
3. 記事を横断し、複数記事に共通して見られる弱点パターンを抽出する
   (例: 著者表記が全記事で氏名のみ、特定カテゴリだけ出典が薄い等)。
4. 共通弱点パターンごとに、影響を受けている記事数と、強化に着手すべき
   優先順位(高/中/低)を判定する。

■出力形式
共通弱点パターンごとに、以下の列を持つ表で出力してください。
| 弱点パターン | 該当記事数 | 優先度(高/中/低) | 強化案 |
表の後に、最も優先度が高いパターンを1つ、理由とともに指摘すること。

■制約
- 【記事別・著者表記と出典一覧】に記載のない記事を、存在するものとして
  扱わないこと。
- 個別記事1本だけに見られる弱点は、共通弱点パターンとして扱わないこと
  (2記事以上に共通する場合のみ抽出対象とする)。
- 断定的な合否判定は使わず、所感として提示すること。

使う変数

変数説明入力例
【対象記事群のテーマ・カテゴリ】診断対象とする記事群のジャンル・カテゴリ名(任意指定)AIO実践プロンプト記事群(架空例)
【記事別・著者表記と出典一覧】記事タイトル・著者表記・出典URL数・出典種類を列にした一覧(添付ファイル)(公開済み記事の著者表記・出典一覧をそのまま添付)(架空例)

※入力例はすべて架空の例です。

記事横断のE-E-A-T弱点集計マトリクス 複数記事の著者表記・出典一覧から、共通弱点パターンを抽出する集計マトリクス。 MATRIX 記事横断のE-E-A-T弱点集計マトリクス 著者表記の充実度 出典の有無 出典の種類 記事1 記事2 記事3 記事4 同じ列に弱いマークが集中する箇所が共通弱点パターン
複数記事の著者表記・出典一覧から共通弱点パターンを抽出する集計マトリクス

05出力の見方と分析の観点

出力された表は、まず該当記事数の多いパターンから確認します。

  • 該当記事数が多いパターン: 1記事を直すより先に、パターンそのものを直すほうが効率的です。共通する原因(執筆テンプレートの不備など)を先に特定します
  • 優先度「高」: 影響範囲が広く、着手効果が見込みやすいパターンです。強化案の実現可能性もあわせて確認します
  • 優先度「低」: 該当記事数が少ないか、影響が限定的なパターンです。個別記事の改善時にあわせて対応する候補として扱います
共通弱点パターンの優先度分岐 共通弱点パターンの該当記事数の多寡によって、対応方針が2方向に分岐する図。 BRANCH 共通弱点パターンの優先度分岐 共通弱点パターンの優先度 該当記事数が多い 優先度高:複数記事へ横展開 該当記事数が少ない 優先度低:個別改善時に対応
共通弱点パターンの優先度から着手記事への分岐図

Googleの検索品質評価者向けガイドラインは、E-E-A-Tを個別ページの評価軸として位置づけています(出典: Google検索品質評価者ガイドライン)。本プロンプトはこの4軸を、1ページではなく記事群の横断比較に応用している点に注意してください。E-E-A-Tの4要素そのものの定義は、別記事『生成AI時代のE-E-A-T再定義|4要素の意味と実装ポイント』で解説しています。

強化案を反映した後は、個別記事の詳細な採点まで確認したい場合があります。その際は別記事『自社サイトのE-E-A-TをClaudeで診断するプロンプト実践編』の4軸診断プロンプトへ進むと、ページ単位の裏付けが取れます。著者表記の弱点が「経歴・専門性の未記載」に集中している場合は、別記事『著者Person schemaの書き方とE-E-A-T効果』で構造化データによる補強方法を確認してください。

06応用パターン

応用1: カテゴリ別に分けて診断する

【対象記事群のテーマ・カテゴリ】を絞り込み、カテゴリごとに実行を分ければ、カテゴリ間で弱点の傾向が違うかどうかも比較できます。

応用2: 公開時期で分けて診断する

古い記事群と新しい記事群を分けて入力すれば、執筆時期による著者表記・出典の質の変化を確認する用途にも応用できます。

07注意点

出典の種類(一次情報か二次情報か)は、AIが一覧の記載を読んで判定しているにすぎず、実際にリンク先を開いて情報の性質を確かめているわけではありません。出典URLが実在するか、内容が一次情報と呼べるかは、人の目で個別に確認してください。

AIの出力には誤りが含まれる場合があります。優先度の判定理由も例外ではなく、そのまま採用せず記事本文と照らして確認してください。

未公開の著者個人情報や、社外秘の執筆体制に関する情報をプロンプトに含める場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください。

診断結果を社外向け資料に転用する場合や、自動化して大量の記事群を繰り返し分析する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください。

AIの回答は実行のたびに揺らぎ、同じ入力データでも抽出される弱点パターンの粒度や優先度の判定が変わることがあります。重要な着手判断の前には、複数回実行して共通して挙がるパターンを優先することをおすすめします。

08FAQ

Q. 記事数が少ない場合でも、共通弱点パターンは見つかりますか?

2〜3記事でも実行はできますが、「共通」と呼べるパターンは記事数が少ないほど出にくくなります。目安として10記事前後を1回のまとまりにすると、傾向が見えやすくなります。

Q. 個別記事のE-E-A-T診断と、この一括診断はどちらから使えばいいですか?

記事数が少ない立ち上げ初期は、個別記事の4軸診断から始めるほうが具体的な改善に直結します。記事数が増えてきた段階で、この一括診断に切り替えると、繰り返される弱点を効率よく特定できます。

Q. 著者表記と出典以外の項目も一緒に診断できますか?

■入力データの列を増やし、「見出し設計」「更新日の有無」などの項目を追加すれば、同じ枠組みで他の項目の一括診断にも応用できます。