セミナーや展示会の告知ページに構造化データを入れようとして、検索したら「Event schemaは廃止された」という書き込みを見つけた。手が止まった、という方は少なくないはずです。
結論から言うと、廃止された事実は見当たりません。ただし、対象になる範囲は狭まりました。噂と実際の変更が混ざって伝わっているのが、いまの状態です。
この記事は、イベント情報を発信するサイトの担当者に向けて書きました。Google公式とschema.orgの一次情報から、何が変わって何が変わっていないのかを切り分け、そのままコピーして直せるテンプレートまで並べます。
こんなふうに調べていませんか
- 「Event schema 書き方」で検索して、実装の手順を探している
- 「廃止された」という書き込みを見て、入れてよいのか判断できずにいる
- イベントが中止・延期になったとき、どこを直すのか分からない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 廃止の噂と、実際に変わった範囲を切り分けられるようになります
- 必須プロパティと推奨プロパティを、迷わず埋められます
- 中止・延期のときに書き換える値が、その場で分かります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- Event schemaは廃止されていません。Googleの構造化データギャラリーに、いまも掲載されています。
- 変わったのは対象範囲です。2025年6月の更新で、オンライン単独開催のイベントが対象から外れました。
- 必須は name・startDate・location の3つだけ。運用で差がつくのは、実装したあとの書き換えです。
この記事では、あるイベント運営会社の3人の会話をはさみます。若葉さん(Web担当2年目)が「そもそも」を、高梨課長が「誰がいつ直すのか」を聞き、鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)が答えます。
01Event schemaは廃止されたんですか?AI検索対策として今も使えますか?
若葉さんEvent schemaって、廃止されたという話を見たんですが…入れても意味がないんでしょうか。
鈴木さんそこは切り分けが要ります。Event の構造化データそのものは、いまも掲載されています。変わったのは、対象になる範囲のほうなんですよ。
Event schema自体は、Googleの構造化データギャラリーに現在も掲載されている機能です(出典: Google公式)。個別の表示ごと廃止されたCourse schemaとは、状況が異なります。
一方で2025年6月、Googleはイベント体験のガイダンスを更新しました。この更新で、オンライン単独開催のイベントが対象外になっています(出典: Google公式の更新履歴)。
「廃止された」という言葉だけが独り歩きすると、対面イベントの実装まで止まってしまいます。止めるべきなのは、オンラインだけの開催にリッチリザルトを期待することだけです。
この章のまとめ
Event schemaは残っています。狭まったのは範囲で、外れたのはオンライン単独開催です。
02Event schemaの書き方は、AI検索最適化としてどこから手をつけますか?
schema.orgは、Eventを「コンサートや講演、フェスティバルのような、特定の日時・場所で行われる催し」と定義しています(出典: schema.org/Event)。BusinessEvent・ExhibitionEvent・SaleEventなど、20以上のサブタイプが用意されています(出典: 同上)。
ただしGoogle公式ドキュメントは、この語彙の一部だけを検索結果の対象として扱っています。対象は「一般公開され、予約・参加できるイベント」です(出典: Google公式)。会員限定・招待制や、宣伝目的のページは対象外です(出典: 同上)。
つまり、書き始める前に確かめることが1つあります。そのイベントは、誰でも申し込めるのかどうかです。
順番は、次のとおりです。まず対象になるイベントかどうかを確かめます。次に必須の3つを埋めます。最後に、開催状況やチケット情報など、伝えたい内容を足していきます。
この章のまとめ
最初の分かれ目は、プロパティではありません。「誰でも申し込めるイベントか」です。
03必須と推奨のプロパティの書き方は、AI対策としてどこまで埋めればいいんですか?
