「AI Overviews表示でCTRが61%減る」。この数字を、どこかで目にした方も多いのではないでしょうか。

SNSや記事で繰り返し引用されるうちに、出どころがあいまいなまま独り歩きしている数字があります。この「61%」も、その一つです。本当に正しいのか、そしてどんな条件で成立するのか。

この記事は、「61%」という数字を見かけたけれど、そのまま社内で使っていいのか迷っている方に向けて書きました。WEBMARKSは複数の一次情報を原典まで遡り、数字の出どころと前提条件を検証しました。結論だけでなく、「どこまでが確かで、どこからが確認中か」も分けて書いています。

こんなふうに調べていませんか

  • 「AI Overviews CTR 減少」で検索して、「61%」という数字の根拠を確かめたい
  • 社内資料に「CTRが61%減る」と書きたいが、出典を聞かれたときに答えられるか不安

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • 「61%」という数字の出どころと前提条件を、人に説明できるようになります
  • Ahrefs・Seer Interactive・Pew、3つの調査の結果の違いが図で分かります
  • 自社の数字を確認するときに、明日から実践できることが3つに絞れます

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • 「61%」という数字は実在します。ただし出典はAhrefsではなく、米国のマーケティング会社Seer Interactiveです。
  • 同社の異なる2つのレポートに、定義の異なる「61%」がそれぞれ登場します。Ahrefs調査は34.5〜58%減、Pew Research Centerの調査は約47%減と、調査によって数字は分かれます。
  • 「AI Overviews表示でクリックが減る」という方向性は、複数の独立した調査で一致しています。しかし「61%」を唯一の正解として引用するのは不正確です。
CTR「61%減」の出典は、実はAhrefsではない5つの調査を突き合わせて検証しましたCTR「61%減」の出典は、実はAhrefsではない1つめ「61%」は実在するがAhrefsの数字ではない出典はSeer Interactive2つめ調査によって34.5〜61%と結果が分かれる対象規模・期間・指標の定義が違う3つめ引用の有無でCTRは2.2倍変わる「表示」より「引用」が効く鈴木さん5つの調査を突き合わせて検証しました
CTR「61%減」の出典は、実はAhrefsではない — 5つの調査を突き合わせて検証しました

この記事では、ある会社のマーケティング部の3人と、専門家の会話をはさみながら進めます。

  • 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって本当ですか?」を聞く役
  • 高梨課長(マーケ課長)— 「結局、どの数字を信じればいいんですか?」を聞く役
  • 大森部長(マーケ部長)— 「それを経営判断に使っていいのか?」を聞く役
  • 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役

01AI検索対策の「61%」という数字は、本当に存在するんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

あの、そもそもなんですが……「CTRが61%減る」ってよく見かける数字、あれって本当にどこかの調査の数字なんですか?

鈴木さん
鈴木さんの発言

はい、数字自体は実在します。ただ、出どころについては誤解が広まっています。

結論から言うと、「61%」という数字は実在します。ただし出典はAhrefsではなく、米国のマーケティング会社Seer Interactiveです。しかも同社の異なる2つのレポートに、定義の異なる「61%」がそれぞれ登場します。

「CTR61%減」という数字はSeer Interactiveの調査に由来し、Ahrefsの調査結果ではありません。

Ahrefs調査では34.5〜58%、米国の調査機関Pew Research Centerの調査では約47%の減少が報告されています。「AI Overviews表示でクリックが減る」という方向性は、複数の独立した調査で一致しています。しかし「61%」という数値を唯一の正解として引用するのは不正確です。

この章のまとめ

「61%」はSeer Interactiveの調査に由来する、実在する数字です。ただし同じ会社の2つのレポートに、定義の異なる「61%」がそれぞれ登場します。

02AI検索対策として、AI OverviewsのCTR減少はどう検証したんですか?

今回の検証は、「CTR61%減」の出どころ調査と、比較のための関連調査(Ahrefs・Seer Interactive・Pew Research Center)を対象にしました。各調査の対象期間は2023年12月〜2026年2月、公表時期は2025年4月〜2026年4月です。「61%」という数字の初出をWebSearchで特定し、各調査機関の公式ページへ直接アクセスして、対象規模・期間・指標の定義を横並びで比較しました(検証の実施は2026年7月)。

