「AIOもやったほうがいい」というところまでは、社内で合意が取れた。次に出てくるのが、誰がやるのかという問題です。

専任のチームを作るのか。それとも、いまSEOをやっているメンバーに載せるのか。ここで止まったまま、数か月が過ぎている会社は少なくありません。

この記事は、その分岐で立ち止まっている方に向けて書きました。結論から言うと、WEBMARKSは「まず載せる」をおすすめしています。理由と、載せ方の型と、載せたあとに何が増えるのかを、順番に見ていきます。

こんなふうに調べていませんか

  • 「AIO 体制」で検索して、専任チームが必要かどうかを調べている
  • 上から「AIOもやっておいて」と言われたが、人も予算も増えない
  • 統合すると現場の負担がどれだけ増えるのか、数字にできず提案が通らない

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • 自社のチーム規模に合う統合の型を、その場で選べるようになります
  • 統合で増える業務を、頻度つきで書き出せます
  • 最初の90日にやることを、30日単位で説明できます

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • AIOは専任チームを新設しなくても、既存のSEOチームに載せて始められます。 SEOとAIOは技術的な土台の多くを共有しているためです。
  • 統合の型は、チームの規模でほぼ決まります。1〜2人なら完全統合型、3〜10人ならハイブリッド型、専任部署があるなら併走型が基本の対応です。
  • 実行の成否を分けるのは型ではありません。増える業務を先に書き出したかどうかです。増分が見えていない統合は、合意が取れても現場で押し出されます。
統合の型は、チームの人数で決まります専任チームを作らなくても、今日から始められます統合の型は、チームの人数で決まります選ぶ型は人数で決まる完全統合・ハイブリッド・併走の3つ見える化増える業務は4本作業場所は既存業務と重なる順番最初は現状把握基準値がないと成果を語れない鈴木さん専任チームを作らなくても、今日から始められます
統合の型は、チームの人数で決まります — 専任チームを作らなくても、今日から始められます

この記事では、AIOの体制づくりを検討している会社の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。ご自身に近い立場の人の質問から読んでいただいて構いません。

  • 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間でやるんですか?」を聞く役
  • 大森部長(事業責任者)— 「それは投資として妥当なのか」を聞く役
  • 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役

01AIO運用は、SEOチームへの統合と専任チームの新設、どちらが先ですか?

大森部長
大森部長の発言

AIOをやるなら、専任のチームを作ったほうが本気度は伝わるんじゃないか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

気持ちは分かります。ただ、立ち上がりの早さで見ると、いまのSEOチームに載せるほうが先なんですよ。

新しく専任チームを作るには、採用や予算の確保が要ります。動き出すまでに、それなりの時間がかかります。

一方、既存のSEOチームには、検索行動の理解もコンテンツ制作の基盤も、すでにあります。ゼロから組むより、立ち上がりが早くなります。

新設と統合、立ち上がりが違いますまず載せて、合わなければ移す順番です新設と統合、立ち上がりが違いますまず載せて、合わなければ移す順番です専任チームを新設する採用と予算の確保が要る動き出すまで時間がかかる土台づくりからやり直す本気度は伝わるが、着手が遅れる既存SEOチームに載せる検索行動の理解がすでにあるコンテンツ制作の基盤も使える共通の土台をそのまま活かせる走りながら判断できる
新設と統合、立ち上がりが違います — まず載せて、合わなければ移す順番です

だからこの記事では、まず載せるという前提で話を進めます。試したうえで合わなければ、そのときに専任チームへ移す判断をすれば十分です。

もう1つ、先に言っておきたいことがあります。型を選ぶこと自体は、実はそれほど難しくありません。難しいのは、載せたあとに何が増えるかを、事前に見えるようにしておくことです。

この章のまとめ

専任チームの新設は、採用と予算の分だけ立ち上がりが遅くなります。まず既存のSEOチームに載せて、走りながら判断します。

02そもそもAIOのSEOチーム統合とは、何をすることなんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

統合という言葉が、まだ抽象的で。具体的には、何をどうすることなんでしょうか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