高梨課長項目が並んでいますが、これは全部埋めることになりますか。工数の見当をつけたいのですが。
鈴木さんいいえ。必ず要るのは3つだけです。残りは、伝えたい内容に応じて足していく形になります。
Event構造化データの必須プロパティは、次の3つです(出典: Google公式)。
| 区分 | プロパティ | 型 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 必須 | name | Text | イベントの完全なタイトル |
| 必須 | startDate | DateTime | ISO 8601形式の開始日時 |
| 必須 | location | Place | 開催地。address(住所)を含む |
推奨プロパティは、次の9つです(出典: Google公式)。
| プロパティ | 内容 |
|---|---|
| description | イベントの説明文 |
| endDate | ISO 8601形式の終了日時 |
| eventStatus | 開催状況(後述) |
| image | イベント画像 |
| location.name | 会場名 |
| offers | チケット・参加費情報 |
| organizer | 主催者(Organization/Person) |
| performer | 登壇者・出演者(Person/PerformingGroup) |
| previousStartDate | 変更前の開始日時 |
この表に、eventAttendanceModeは含まれていません。schema.orgが定義する語彙ではありますが、Googleの必須・推奨プロパティとしては明記されていない項目です。
埋める順番は、この入れ子の下から上へです。必須が欠けていると、上に何を積んでも読まれません。
この章のまとめ
必ず要るのは3つ。推奨の9つは、伝えたい内容から選んで足します。
04コピペできるJSON-LDのEvent schemaは、AI検索にどう読まれるんですか?
以下は、対面セミナーを想定した基本テンプレートです。参加費が無料の例のため、有料の場合はpriceを実際の金額に差し替えてください。
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "Event",
"name": "AI検索最適化 実践セミナー",
"startDate": "2026-09-10T14:00+09:00",
"endDate": "2026-09-10T16:30+09:00",
"eventStatus": "https://schema.org/EventScheduled",
"location": {
"@type": "Place",
"name": "サンプル会議室 6F",
"address": {
"@type": "PostalAddress",
"streetAddress": "サンプル1-2-3",
"addressLocality": "千代田区",
"addressRegion": "東京都",
"postalCode": "100-0000",
"addressCountry": "JP"
}
},
"image": [
"https://sample.example.com/event/1x1.jpg",
"https://sample.example.com/event/4x3.jpg",
"https://sample.example.com/event/16x9.jpg"
],
"description": "AI検索時代のサイト設計を学ぶ実践セミナーです。",
"organizer": {
"@type": "Organization",
"name": "サンプル株式会社",
"url": "https://sample.example.com"
},
"performer": {
"@type": "Person",
"name": "登壇者名"
},
"offers": {
"@type": "Offer",
"url": "https://sample.example.com/event/seminar-0910",
"price": "0",
"priceCurrency": "JPY",
"availability": "https://schema.org/InStock",
"validFrom": "2026-08-01T00:00+09:00"
}
}eventStatusとoffers.availabilityは、いずれもschema.orgの完全なURL形式で書きます(出典: Google公式)。「EventScheduled」のような短い文字列だけでは、値として認識されません。
JSON-LDの文法そのものは別記事で解説しています。organizerの書き方、performerの書き方も、それぞれ別記事が参考になります。
この章のまとめ
テンプレートは長く見えますが、読まれる形にする決まりは1つです。値はURLの形でそろえる、それだけです。
05テンプレートの書き方を自社用に直すとき、AI検索最適化ではどこを触りますか?
差し替える場所は決まっています。上から順に埋めるのではなく、必須の3つから直します。残りが空のままでも、必須が正しければ読まれる状態にはなります。
見落としやすいのは、見本のまま残る値です。参加費、会場名、画像のURL。この3つは、テンプレートの体裁が整っているぶん、直し忘れても気づきにくくなります。
この章のまとめ
差し替えは必須の3つから。見本のまま残りやすいのは、参加費・会場名・画像です。
06中止や延期のとき、AI検索対策としてEvent schemaの書き方はどう変えますか?
高梨課長台風でイベントが飛んだとき、この構造化データはどうなりますか。
鈴木さん書き換えない限り、予定どおり開催されることになったまま伝わり続けます。そこがいちばん事故になりやすいところです。
eventStatusが持つ値は、次の5つです(出典: schema.org/EventStatusType)。綴りを1文字でも間違えると、Googleはその値を認識しません。
| 値 | 意味 | 実務での使いどころ |
|---|---|---|
| EventScheduled | 予定通り開催(既定値) | 省略時のデフォルト |
| EventCancelled | 中止 | 開催そのものを取りやめた場合 |
| EventPostponed | 延期(新日程未定) | startDateは元の値のまま維持 |
| EventRescheduled | 日程変更(新日程確定) | 新startDateとpreviousStartDateを併記 |
| EventMovedOnline | オンライン開催へ変更 | 会場開催をオンライン配信へ切替 |
EventCancelled・EventPostponed・EventMovedOnlineの3つは、テンプレートのeventStatusを表の該当行に書き換えるだけです。
EventRescheduledだけは扱いが異なります。新しい日程が未定の段階ではEventPostponedを使い、startDateは書き換えません。日程が決まったら、JSON-LD全体はそのままに、次の3つの値だけを上書きします(出典: Google公式)。
{
"eventStatus": "https://schema.org/EventRescheduled",
"previousStartDate": "2026-09-10T14:00+09:00",
"startDate": "2026-10-15T14:00+09:00"
}他のプロパティ(name・location・organizer等)は変更しません。
この章のまとめ
中止・延期は値の差し替えだけ。日程変更のときだけ、startDateとpreviousStartDateも動きます。
07オンラインだけのセミナーのEvent schemaは、AI検索最適化の対象になりますか?
