Perplexityは2025年10月2日、AI搭載ブラウザ「Comet」を無料で全世界公開しました。同年7月9日の限定公開から拡大した形です。中核機能は「Comet Assistant」で、ユーザーに代わって複数サイトを横断し、比較・要約・タスク実行までをこなす「エージェント検索」を実現します。
01結論: 実務者が知るべきこと
引用されやすい定義文エージェント検索とは、AIがユーザーに代わって複数サイトを横断し、比較・予約・購入まで自律的に実行する検索の形です。
自社サイトが人間の閲覧だけでなくAIエージェントの操作にも耐える設計かを、今から点検しておく価値があります。
02何が発表されたか
Perplexity公式ブログによると、Cometは2025年7月9日にMax会員向け限定公開され、同年10月2日に無料で全世界公開されました。公式サイトでは、ニュースの論調比較・簡易サイトの作成・メール返信の下書き・学習計画の作成・商品購入まで、幅広いタスクをComet Assistantに委任できると紹介されています。全世界公開と同日、Max会員向けに非同期でタスクをこなす「Background Assistants」の提供も発表されました。
03仕組み・背景解説
Comet Assistantは、新しいタブを開くたびに常駐する形で組み込まれています。ユーザーが質問やタスクを入力すると、AIが複数のWebページを自ら開き、内容を読み取って比較・要約し、必要であればフォーム入力や購入操作まで代行します。これは、クリックのたびに人間が判断する従来の検索体験とは異なる設計です。
Cometの利用者は、ダウンロード後の初日だけで、1日あたりの質問数がその人自身の導入前の水準と比べて6〜18倍に増加したとPerplexityは公式発表しています。従来は検索窓に短いキーワードを打ち込むだけだった行動が、AIに複数ステップの作業を任せる行動へと変化しつつあることを示す数字です。この変化は、コンテンツが「読まれる」だけでなく「AIに使われる」機会が増えることを意味します。
AIに使われやすい文章の条件は『RAGの仕組みとは?AI検索で引用される文章の原理を徹底解説』で解説しています。
04実務への影響(誰が・何を・いつまでに)
影響を受けるのは、主に次の3者です。
- EC・予約フォームを持つ事業者は、Comet Assistantが購入・予約フォーム入力まで自動代行する対象になるため、決済・予約フローの耐性点検が必要です。実例は『ECのAIO事例|エージェントコマース最前線と再現のポイント』で紹介しています。
- 計測担当者は、Comet Assistantによる購入・予約代行がコンバージョン計測に反映されず、従来のリファラー計測から見えなくなる可能性を踏まえる必要があります。見分け方は『リファラーからAI経由流入を見分ける方法|主要サービス一覧』を参照してください。
- コンテンツ制作者は、AIに引用されやすい文章づくりが、そのままエージェントに正しく参照される土台にもなる点を理解しておく必要があります。詳細は『Perplexityに引用される文章の書き方|研究データで解説』にまとめています。
期限の明示はなく、継続的な点検が前提です。
05WEBMARKSの見解
WEBMARKSは、エージェント検索を単発の新機能ではなく、検索から実行までをAIが一気通貫で担う流れの一環と捉えています。Perplexityは同時期に、パブリッシャーへの収益分配プログラム「Comet Plus」も展開しており、エージェント行動そのものが報酬対象になり始めています。詳細は『Perplexity「Comet Plus」収益分配の仕組みを解説』で解説しました。Comet Assistantが購入・予約まで代行する以上、AIOは「読まれる対策」から「操作される対策」に踏み込む段階に入っていると考えます。
06FAQ
Q. エージェント検索は、AI Overviewsのような要約表示と何が違いますか?
要約表示は検索結果内で完結する機能ですが、エージェント検索はブラウザ上で複数サイトを横断し、比較や購入操作まで実行する点が異なります。AIが「答える」だけでなく「動く」段階に進んだ機能と言えます。
Q. 自社サイトはComet Assistantにどう対応すればいいですか?
2026年7月時点で、Comet専用の技術要件は公式に案内されていません。まずは既存のSEO基盤(クロール可能性・構造化データ・わかりやすいフォーム設計)を整えることが土台になると考えられます。今日から着手するなら、購入・予約フローの点検事例をまとめた『ECのAIO事例|エージェントコマース最前線と再現のポイント』を参考にしてください。
Q. Cometはどの端末で使えますか?
公式サイトによると、Mac・Windows・iOS・Androidに対応しています。ただし2025年10月の全世界公開時点ではMac・Windowsのデスクトップ版のみで、モバイル対応はその後Android・iOSの順に順次追加されました。
07この分野を体系的に学ぶ
この記事はニュース解説です。Cometのようなエージェント型AIブラウザと検索の仕組みを基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「未来編: エージェント検索とAIブラウザ(VII-A)」をご覧ください。