文字を打つ代わりに、写真や声で検索を始める人が増えています。カメラを向けるだけで対象物の情報が返り、声で質問すれば声で答えが返ってくることもあります。
この変化を指す言葉が「マルチモーダル検索」です。「マルチモーダル検索 とは」で調べてこの記事にたどり着いた方は、自社サイトの画像が、この新しい検索でどう扱われるのか気になっているのではないかと思います。
この記事は、マルチモーダル検索という言葉を今日はじめて調べた方に向けて書きました。Google・OpenAIの公式情報にもとづき、専門用語はその場で言い換えながら、自社サイトの画像面で備えるべき実務ポイントまで整理します。画像面の備えも、広い意味ではAI検索最適化(LLMOとも呼ばれます)の一部です。
こんなふうに調べていませんか
- 「マルチモーダル検索 とは」で検索して、意味を確認したい
- 自社の商品画像が、AI検索にどう見えているのか気になっている
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- マルチモーダル検索の意味を、人に説明できるようになります
- 従来の画像検索との違いが、図1枚で分かります
- 自社の画像面で今日から確認できる実務ポイントが分かります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- マルチモーダル検索とは、文字だけでなく画像・音声・動画など複数の情報形式を組み合わせて行う検索です。
- Googleは2022年にGoogle Lensの「マルチサーチ」で画像とテキストを組み合わせる検索を発表し、2025年にはAI Modeへ拡張しました。
- 「altを整えればいい」で終わらせず、自社の画像をAIに実際に読み込ませて確認するところまでがこの記事の範囲です。
この記事では、ある会社のマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。
- 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「うちの画像は大丈夫なんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01マルチモーダル検索とは、AI検索でも使われると聞きますが何ですか?
若葉さんあの、「マルチモーダル検索」って、今までの画像検索と何が違うんでしょうか。写真で調べるのは前からありましたよね?
鈴木さんいい質問です。「画像・音声・テキストを組み合わせて使えるようになった」というのが、いちばんの違いなんですよ。
マルチモーダル検索とは、文字だけでなく画像・音声・動画など複数の情報形式を組み合わせて行う検索のことです。
Googleは2022年、Google Lensの「マルチサーチ」機能で、画像とテキストを同時に使う検索を発表しました。2025年にはこの仕組みがAI Modeへ拡張されました。写真を撮る、または画像をアップロードして質問すると、Lensが対象物を識別し、Geminiが場面全体を理解したうえで回答します。
音声の面でも動きがあります。Googleは2026年3月、「Search Live」の対応言語・地域をAI Modeの提供範囲全体へ拡大したと発表しました。声で質問して音声の回答を受け取り、カメラを有効にすれば視覚的な状況を加えて会話を続けられます。
この章のまとめ
マルチモーダル検索とは、画像・音声・テキストを組み合わせた検索。GoogleはLensのマルチサーチ(2022年)からAI Mode・Search Liveへと広げてきました。
02マルチモーダル検索は、AI検索最適化の初心者にも分かるたとえで言うと何ですか?
若葉さんなんとなくイメージできてきたんですが、たとえで言うとどんな感じでしょうか?
鈴木さんそうですね、「友達に写真を見せながら話しかける」のに近いイメージです。
言葉だけだとイメージしにくいので、たとえてみます。
友達に写真を見せながら「これ、何のお店だと思う?」と聞くと、写真そのものだけでなく、周りに写っている看板や雰囲気もふまえて答えてくれます。マルチモーダル検索がやっているのも、これに近いことです。対象物を識別するだけでなく、場面全体の意図をくみ取って答えます。単語だけを書いた紙を渡すような、従来のキーワード検索とは、ここが違います。
この章のまとめ
マルチモーダル検索は「写真を見せながら話しかける」ような検索。単一の画像や単語だけで探す検索とは、情報の受け取り方が違います。
03各社のマルチモーダル検索対応は、AIOの視点で見ると中身がどう違うんですか?
高梨課長鈴木さん、「マルチモーダル対応」って各社まとめて語られがちですが、中身は同じなんですか?