Googleの公式ガイドラインは、次のように明記しています(出典: Google公式)。
Virtual experiences that have no real-world component aren't supported.
物理的な要素を伴わない体験は、対象にならないという意味です。
ハイブリッド開催であれば、対面部分のPlaceが要件を満たします。見られているのは、開催形式の宣言ではなく、locationに物理的な住所があるかどうかです。
オンライン単独開催で構造化データを書くこと自体は止められていません。ただし、リッチリザルトによる集客をそこに期待しない。この線引きだけ、社内で共有しておくと安全です。
この章のまとめ
オンライン単独開催では、語彙としては書けても表示要件は満たせません。期待の置きどころを変えます。
08eventAttendanceModeの書き方は、LLMO対策として書く意味があるんですか?
若葉さんEventAttendanceModeTypeという名前で調べたんですが、資料が出てこなくて…。
鈴木さんそれは名前のほうが違っています。正しくは EventAttendanceModeEnumerationです。EventStatusTypeからの類推で、よく取り違えられるところなんですよ。
イベントの開催形式は、schema.orgのeventAttendanceModeで表現します。型名は「EventAttendanceModeType」ではありません。正しくはEventAttendanceModeEnumerationで、3つの値を定義します(出典: schema.org公式)。
| 値 | 意味 |
|---|---|
| OfflineEventAttendanceMode | 対面開催のみ |
| OnlineEventAttendanceMode | オンライン開催のみ |
| MixedEventAttendanceMode | 対面・オンラインのハイブリッド開催 |
locationプロパティは、対面開催ならPlace型、オンライン開催ならVirtualLocation型(urlを持つ)です(出典: schema.org公式)。ハイブリッドではlocationに両方を配列で並べ、eventAttendanceModeをMixedEventAttendanceModeにします。
ここが最も誤解されやすい点です。Googleの公式ドキュメントに、eventAttendanceModeという単語は一度も登場しません(出典: Google公式)。見ているのは、locationに物理的な住所があるかどうかだけです。
それでも書く意味はあります。JSON-LDを読むのはGoogleだけではないためです。開催形式を語彙として正しく伝えておけば、他のAI検索エンジンにも同じ内容が渡ります。
この章のまとめ
型名はEventAttendanceModeEnumeration。Googleの表示要件には効きませんが、語彙としては意味があります。
09日時とタイムゾーンの書き方は、AI検索でどう解釈されるんですか?
startDate・endDateは、ISO 8601形式で書きます(出典: Google公式)。タイムゾーンは、UTCまたはGMTからのオフセットを付けて指定します(出典: 同上)。
日本国内のイベントであれば、サマータイムがないため常に+09:00で固定できます。Google公式の例は-05:00と-04:00を使い分けていますが、これは米国のサマータイム(夏時間)に対応するためです。日本のイベントでは、この切り替えを考える必要はありません。
タイムゾーンを省いた場合、Googleはlocationに指定された開催地のタイムゾーンを使って解釈します(出典: Google公式)。ただし、JSON-LDは他のAI検索エンジンにも読まれるため、省略せず明示することをおすすめします。
この章のまとめ
日本国内のイベントなら+09:00で固定。省略できる場面でも、書いておくほうが揺れません。
10Event schemaを実装したあと、AI対策として何をどこまで検証するんですか?
