競合ページのHTMLソースを開いても、どのschemaが実装されているかをコードから正確に読み取るのは簡単ではありません。目視でのタグ探しは見落としが生じやすく、自社との実装差分の把握にも時間がかかります。競合ページのHTMLソースを渡すと、実装済みschemaの種類と自社にない項目が表になって出てきます。
01この記事でわかること
- 競合ページのHTMLソースをAIに渡し、実装済みのschemaの種類を判定させるプロンプト
- 入力する情報(競合ページのHTMLソース・自社の実装状況)と、得られる出力(実装済schema一覧と自社との差分)
- 判定結果を、自社の構造化データ実装の優先順位付けにどうつなげるか
02結論サマリー
競合ページのHTMLソースをコピーして渡すだけで、そのページに実装されているschema.orgの型を一覧化できます。自社の実装状況もあわせて伝えれば、競合にあって自社にない型という差分まで一度に把握できます。
ただし実装の有無を確認できても、それがAI引用の増減に直結するとは限りません。属性豊富なスキーマの正の効果は証明されていないとする報告もあります(『Schema markupとAI引用の相関|SSRN論文検証』参照)。同検証では、必須プロパティだけの汎用的な実装は、未実装の場合より引用率が低かったという結果も報告されています。この点検はあくまで実装状況の可視化にとどめてください。
使用AIツール: Claude(競合ページの「ページのソースを表示」機能でHTMLをコピーし、そのままチャットに貼り付けます。ファイルアップロード・Web検索は不要です。2026年7月時点の一般的な提供状況にもとづきます。無料プランでも同じ手順で動作します)
引用されやすい定義文schemaが実装されているかどうかと、その実装が引用条件を満たしているかどうかは別の問いです。
03課題の整理(なぜ難しいか)
競合ページのHTMLソースは数百〜数千行に及ぶことも珍しくなく、目視でのschemaタグ探しには見落としや誤読が起きやすい理由があります。
- JSON-LDはスクリプトタグ内にまとめて書かれ、他のスクリプトと見分けにくい
- 複数のschemaが入れ子・並列で実装されていると、型ごとの範囲を目視で切り分けにくい
- price・availabilityはoffers経由のOffer型に属するが、Product直下のプロパティと誤認しやすい(出典: schema.org公式)
- 自社の実装状況と比較しようとすると、2つのHTMLソースを行き来する手間が生じる
判定基準とプロパティの帰属を毎回AIに揃えさせておけば、目視の誤認や比較の手間を減らせます。
04プロンプト本体
競合ページのHTMLソースを取得できた段階で、実装済みのschemaを一覧化し、自社との差分を把握したい場面で使います。
あなたは構造化データの実装状況を判定するテクニカルSEO/AIOアナリスト
です。以下のHTMLソースを読み、指示に従ってschemaの実装状況を判定
してください。
■入力データ
競合ページのURL(任意): 【競合ページURL】
競合ページのHTMLソース: 【競合ページのHTMLソース】
自社の実装状況: 【自社の実装状況】
■判定手順
1. 【競合ページのHTMLソース】内のJSON-LD部分を探し、記述されている
schema.orgの@typeをすべて列挙する。
2. @typeごとに、実装されている主要プロパティ(例: Product型ならsku・
review)を確認する。price・availabilityはProduct型直下ではなく、
offersプロパティ経由のOffer型に属する点に注意すること。
3. 【自社の実装状況】と照らし合わせ、競合にあって自社にない型、
競合にも自社にもある型を分類する。
4. 推測でschemaの種類を判定せず、HTMLソースに実際に記述されている
@typeのみを対象にすること。
■出力形式
以下の表形式で出力してください。
| schemaの型(@type) | 競合での実装 | 自社での実装 | 差分の分類(競合のみ/両方/自社のみ) |
表の後に、競合にあって自社にない型の数を1行でまとめること。
■制約
- HTMLソースに実際に記述されていないschemaの型を、推測で追加しない
こと。
- JSON-LDの構文エラー(カンマ抜け等)に気づいた場合は、判定結果とは
別に1行で指摘すること。
- price・availabilityの帰属先(Product直下かOffer経由か)を誤って
記載しないこと。