鈴木さんいえ、公式情報を見ると、実装はそれぞれ違います。表で整理しますね。
「マルチモーダル対応」とひとくくりにされがちですが、公式情報を見ると各社の実装は異なります。
| 提供元 | 機能 | 対応する入力 | 公式が説明する仕組み |
|---|---|---|---|
| Lens→AI Mode | 画像+テキスト | Lensが物体を識別し、Geminiが場面を理解して複数クエリに分解する | |
| Search Live | 音声+カメラ映像 | Gemini 3.1 Flash Liveという音声モデルが双方向の会話に対応する | |
| OpenAI | GPT-4o | 画像+テキスト | 画像を512pxのタイルに分割し、基本85+タイルごと170トークンで処理する |
| Gemini API | テキスト・画像・動画・音声 | 設計段階から一貫してマルチモーダルに対応するモデルと位置づけられている |
OpenAI公式によると、GPT-4oは画像内の文字も認識でき、複数の画像をまとめて渡すこともできます。Gemini APIも、画像をURL・base64データ・Files APIのいずれかで渡せると案内されています。
この章のまとめ
「マルチモーダル対応」は、提供元ごとに中身が違います。扱える入力も内部の処理も別なので、どの機能の話をしているのかを公式情報で確かめてから比べます。
04マルチモーダル検索は、「画像検索」と、LLMO対策の視点では何が違うんですか?
マルチモーダル検索は、従来からある画像検索(Google画像検索等)と何が違うのでしょうか。
| 観点 | 従来の画像検索 | マルチモーダル検索 |
|---|---|---|
| 入力 | 画像またはキーワードの片方 | 画像・音声・テキストの組み合わせ |
| 処理 | 見た目が似た画像を照合する | AIが場面を理解し、複数のクエリに分解して検索する |
| 出力 | 類似画像の一覧 | 対象物ごとの解説と関連リンクを含む回答 |
この「複数クエリへの分解」が違いの中核で、詳しくは別記事『クエリファンアウトとは|1つの質問が分解される仕組み』で解説しています。
この章のまとめ
従来の画像検索は「似た画像を探す」。マルチモーダル検索は「場面を理解してから、複数の問いに分けて答える」。処理そのものが違います。
05自社サイトのAI対策として、マルチモーダル検索に備える土台はどう作るんですか?
高梨課長それで、うちのサイトは何を見直せばいいんでしょうか。商品写真がたくさんあるので、心配になってきました。
鈴木さん整えることは4つあります。まずは土台になる3つから、順番に見ていきましょう。
自社サイトを運営する立場でAI対策として関わるのは4つです。この章では、そのうち土台になる3つを扱います。最後の1つ(自分の目で確かめる工程)は、次の章でまとめて扱います。
①画像がAIに正しく伝わる土台づくり
Google公式は、alt属性でキーワードを詰め込まず、画像の内容を的確に説明することを推奨しています。「犬」ではなく「フェッチ遊びをするダルメシアンの子犬」のように書く例を挙げています。ファイル名も内容が分かる具体的な名前が推奨されます。作成自体をAIに手伝わせる場合は、別記事『画像altテキストをAIに一括生成させる実践プロンプト集』も参考になります。
②画像の権利情報を機械可読にする
Google公式は、ImageObject構造化データでcontentUrlと、creator・creditText・copyrightNotice・licenseのいずれかを指定する実装を案内しています。このうちlicenseプロパティを含めると、Google画像検索でLicensableバッジの対象になり得ます。
③周辺テキストで画像の主題を裏付ける
Google公式は、画像が置かれたページの内容が画像の主題と一致していることを重視すると説明しています。周辺の文章から画像の内容を推測しているためです。
この章のまとめ
土台は、altとファイル名、権利情報の機械可読化、周辺テキストによる裏付けです。いずれもGoogle公式が画像検索向けに推奨している整備です。
06マルチモーダル検索のAI検索対策は、AIの認識をどう自分の目で確認するんですか?
4つめは、AIが実際にどう認識しているかを自分の目で確認することです。
alt属性や構造化データの整備がAI Mode・Search Liveでの扱われ方に直接影響するとは、確認できた公式資料の範囲では明言されていません。対策を積み上げるだけで終わらせず、自社の商品画像をGPT-4oのようなマルチモーダルAIに読み込ませ、返ってくる説明が実物と一致するかを確認します。ズレがあれば、それがAIに伝わっていない情報の具体的な手がかりになります。
4つの場面をこの順で見ます
altとファイル名を具体的に書く
「犬」ではなく「フェッチ遊びをするダルメシアンの子犬」のように書きます
権利情報を機械可読にする
ImageObject構造化データでcontentUrlと権利情報のいずれかを指定します
周辺テキストで主題を裏付ける
画像の周りの文章が、画像の内容と一致しているかを確認します
自分の目でAIの認識を確認する
商品画像をGPT-4oに読み込ませ、説明が実物と一致するか確かめます
この章のまとめ
土台を整えたら、そこで止めずに自社の画像をAIに読ませて答え合わせをします。説明と実物のズレが、次に直す場所を教えてくれます。
07マルチモーダル検索での「altを整えれば引用される」というAI検索対策の誤解は、どこが間違いですか?