「CTR61%減」に関わる5つの調査公表時期順に並べると、こう見えます「CTR61%減」に関わる5つの調査公表時期順に並べると、こう見えます2025年4月Ahrefs(初版)KW30万件・順位1位のCTRが34.5%減2025年7月Pew ResearchCenter米国成人900人の実利用データで約47%減2025年9月Seer Interactive(v2)42組織・3,119クエリで61%減(1.76%→0.61%)2026年2月Ahrefs(更新版)同KW30万件で58%減2026年4月Seer Interactive(v3)53ブランド・547万クエリで61%減(Q3→Q4)
「CTR61%減」に関わる5つの調査 — 公表時期順に並べると、こう見えます

この章のまとめ

検証は、Ahrefs・Seer Interactive・Pew Research Centerの調査を対象に、各機関の公式ページで対象規模・期間・指標の定義を横並びで比較しました。

03「61%」は、AI検索のCTR減少を示すどの調査の数字なんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

実在するのは分かりました。それで、結局どの調査の、何%を信じればいいんでしょうか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこは、表にして横並びで見ていただくのが早いです。5つの調査、それぞれ前提が違うんですよ。

検証の結果、「CTR61%減」に該当する報道・調査は主に5件確認できました。対象規模・期間・指標の定義が調査ごとに異なるため、単純な横並び比較はできません。まず全体像を表で整理します。

調査主体公表時期対象規模対象期間指標結果
Ahrefs(初版)2025年4月KW30万件(AIO有無各15万)2024年3月時点順位1位のオーガニックCTR34.5%減
Ahrefs(更新版)2026年2月同上のKW30万件2023年12月→2025年12月順位1位のオーガニックCTR58%減
Seer Interactive(v2)2025年9月更新版42組織・3,119クエリ2024年6月→2025年9月AIO表示クエリの平均オーガニックCTR61%減(1.76%→0.61%)
Seer Interactive(v3)2026年4月53ブランド・547万クエリ2025年Q3→Q4ブランド引用時のオーガニックCTR61%減(Q3→Q4四半期比※)
Pew Research Center2025年7月米国成人900人の実利用データ2025年3月AI要約の表示有無別クリック率8%対15%(約47%減)
5つの調査が報告したCTR減少率同じ「61%」でも、指す対象が違います5つの調査が報告したCTR減少率同じ「61%」でも、指す対象が違いますAhrefs(初版・順位1位のCTR)34.5%Ahrefs(更新版・順位1位のCTR)58%Seer Interactive(v2・表示クエリ平均)61%Seer Interactive(v3・引用時の四半期比)61%※Pew Research Center(実利用データ)約47%各調査は対象規模・期間・指標の定義が異なるため、単純な横並び比較はできません。v3の「61%」は四半期比の集計値で、原典該当箇所は確認中(要確認)。
5つの調査が報告したCTR減少率 — 同じ「61%」でも、指す対象が違います

表のとおり、「61%」はSeer Interactiveの2つのレポートにそれぞれ独立して登場します。ただし指標の定義は異なります。v2は「AIO表示クエリ全体」の15か月間の推移を指しています。v3は「ブランドが引用された場合」に限定した四半期比の推移です。月次では9月2.52%→10月1.21%→11月0.76%という推移を同社が公表しており、この期間の下落幅と整合します(※四半期比61%という集計値そのものの原典該当箇所は確認中のため要確認)。同じ会社の同じ「61%」でも、比較している対象が違うのです。

04AhrefsとSeerで、AI検索のCTR減少率はなぜ違うんですか?

Ahrefsの数字が「61%」と混同されやすい理由は、テーマと規模感が近いためと考えられます。しかしAhrefsの手法は、順位1位のCTRのみが対象です。Seer Interactiveは、複数順位を含む平均CTRを対象としています。この違いが34.5〜58%という開きにつながっている可能性があります(※両社の手法差とCTR差の因果関係は未検証・要確認)。

この章のまとめ

5つの調査は、対象規模・期間・指標の定義がそれぞれ違います。「61%」という同じ数字でも、Seer Interactiveの2つのレポートで指しているものが異なります。

05引用されるかどうかで、AI検索のCTRは変わるんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

減少率の話は分かりました。ただ、「表示されるかどうか」と「引用されるかどうか」って、違う話なんですか?