新しい部署を建てるのではなく、いまの部屋に机を1つ足すイメージで捉えてください。

AIO運用の統合とは、AI検索への対応を独立した新組織ではなく、既存のSEOチームの業務範囲に組み込む体制設計のことです。

組織図を書き替える話ではありません。いまのチームが見るもの、直すものに、AI検索の観点を足す。それが統合の中身です。

統合は、机を1つ足す作業です組織図を書き替える話ではありません統合は、机を1つ足す作業です組織図を書き替える話ではありません部屋にたとえると体制でいうと新しい部屋を建てるAIO専任チームの新設いまの部屋に机を1つ足す既存SEOチームへの統合机の置き場所を先に決める増える業務を先に洗い出す鈴木さん置き場所を決めずに机だけ運び込むと、通路がふさがってしまいます
統合は、机を1つ足す作業です — 組織図を書き替える話ではありません

ここで大事なのは、机を足す場所を先に決めておくことです。場所を決めずに机だけ運び込むと、通路がふさがります。統合でいえば、増える業務を洗い出さないまま合意だけ取った状態がこれにあたります。

この章のまとめ

統合とは、組織図を書き替えることではありません。いまのチームの業務範囲に、AI検索の観点を足す設計のことです。

03なぜAI検索対策は、既存のSEOチームに載せたほうが早いんですか?

SEOとAIOは、技術的な土台の多くを共有しています。構造化データの実装、サイトの表示速度、コンテンツの品質管理。どれも、従来のSEOでもAIOでも重要な位置を占めます。

SEOとAIOは、土台を共有しています重なりが広いから、統合が近道になりますSEOとAIOは、土台を共有しています重なりが広いから、統合が近道になりますSEO固有AIO固有順位計測/キーワード戦略AI可視性の計測/引用の最適化共通の土台共通の土台 : 構造化データ / サイト速度 / コンテンツ品質共通しているのは作業場所と技術基盤。評価軸までは共通していません。
SEOとAIOは、土台を共有しています — 重なりが広いから、統合が近道になります

重なっている部分が広い。だからこそ、ゼロから専任チームを作るより、既存チームの延長線上で取り組むほうが立ち上がりは早いと、WEBMARKSは考えます。

ただし、ここには但し書きが要ります。土台が同じであることと、担当者がそのまま担えることは別です。計測の方法やコンテンツの評価軸には、AIO固有の視点が要ります。この点は、あとの章で扱います。

この章のまとめ

SEOとAIOは土台を共有しています。だから統合は近道になりますが、評価軸まで同じではありません。

04SEOチーム統合の前提として、AI検索最適化に、そもそも他社はどれくらい着手しているんですか?

大森部長
大森部長の発言

他社はどうなんだ。もう体制まで作って動いているなら、うちも急いだほうがいい。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこは、2つの数字を並べて見ると実態に近づきます。少しずれがあるんですよ。

1つ目の数字です。Conductor社の調査では、AEO/GEOプログラムを「先進的、または非常に先進的」と自己評価したCMO・デジタル領域の責任者は73%にのぼりました(出典: Conductor「State of AEO/GEO Report」)。

ただし、これは本人による自己評価です。どのような体制で取り組んでいるかまでを示す数字ではありません。

2つ目の数字です。Faber Companyの調査では、構造化データの拡充に「取り組んでいる」と回答した企業は16.1%にとどまりました(出典: Faber Company「AI×SEO実態調査」・回答企業120社・2025年冬)。

自己評価と着手状況には、ずれがあります他社が体制まで作り終えているとは限りません自己評価と着手状況には、ずれがあります他社が体制まで作り終えているとは限りませんAEO/GEOを先進的と自己評価した責任者73%構造化データの拡充に取り組む企業16.1%出典: Conductor「State of AEO/GEO Report」/Faber Company「AI×SEO実態調査」(回答企業120社・2025年冬)
自己評価と着手状況には、ずれがあります — 他社が体制まで作り終えているとは限りません

この2つの数字が示すのは、人材がいるかいないかではありません。着手しているかどうかです。

そして共通領域が手つかずということは、裏を返せば、SEOチームがそのまま着手できる伸びしろが残っているという意味でもあります。AIO専任者を採用しなくても、既存チームが構造化データの拡充に着手するだけで、共通領域は前に進みます。

この章のまとめ

自己評価は高く、着手率は低い。このずれが、統合から始めても間に合う理由になっています。

05AIOをSEOチームに統合する型は、3つのどれを選べばいいんですか?