若葉さんじゃあ、altとファイル名さえ整えておけば、AI Modeに引用されるようになるんですか?
鈴木さんそこは、実はまだ言い切れないところなんです。整理しておきますね。
「altやファイル名を整えればAI Modeに引用される」という誤解があります。ここまで紹介したalt・ファイル名・構造化データの推奨事項は、いずれもGoogle画像検索や画像のライセンス表示に関する公式ガイドです。これらを整えることがAI Mode・Search Liveでの画像の扱われ方に直接影響するとは、確認できた公式資料の範囲では明言されていません。
この章のまとめ
alt・ファイル名・構造化データの推奨は、画像検索とライセンス表示のガイドです。AI Modeでの扱われ方に直接効くとは、公式資料では明言されていません。
08マルチモーダル検索とは、AI検索での画像検索の呼び方が変わっただけなんですか?
「マルチモーダル検索は画像検索の呼び方が変わっただけ」という誤解もあります。前述の比較の通り、処理そのものが異なります。AIが場面全体を理解し、複数のクエリに分解して検索する点が、単一の画像を照合するだけの従来の画像検索と異なります。
この章のまとめ
呼び方が変わっただけではありません。場面を理解して複数の問いに分けて答える点が、似た画像を照合する検索との違いです。
09よくある質問
マルチモーダル検索とAI Overviewsは同じ機能ですか?
異なります。AI Overviewsはテキストクエリへの要約回答が中心で、マルチモーダル検索は画像・音声などテキスト以外の入力を扱います。両者の違いは別記事『Google「AI Overviews」と「AI Mode」の違い』で詳しく解説しています。
自社の商品画像がGPT-4oにどう認識されるか確認する方法はありますか?
直接確かめる方法として、その画像をGPT-4oに読み込ませ、何が写っているかを説明させてみる方法があります。説明が実物とズレていれば、その画像だけでは伝わっていない情報がある、という手がかりになります。
音声だけで、画像を使わないマルチモーダル検索はありますか?
あります。Search Liveは音声での対話が基本機能で、そこにカメラ映像を任意で加えられる設計です。画像を使わず、音声だけで会話を続けることもできます。
画像のaltテキストは、誰が書いても同じ効果ですか?
効果そのものの検証はまだ確認できていませんが、Google公式が推奨するのは「内容を的確に説明すること」です。キーワードを詰め込むのではなく、写っているものをそのまま言葉にする書き方が基本になります。
10まとめ|今日から見直せる4つのこと
マルチモーダル検索とは、文字だけでなく画像・音声・動画など複数の情報形式を組み合わせて行う検索です。GoogleはLensのマルチサーチ(2022年)からAI Mode・Search Liveへと対応を広げ、OpenAIもGPT-4oで画像認識を提供しています。各社の実装は異なるため、「マルチモーダル対応」をひとくくりにせず、公式情報を個別に確認することが実務では役立ちます。
もう一度、今日から見直せる4つ
altとファイル名を具体的に書く
内容が分かる書き方に直します
権利情報を機械可読にする
ImageObject構造化データを実装します
周辺テキストで主題を裏付ける
画像の周りの文章を見直します
自分の目でAIの認識を確認する
商品画像をGPT-4oに読み込ませてみます
AI検索では、こう聞かれています
マルチモーダル検索って何ですか?
「マルチモーダル検索とは、AI検索でも使われると聞きますが何ですか?」の章で、定義と具体例を説明しています
画像検索と何が違うんですか?
「マルチモーダル検索は、『画像検索』と、LLMO対策の視点では何が違うんですか?」の章で、図と表を使って説明しています
自社の商品画像がAIにどう認識されるか、確認する方法はありますか?
「よくある質問」の2つ目で、確認方法を説明しています
次に読むなら、この記事です