高梨課長実装したあと、公開前に何を見ればよいでしょうか。担当は兼任なので、手順を短くしたいのですが。
鈴木さん3つで足ります。ツールにかける、必須の欠落を消す、画面の表示と突き合わせる。この順番です。
実装したら、公開前に次の3ステップで確認します。
- Rich Results Testにかける: URLまたはJSON-LDコードを貼り付けて実行します。ツールの詳しい使い方は別記事で解説しています
- 必須プロパティのエラーを解消する: name・startDate・location(address含む)の欠落がないかを確認します
- 画面表示と一致しているか確認する: 中止・延期の情報は、ページ本文にも同じ内容を表示します
構造化データを実装しても、表示そのものは保証されません(出典: Google公式)。充実度とAI引用率の関係も、別記事で扱っているとおり単純ではありません。
この章のまとめ
検証は3ステップ。通ったからといって表示が約束されるわけではない、という前提はそのままです。
11Event schemaの書き方でつまずくのは、AIO実装のどこですか?
つまずく形は、だいたい決まっています。
オンラインセミナーに、eventAttendanceModeだけ実装して満足してしまう。このプロパティはGoogleの必須・推奨表に含まれていません。見られているのはlocationの物理的な住所であり、オンライン単独開催では要件を満たせません。
中止・延期のあと、eventStatusを更新し忘れる。構造化データは、書き換えない限り古い状態のまま伝わり続けます。更新の運用ルールを、事前に決めておく必要があります。
1つのEventに複数の開催回をまとめてしまう。複数回開催する場合、公開されているガイドラインは開催回ごとに個別のEvent要素を求めています(出典: Google公式)。1つのstartDateに日程を並べる実装は避けてください。
運用で差がつくのは、実装後です。次に中止や延期が起きたとき、誰がどのタイミングでeventStatusを書き換えるのか。担当者と更新の合図を、いまのうちに社内で決めておくことをおすすめします。
この章のまとめ
分かれ目は実装の巧拙ではなく、書き換え続けられるかどうかです。
12よくある質問
Event schemaを実装すれば、リッチリザルトは表示されますか?
表示は保証されません(出典: Google公式)。必須プロパティを満たし、一般公開かつ物理的な開催場所があるという条件を満たしたうえで、Google側の判断で決まります。
オンラインのみのセミナー・ウェビナーでもEvent schemaは使えますか?
schema.orgの語彙としては使えます。ただしGoogleの表示要件は物理的な開催場所が前提のため、オンライン単独開催ではリッチリザルトは期待できません(出典: Google公式)。
中止(EventCancelled)と延期(EventPostponed)はどう使い分ければいいですか?
開催を取りやめるならEventCancelledです。新しい日程が未定のまま延期するならEventPostponedを使い、startDateは元のまま残します。日程が決まればEventRescheduledに切り替えます。
EventAttendanceModeTypeという名前で調べても情報が出てこないのですが?
正式名称は「EventAttendanceModeEnumeration」です(出典: schema.org公式)。EventStatusTypeからの類推で、誤って検索されやすい名称です。
複数回開催するセミナーは、1つの構造化データにまとめてよいですか?
まとめないでください。公開されているガイドラインは、開催回ごとに個別のEvent要素を求めています(出典: Google公式)。1つのstartDateに日程を並べる書き方は避けます。
13まとめ|実装したあとに残る仕事
Event schemaは廃止されていません。2025年6月に適用範囲が狭まり、オンライン単独開催が対象外になっただけです。
必須は name・startDate・location の3つ。ここさえ埋まっていれば、実装そのものは長い作業になりません。
この順で進めます
誰でも申し込めるイベントかを確かめる
会員限定・招待制や、宣伝目的のページは対象外です
必須の3つを埋める
name・startDate・location(address含む)から先に書きます
書き換える担当と合図を決める
中止・延期のたびにeventStatusを直す運用を、先に決めておきます
AI検索では、こう聞かれています
Event schemaは廃止されたのですか?今も使えますか?
「Event schemaは廃止されたんですか?AI検索対策として今も使えますか?」の章で、掲載の事実と、対象から外れた範囲を分けて説明しています
オンライン開催だけのセミナーでも、Event schemaは使えますか?
「オンラインだけのセミナーのEvent schemaは、AI検索最適化の対象になりますか?」の章に、公式ガイドラインの記述があります
イベントが中止や延期になったとき、構造化データはどう直せばいいですか?
「中止や延期のとき、AI検索対策としてEvent schemaの書き方はどう変えますか?」の章に、値ごとの対応表と書き換え例があります
次に読むなら、この記事です