統合の形は、1つに決まっているわけではありません。企業の状況に応じて、3つの類型に整理できます。

類型内容向いている企業
完全統合型SEO担当者がAIOも兼務し、業務を一本化するSEOチームの人数が少ない企業
ハイブリッド型既存メンバーの一部がAIOを専任で担当するSEOチームに一定の人数がいる企業
併走型SEOチームとAIO担当が別に存在し、定例で連携するSEOとAIOの優先度が経営上分かれている企業
載せ方は、この3つに整理できます優劣ではなく、人数との相性で選びます載せ方は、この3つに整理できます優劣ではなく、人数との相性で選びます完全統合型兼務で一本化するSEO担当者がAIOも担うハイブリッド型1人を切り出す既存メンバーの一部がAIO専任併走型定例で連携するSEOチームとAIO担当を別に置く
載せ方は、この3つに整理できます — 優劣ではなく、人数との相性で選びます

どれが優れているという話ではありません。チームの人数に合っていない型を選ぶと、既存のSEO業務が圧迫されて、両方が中途半端になります。

型を選ぶ前に、確認しておきたいことが1つあります。統合すると、既存メンバーの業務が具体的に何本増えるのか。ここを先に出しておくのが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。

この章のまとめ

型は3つ。優劣ではなく、チームの人数との相性で選びます。

06統合するとSEOチームの仕事は、AI検索最適化で何本増えるんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

正直、そこがいちばん知りたいところです。増える仕事が見えないと、メンバーに説明できません。

鈴木さん
鈴木さんの発言

では、頻度つきで並べましょう。4本です。そして、どれも作業場所は増えません。

増える業務発生頻度主に担う類型
AI可視性ツール・Search Consoleの生成AI関連指標の確認と記録月1回3類型すべて
既存記事へのquotableな定義文・FAQの追記記事単位完全統合型・ハイブリッド型
robots.txtのAIクローラー設定の確認・更新四半期1回ハイブリッド型・併走型(技術担当と分担)
SEO指標とAIO指標を並記したレポートの作成月1回3類型すべて
統合で増えるのは、この4本ですどれも作業場所は既存業務と重なります統合で増えるのは、この4本ですどれも作業場所は既存業務と重なります1生成AI関連指標の確認と記録月1回/Search ConsoleとAI可視性ツールを見ます2quotableな定義文とFAQの追記記事単位/CMSでの既存記事の手入れです3robots.txtのAIクローラー設定の確認四半期1回/技術担当と分担できます4SEO指標とAIO指標を並記したレポート月1回/既存の月次レポートに列を足します
統合で増えるのは、この4本です — どれも作業場所は既存業務と重なります

この4本には、共通点があります。作業する場所が、いずれも既存のSEO業務と重なっていることです。Search Console、CMS、robots.txt、月次レポート。どれも、すでに開いているファイルや画面です。

つまり、まったく新しい業務が増えるわけではありません。既存の作業に、見る列と直す観点が加わる。この捉え方が実態に近いと私たちは考えます。

内製と外注のどちらにするかで迷っている場合は、判断軸(知見・時間・視点)を整理した別記事『AIO内製か外注か?3つの軸で決める判断チェックリスト』も参考になります。

この章のまとめ

増えるのは4本です。作業場所は既存業務と重なるので、増分は「新しい仕事」より「新しい観点」に近くなります。

07チームの規模で、AIO統合の型はどう変わるんですか?