鈴木さん
鈴木さんの発言

とても大事な質問です。実は、引用の有無で結果がかなり変わることを示したデータがあるんですよ。

Seer Interactive v3は、AI Overviewsに「引用されたかどうか」でCTRが大きく変わることも示しています。

  • AIO非表示のクエリ: 100万インプレッションあたり約33,500クリック
  • AIO表示・自社が引用: 同約20,743クリック(非表示時より38%少ない)
  • AIO表示・自社は非引用: 同約9,445クリック(引用時より120%少ない)
引用の有無で、クリック数はこれだけ変わります100万インプレッションあたりのクリック数(Seer Interactive v3)引用の有無で、クリック数はこれだけ変わります100万インプレッションあたりのクリック数(Seer Interactive v3)AIO非表示約33,500件AIO表示・自社が引用約20,743件AIO表示・自社は非引用約9,445件引用されたページは、されなかったページの2.2倍のクリックを獲得。ただし非表示時と比べると、引用されてもなお38%少ない状態です。
引用の有無で、クリック数はこれだけ変わります — 100万インプレッションあたりのクリック数(Seer Interactive v3)

引用されたページは、引用されなかったページの2.2倍のクリックを獲得しています。 ただし引用されても、AI Overviews自体が表示されない場合と比べると、なお38%少ない状態です。

この章のまとめ

引用されたページは、されなかったページの2.2倍のクリックを獲得しています。ただし引用されても、AI Overviews非表示時と比べると、なお38%少ない状態です。

06AI OverviewsのCTR減少は、AI検索で今後も同じペースで続くんですか?

大森部長
大森部長の発言

鈴木さん、ここまでの数字は理解した。ただ、この傾向は今後も一方的に悪化し続けると考えていいのか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

いえ、そこは正直申し上げると一方向とは限りません。回復を示すデータも報告されています。

Seer Interactive v3は、CTRの回復も報告しています。2025年12月には14か月ぶりの低水準(1.3%)まで落ち込みました。その後2026年2月には2.4%まで回復しています。

谷を挟んだ推移谷を挟んだ推移2025年12月急落1.3%2026年2月持ち直し2.4%
谷を挟んだ推移

減少が一方向に続くとは限らない点を踏まえておく必要があります。回復の詳細は、別記事『AI Overviews CTR「1.3%→2.4%」回復報道を検証』で扱います。

この章のまとめ

CTRの減少は一方向ではありません。2025年12月の落ち込みから、2026年2月には回復も報告されています。

07GoogleはAI検索のCTR減少調査に、どう反論しているんですか?

Googleは、こうした第三者調査に反論しています。Pew Research Centerの調査に対し、Google広報が調査手法の偏りを指摘したと複数の報道で伝えられています(※Google自身の一次声明URLは確認できていないため要確認)。報道によれば、Googleは日次で数十億件のクリックを送客しており、大幅な減少は確認していないと主張しています。ただし、この主張を裏付ける詳細データは公開されていません。

この章のまとめ

Googleは第三者調査に反論していますが、その主張を裏付ける詳細データは公開されていません。WEBMARKSは、Google自身が発信した一次情報のURLを確認できていません。

08この検証、AI検索対策の判断にどこまで使っていいんですか?

大森部長
大森部長の発言

正直に聞きたい。この検証結果を、うちの社内資料や経営判断にそのまま使っていいものだろうか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

そこは、この記事の限界も含めて、正直にお伝えします

本記事は、WEBMARKS独自のクリックデータを収集したものではありません。既に公表された複数の一次情報を比較する検証です。各調査機関の生データや計算過程を、独自に再現できたわけではありません。

また調査主体のAhrefs・Seer Interactiveは、SEO関連ツールやコンサルティングを提供する企業です。「AI Overviewsの影響が大きい」という結果は、自社サービスの必要性を裏付けやすい方向に働きます。この点は留保として押さえておくべきです。Seer Interactiveは、v3レポート内で「相関関係であり因果関係ではない」という限界を自ら明記しています。「ブランド引用の増減がGoogle側の変化か自社の施策成果か、区別できない」とも記載されています。

この検証の限界を、正直に書いておきます信じていい部分と、留保が必要な部分を分けますこの検証の限界を、正直に書いておきます信じていい部分と、留保が必要な部分を分けますWEBMARKS独自のクリックデータで検証したものではない公表済みの複数の一次情報を比較した検証です調査主体はSEO関連企業であり、結果が自社サービスの必要性を裏付けやすい方向に働く留保として押さえておくべき点ですSeer Interactive自身が「相関関係であり因果関係ではない」と明記しているブランド引用の増減とGoogle側の変化を区別できないとも記載複数の独立した調査で、クリックが減るという方向性は一致しているサイト集計と個人の閲覧ログ、両方で確認されています
この検証の限界を、正直に書いておきます — 信じていい部分と、留保が必要な部分を分けます

複数調査を比較すると、「AI Overviewsの表示でクリックが減る」という方向性は共通しています。根拠は2種類あります。サイト集計(Ahrefs・Seer Interactive)と、個人の閲覧ログ(Pew Research Center)です。両方で、クリックは同様に減っています。この傾向は、手法の異なる調査間でも一致していると考えられます。

この章のまとめ

この記事はWEBMARKS独自のデータではなく、既存の一次情報を比較した検証です。調査主体の立場や、相関と因果の違いを踏まえたうえで読む必要があります。ただし複数の独立した調査で、方向性そのものは一致しています。

09AI OverviewsのCTR減少に、明日からどんなAI検索対策をすればいいですか?