使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【競合ページURL】 | 分析対象の競合ページのURL(任意項目) | https://example.com/product/sample(架空例) |
| 【競合ページのHTMLソース】 | 競合ページの「ページのソースを表示」で取得したHTML全文 | (HTMLソースをそのまま貼り付け) |
| 【自社の実装状況】 | 自社が実装済みのschemaの型を箇条書きで列挙したもの | Organization型・Article型を実装済み、Product型は未実装(架空例) |
※URL・実装状況の入力例はいずれも架空のものです。特定の企業・サイトを指すものではありません。
05出力の見方と分析の観点
- 競合にあって自社にない型: 実装コストと影響度を踏まえ、着手順の優先順位づけに使います
- JSON-LDの構文エラーの指摘: 判定結果とは別枠の指摘です。競合の実装が正しく機能していない可能性を示唆します
- プロパティの帰属: price・availabilityがOffer型経由で記述されているかを確認します。Product直下に誤って書かれた実装は、仕様から外れている可能性があります
実装の有無を確認したあとは、公式のRich Results TestとSchema Markup Validatorで検証します。使い分けは別記事『構造化データのテスト・検証ツールの使い方|旧ツールとの違いも解説』で解説しています。
schema実装とAI引用率の間に、単純な正の相関は確認されていません(『Schema markupとAI引用の相関|SSRN論文検証』参照)。offers経由のプロパティ設計の実例は、別記事『EC事業者のPerplexity対策|商品ページ引用の条件整理』も参考になります。
06応用パターン
応用1: 複数の競合ページをまとめて比較する
複数の競合ページのHTMLソースを見出し付きで連結し、【競合ページのHTMLソース】に入力してください。■出力形式に「競合ごとに列を分けて出力してください」と1行加えると、複数社を横並びで比較できます。
応用2: 特定の型だけを深掘りする
「Product型に絞り、実装プロパティを全て列挙してください」のように対象を絞ると、1つの型の実装の丁寧さまで比較できます。
応用3: HTMLソースが長すぎて貼り付けられない場合
HTMLソースが長すぎて貼り付けられない場合は、<script type="application/ld+json">のブロックだけを抜粋して貼り付ければ、JSON-LD形式の実装分は判定できます。
07注意点
HTMLソースは競合サイトの更新のたびに変わるため、この判定結果は取得した時点のスナップショットです。
- AIによるJSON-LDの読み取りには誤りが含まれる場合があります。複雑な入れ子構造は、実際のHTMLソースと照らし合わせて確認してください
- 判定できるのは、貼り付けた生のHTMLソースに書かれている範囲だけです。JavaScriptで後から動的に追加されるJSON-LDは、判定から漏れる場合があります
- 自社の非公開の実装計画など機密性の高い情報を含める場合は、AIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認してください
- HTMLソースの大量収集や出力結果の社外転用は、対象サイトとAIサービス双方の利用規約の範囲内で行ってください
- 同じHTMLソースでも、実行のたびに列挙されるプロパティの粒度が変わることがあります。重要な判断の前には複数回実行し、結果の安定性を確認することをおすすめします
08FAQ
Q. 取得したHTMLソースが長すぎて、AIが最後まで読み込めているか不安です。どう確認すればいいですか?
出力された表の型の数と、目視で確認した@typeの出現数を照らし合わせてください。判定対象外の範囲があれば明記するよう■制約に1行追記することをおすすめします。
Q. 自社の実装状況を入力しなくても使えますか?
使えます。【自社の実装状況】を空欄にすれば、競合ページのschema一覧化のみを実行できます。ただし差分の分類は出力されないため、比較が目的なら入力することをおすすめします。
Q. 判定結果に出てきたschemaの型は、そのまま自社に実装すべきですか?
そうとは限りません。自社ページが型に見合う実データ(価格・在庫・レビュー等)を持っているかを、型ごとに個別に判断してください。空のプロパティだけの実装に、引用率を押し上げる効果は証明されていません。
09この分野を体系的に学ぶ
この記事は実践プロンプト記事です。構造化データの実装を基礎から体系的に学びたい方は、AI検索最適化講座「テクニカル編: 構造化データ実装(III-B)」をご覧ください。