進め方は、SEOチームの規模によって変わります。基本の対応は、次の3通りです。

  1. 1〜2人規模: 完全統合型を選び、既存の担当者がAIOの計測とコンテンツ企画を追加で担います。技術実装は必要に応じて外部と連携します
  2. 3〜10人規模: ハイブリッド型を選び、既存メンバーの中から1人を、AIO専任に近い形で切り出します
  3. 専任部署がある規模: 併走型を選び、SEO部署とAIO担当が月次などの定例で連携します
人数が増えると、型の性質が変わります一本化から連携へ、と移っていきます人数が増えると、型の性質が変わります一本化から連携へ、と移っていきます11〜2人規模完全統合型。兼務で一本化する23〜10人規模ハイブリッド型。1人を切り出す3専任部署あり併走型。定例で連携する
人数が増えると、型の性質が変わります — 一本化から連携へ、と移っていきます

並べてみると、性質の変化が見えてきます。規模が大きくなるほど、統合の型は一本化から連携へと移っていきます。

だから、大きな組織で無理に一本化を目指す必要はありません。規模に合った連携の形を選ぶほうが、長く機能します。

この章のまとめ

小さいチームは一本化、大きい組織は連携。規模に合わせて型の性質を変えるのが、続く統合の条件です。

08最初の90日、SEOチームのAIO統合は何から始めますか?

型が決まったら、次は着手の順番です。どの規模でも使える進め方を、30日単位で整理しました。

期間やること完了の判断基準
1〜30日現状把握。Search Consoleの生成AI関連指標の提供有無を確認し、AI経由の流入がGA4でどう見えているかを記録する現状値が1枚のシートに記録され、次月と比較できる状態になっている
31〜60日共通領域から着手。主要記事の構造化データとquotableな定義文を、優先度の高い10〜20本に絞って整備する対象記事のリストと、着手済み・未着手が判別できる
61〜90日報告の型を固定。SEO指標とAIO指標を並記した月次レポートの様式を決め、1回目を出す翌月以降、同じ様式で作業者が変わっても再現できる
最初の90日は、30日ずつで区切りますそれぞれに完了の判断基準を置きます最初の90日は、30日ずつで区切りますそれぞれに完了の判断基準を置きます1〜30日現状把握生成AI関連指標とAI経由流入を記録する31〜60日共通領域から着手主要記事の構造化データと定義文を整える61〜90日報告の型を固定月次レポートの様式を決めて1回目を出す
最初の90日は、30日ずつで区切ります — それぞれに完了の判断基準を置きます

3つの期間には、それぞれ完了の判断基準を置いてあります。「やった感じがする」で次に進まないためです。

なお、61〜90日の様式づくりを後回しにしないことをおすすめします。報告の様式が決まっていないと、統合を続けるかどうかを経営層と議論する材料がそろわないためです。

チームそのものの立ち上げ方を検討している場合は、必要な役割の切り出し方を扱った別記事『AIOチームの作り方|1人からでも回せる4つの役割』もあわせてご覧ください。

この章のまとめ

90日を30日ずつに割り、それぞれに完了の判断基準を置きます。判断基準がないと、進んだかどうかが分かりません。

09SEOチームへの統合では、なぜ最初の30日を、AI検索対策の現状把握に使うんですか?

大森部長
大森部長の発言

最初の30日を現状把握に使うというが、それは何もしていない期間ではないのか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そう見えますよね。ただ、ここを飛ばすと、あとで効果を説明できなくなるんです。

AIOの施策は、効果の判定に時間がかかります。着手前の基準値がないと、あとから成果を語れません。

基準値がないまま施策を始めた企業は、3か月後に「効いたのかどうか分からない」という状態に陥りやすくなります。数字が動いていても、動く前の値を持っていないからです。

基準値の有無で、3か月後が変わります最初の30日は、あとで説明するための材料づくりです基準値の有無で、3か月後が変わります最初の30日は、あとで説明するための材料づくりです基準値を取った場合着手前の値が1枚のシートにある次月と並べて比べられる続けるかどうかを判断できる数字が動いた理由を説明できる取らずに始めた場合着手前の値がない変化を示す比較対象がない続ける判断も止める判断もできないあとから取り返せません鈴木さんここを飛ばすと、3か月後に効いたかどうかを説明できなくなります
基準値の有無で、3か月後が変わります — 最初の30日は、あとで説明するための材料づくりです

最初の30日にやることは、実はそれほど多くありません。Search Consoleで生成AI関連の指標が提供されているかを確認する。GA4でAI経由の流入がどう見えているかを記録する。この2つです。

この章のまとめ

最初の30日は基準値づくりに使います。着手前の値がないと、成果も失敗も説明できなくなります。

10SEOチームのAI検索対策で、レポートの指標はどう並べるんですか?