高梨課長
高梨課長の発言

ここまでの話を、うちの実務にどう落とし込めばいいでしょうか。明日から何をすればいいですか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

3つに絞ってお伝えしますね。特別な準備は要りません。

マーケティング担当者の方が明日から実践できることは3点です。

明日からの姿勢特別な準備なしで明日からの姿勢特別な準備なしで1つの数字だけを鵜呑みにしない自社の実測値で確認する表示より引用の有無を見る
明日からの姿勢 — 特別な準備なしで

明日からの3つ

  1. 「61%」だけを単独で引用しない

    出典・対象期間・指標の定義をセットで確認します

  2. 自社のCTRは自社のデータで確認する

    Search Consoleの生成AIパフォーマンスレポート等を使い、他社調査の数字をそのまま自社に当てはめないことが重要です

  3. 「表示されるか」より「引用されるか」を重視する

    引用の有無で、CTRに大きな差が生まれています

この3つは、AI検索最適化(海外ではLLMOとも呼ばれます)に取り組むときの土台にもなります。いずれの調査も一定期間のスナップショットです。数値は今後更新される可能性がある点を踏まえ、定点観測を続けることをおすすめします。

この章のまとめ

61%を単独で引用しない、自社データで確認する、引用されるかを重視する。この3つが、明日からできる実務対応です。

10よくある質問

「AI OverviewsでCTRが61%減る」というのは、本当ですか?

「61%」という数字自体は実在します。ただし出典はAhrefsではなく、米国のマーケティング会社Seer Interactiveです。同社の2つのレポートに、定義の異なる「61%」がそれぞれ登場するため、出典と定義をセットで確認する必要があります。

「61%」以外に、どんな数字が報告されているんですか?

Ahrefs調査では34.5%〜58%、Pew Research Centerの調査では約47%の減少が報告されています。対象規模・期間・指標の定義が調査ごとに異なるため、単純な横並び比較はできません。

AI Overviewsに引用されると、クリックは増えるんですか?

Seer Interactive v3のデータでは、引用されたページは引用されなかったページの2.2倍のクリックを獲得しています。ただし引用されても、AI Overviews自体が表示されない場合と比べると、なお38%少ない状態です。

この検証結果は、そのまま社内資料に使ってもいいですか?

本記事はWEBMARKS独自のクリックデータではなく、公表済みの複数の一次情報を比較した検証です。調査主体はSEO関連企業であり、結果の解釈には留保が必要です。使う場合は、出典・対象期間・指標の定義をセットで明記することをおすすめします。

11まとめ|「61%」を引用する前に確認する3つ

「AI Overviews表示でCTRが61%減る」という数字は実在します。ただし出典はAhrefsではなく、Seer Interactiveの2つのレポートに、定義の異なる「61%」がそれぞれ登場しています。Ahrefs調査は34.5〜58%減、Pew Research Centerの調査は約47%減と、調査によって数字は分かれます。

「AI Overviews表示でクリックが減る」という方向性は、複数の独立した調査で一致しています。一方で、引用の有無によってCTRが大きく変わることも分かっています。数字を扱うときは、次の3つを確認してください。

もう一度、明日からの3つ

  1. 「61%」だけを単独で引用しない

    出典・対象期間・指標の定義をセットで確認します

  2. 自社のCTRは自社のデータで確認する

    他社調査の数字をそのまま自社に当てはめません

  3. 「表示されるか」より「引用されるか」を重視する

    引用の有無で、CTRに大きな差が生まれています

AI検索では、こう聞かれています

  • 「AI OverviewsでCTRが61%減る」って、本当ですか?

    「AI検索対策の『61%』という数字は、本当に存在するんですか?」の章で、出典まで遡って説明しています

  • 61%という数字は、どの調査の数字なんですか?

    「『61%』は、AI検索のCTR減少を示すどの調査の数字なんですか?」に、5つの調査の比較表があります

  • AI Overviewsに引用されると、クリックは増えるんですか?

    「引用されるかどうかで、AI検索のCTRは変わるんですか?」で、2.2倍という数字を示しています

次に読むなら、この記事です