統合を進めるとき、最初に出てくる壁が評価指標の違いです。SEOは検索順位、AIOは引用回数や可視性という、性質の違う指標を使います。

対処は単純です。レポートを1枚に丸めず、上段にSEO指標、下段にAIO指標を置いた2段構成にします。

レポートは、丸めずに2段で並べます変化の出どころが追えるかどうかが分かれ目ですレポートは、丸めずに2段で並べます変化の出どころが追えるかどうかが分かれ目です1つの総合スコアに丸めるSEOとAIOを合算した点数だけを出すどちらの動きで変わったか追えない同じ質問が毎月繰り返される上段SEO・下段AIOの2段構成上段に順位やクリック数を置く下段に引用や可視性の指標を置く注記の位置を固定して毎回同じ場所に置く
レポートは、丸めずに2段で並べます — 変化の出どころが追えるかどうかが分かれ目です

あわせて、AIO指標には「クリック数が取得できない」という注記を、毎回同じ位置に入れておきます。位置を固定しておくと、経営層から同じ質問が繰り返されるのを防げます。

無理に1つの総合スコアへ丸めるのは、おすすめしません。どちらの動きで数字が変わったのかが追えなくなるためです。

経営層向けの報告の組み立て方は、別記事『経営層に伝わるAIOレポートの作り方』でさらに詳しく扱っています。

この章のまとめ

指標は統一せず、2段で並べます。注記の位置を固定すると、同じ質問が繰り返されなくなります。

11SEOチームとの統合で、LLMO対策のスキルギャップは、どうやって埋めればいいんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

メンバーはAI検索の計測ツールを触ったことがありません。そこが不安です。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこは、先に線を引くと進めやすくなります。どこまでが今の守備範囲か、を決めるんです。

2つ目の壁が、スキルギャップです。既存のSEO担当者が、AI検索特有の計測ツールに不慣れなケースがあります。

有効なのは、既存の守備範囲と新しい範囲を先に線引きすることです。

Googleは公式ガイドで、SEO専門家が提供する業務として、サイト内容・構造のレビューや技術的な助言を挙げています(出典: Google Search Central「SEO対策は必要か」)。

任せる前に、守備範囲の線を引きますどこまでが今の範囲かを決めると、育成の順番が決まります任せる前に、守備範囲の線を引きますどこまでが今の範囲かを決めると、育成の順番が決まりますすでに担っている範囲サイト内容のレビューサイト構造のレビュー技術的な助言出典: Google Search Central新しく覚える範囲AI可視性ツールの運用引用状況の読み解き定型業務から段階的に渡します
任せる前に、守備範囲の線を引きます — どこまでが今の範囲かを決めると、育成の順番が決まります

この記述は、既存メンバーがすでに担っている範囲の目安として使えます。裏を返せば、AI可視性ツールの運用や引用状況の読み解きは、この範囲の外にあります。新しく覚える領域だと切り分けられます。

線引きができたら、順番を決めます。新しい領域は、月次の指標確認という定型業務から任せます。判断を伴う設計は、段階的に移していきます。

この章のまとめ

先に線を引いてから任せます。定型業務から渡し、判断を伴う仕事は段階的に移すのが安全な順番です。

12AIO統合でつまずくのは、だいたいどこなんですか?

3つ目の壁は、優先順位の対立です。限られた工数の中で、SEO業務とAIO業務のどちらを優先するかで摩擦が生じます。

対処は2つあります。推進リーダーが両方を一元的に判断する体制にすること。そして、AIOに充てる工数の上限を、あらかじめ決めておくことです。

上限を決めずに始めると、成果の出方が緩やかなAIO業務が、締切のあるSEO業務に押し出されて後回しになります。

統合がつまずくのは、この4つですどれも「気をつける」だけでは越えられません統合がつまずくのは、この4つですどれも「気をつける」だけでは越えられませんいきなり完全統合を目指してしまう規模に合わない型は、既存業務を圧迫します評価指標を1つに統一しようとしてしまう変化の出どころが追えなくなりますスキルギャップを放置してしまう判断の精度が上がらないままになります着手前の基準値を取らずに始めてしまうあとから比較する対象がありません増える業務を頻度つきで書き出してから始めるここだけ先にやれば、型はあとから調整できます
統合がつまずくのは、この4つです — どれも「気をつける」だけでは越えられません

よくある失敗も、あわせて挙げておきます。

いきなり完全統合を目指してしまう。チームの規模に合わない型を選ぶと、既存のSEO業務が圧迫され、両方が中途半端になる恐れがあります。

評価指標を統一しようとしてしまう。SEOとAIOは指標の性質が異なります。1つに統一するより、両方を並べて見る報告設計のほうが現実的です。

スキルギャップを放置してしまう。計測ツールに不慣れなまま業務を任せると、判断の精度が上がりません。段階的な育成が要ります。

着手前の基準値を取らずに始めてしまう。統合前の数値がないと、3か月後に検証しようとしても比較対象がありません。

この章のまとめ

つまずくのは型選びより運用の設計です。工数の上限と判断者を先に決めておくと、押し出されにくくなります。

13よくある質問

統合を始めるのに、AI検索専用のツールの導入は必要ですか?

必須ではありません。Search ConsoleとGA4という既存のツールだけでも、生成AI機能でのインプレッションとAI経由の流入は追跡できます。有料の可視性ツールは、追跡する指標と報告の様式が固まった後に検討することをおすすめします。

統合後、SEO業務とAIO業務の工数配分はどう決めればよいですか?

決まった比率はありません。まずは現状の検索流入とAI経由流入の比率を計測し、その比率を目安に調整することをおすすめします。あわせて、AIOに充てる工数の上限を決めておくと、締切のある業務に押し出されにくくなります。

統合がうまくいかない場合、専任チームに切り替えるべきですか?

検討に値します。統合を試したうえでスキルギャップや優先順位の対立が解消しない場合は、別記事『AIOチームの作り方|1人からでも回せる4つの役割』を参考に、専任チームへの移行を検討してください。

AIOの担当者を新しく採用しないと、統合は始められませんか?

始められます。共通領域である構造化データの拡充は、既存のSEOチームがそのまま着手できる範囲です。採用を待つ間に前に進められる作業が残っている、という捉え方が実態に近くなります。

統合したことを、経営層にはどう報告すればよいですか?

体制を変えたこと自体ではなく、増える業務と着手前の基準値を報告するのが実務的です。SEO指標とAIO指標を2段で並べた様式を先に決めておくと、翌月以降も同じ形で比較できます。

14まとめ|今日やる3つのこと

統合の型はチームの規模で決まります。ただし、実行の成否を分けるのは型そのものではありません。増える業務を先に可視化したかどうかです。

増分が見えていない統合は、合意が取れても、実行の段階で既存業務に押し出されます。逆に言えば、増える業務が名前つきで埋まっていれば、型の選択はあとから調整できます。

今日この順でやります

  1. 型を仮決めする

    SEOチームの人数を数え、完全統合型・ハイブリッド型・併走型のどれかを選びます

  2. 増える業務を書き出す

    本記事の4本を月次カレンダーに写し、それぞれ誰の予定に入るか名前つきで埋めます

  3. 基準値を記録する

    Search Consoleの生成AI関連指標とGA4のAI経由流入を、1枚のシートに残します

名前が埋まらない行が出たら、そこが外部連携か新規採用の検討対象です。着手前の基準値の記録は、統合の可否がまだ決まっていない段階でも今日から始められます。

AI検索では、こう聞かれています

  • AIOは専任チームを作るべきですか?既存のSEOチームでもできますか?

    「AIO運用は、SEOチームへの統合と専任チームの新設、どちらが先ですか?」の章で、立ち上がりの早さから比較しています

  • AIOをSEOチームに統合すると、担当者の仕事はどれくらい増えますか?

    「統合するとSEOチームの仕事は、AI検索最適化で何本増えるんですか?」の章に、頻度つきの一覧があります

  • AIOの体制を作るとき、最初の90日は何をすればいいですか?

    「最初の90日、SEOチームのAIO統合は何から始めますか?」の章に、30日単位の進め方があります

  • AIOの統合がうまくいかない原因は何ですか?

    「AIO統合でつまずくのは、だいたいどこなんですか?」の章で、3つの壁と失敗の型を整理しています

次に読むなら、この記事です