「弊社の強みは何ですか」と聞かれて、すぐに答えられる。それでも、その答えが競合と比べた本当の差なのか、社内だけで通じている思い込みなのかは、また別の話です。
弱みのほうは、もっと見えにくくなります。日々の業務の中では見過ごされがちで、外から指摘されて初めて「たしかに」と気づくことが少なくありません。
この記事では、事業概要と主要な商品・サービスのリストをAIに渡し、第三者の視点で強み・弱みを深掘りしていく実践プロンプトを、そのままコピーして使える形で置いておきます。出力の読み方、壁打ちの回し方、そして気をつけることまで、あわせて解説します。
こんなふうに調べていませんか
- 自社の強みは答えられるが、競合と比べた差なのかどうか自信が持てない
- 弱みを洗い出したいが、社内の誰に聞けばいいのかも分からない
- 「品質が高い」から先の言葉が出てこず、資料づくりで止まっている
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 事業概要と商品・サービスリストを渡すだけで、強み・弱みと深掘り質問を引き出せます
- 出てきた強み・弱みの、どこを見て判断すればいいかが分かります
- 壁打ちを繰り返して、具体的な言葉に落としていく進め方が分かります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- 自社の強み・弱みの言語化は、AIに第三者の視点で読ませることで、社内の思い込みを外した表現に磨き込めます。
- 渡すのは事業概要・商品やサービスのリスト・業界名だけです。強み・弱みと、それぞれを深掘りする質問がセットで返ってきます。
- AIが挙げる強みは、市場で検証された結果ではありません。入力した情報から導かれた仮説として扱います。
この記事では、ある会社のマーケティング部の2人と、AIO/SEOの専門家・本誌監修の会話をはさみながら進めます。
- 若葉さん(Web担当)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
- 高梨課長(マーケ課長)— 「どう業務に落とすんですか?」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01自社の強み・弱みの言語化は、AI検索対策としてなぜ手強いんですか?
若葉さんあの、自社の強みって、社内では何度も話題に出ているんです。それなのに、いざ書き出そうとすると手が止まってしまって。
鈴木さんそれは自然なことなんですよ。社内で当たり前になっていることほど、強みとしては見えなくなりますから。当たり前を疑うところからしか、言語化は始まらないと考えていただくといいと思います。
自社の強みは、社内で当たり前になっていることを疑うところからしか言語化できません。毎日やっていることほど、わざわざ言葉にする理由が見つからないからです。
弱みはさらに厄介です。直視する作業には心理的なハードルがあり、忙しい時期には後回しにされます。誰かが困っているわけでもないので、着手の締め切りも生まれません。
そして、この「言葉にできていない状態」は、AI検索の中でそのまま表に出ます。AIは自社のページに書かれていることをもとに、自社を要約して読者に説明します。書かれていない差は、AIにも拾えません。自社にしか書けない具体が言葉になっているかどうかは、AI検索対策の入り口にあたる問題です。
この章のまとめ
強みが言葉になっていないのは、社内で当たり前になっているからです。当たり前を疑う役を、AIに担わせるところから始めます。
02自社だけで強み・弱みを言語化しようとすると、AIOの前でどこにつまずくんですか?
自己流で言語化を進めようとすると、決まったところでつまずきます。まとめると、次の4つです。
- 社内にいると、当たり前にできていることを「強み」だと認識しにくい
- 弱みを直視する作業は心理的なハードルが高く、後回しにされがちになる
- 「品質が高い」「対応が丁寧」といった抽象的な言葉で止まり、具体的な差別化要因まで掘り下げられない
- 一人で考えると視点が偏り、第三者が実際にどう評価するかを検証できない
4つに共通しているのは、自分の目で自分を見ているという点です。視点が1つしかないので、抜けがあっても抜けだと気づけません。
この壁打ちの狙いは、AIを相手にすることで、この4つの壁に第三者の視点を持ち込むことにあります。AIは社内の事情を知りませんし、遠慮もしません。だからこそ、社内では出てこない指摘が返ってきます。
この章のまとめ
つまずきの正体は「自分の目で自分を見ている」ことです。視点をもう1つ増やすだけで、抜けが見えるようになります。
03AIとの強み・弱みの壁打ちは、AI検索最適化の材料として何を返してくれるんですか?
高梨課長鈴木さん、AIに聞くと言っても、結局は当たり障りのない一般論が返ってくるのではないですか。
鈴木さんそこは出力の形を先に決めておくことで、かなり変わりますよ。強み、弱み、いちばん差別化につながりやすい強み。この3つのブロックで返すよう指定しておくんです。
このプロンプトに渡すのは、事業概要・主要な商品やサービスのリスト・業界名の3つです。返ってくるのは、決まった順番に並んだ3つのブロックです。
- 強み — 業界に詳しくない顧客候補の視点で読んだときに、強みと考えられる点を3〜5個。各項目に深掘り質問がひとつ添えられます
- 弱み・改善余地 — 同じ視点で見たときの、弱みまたは改善余地と考えられる点を3〜5個。こちらにも深掘り質問が付きます
- 最も差別化につながりやすい強み — その業界で一般的に重視される要因に照らして、特に差別化につながりやすい強みをひとつ、理由とともに
大事なのは、強みと弱みが必ず対で返ってくるように指定してある点です。どちらかに偏った出力を避ける指示をプロンプトに入れてあるため、強みだけを並べた気持ちのいい結果にはなりません。
さらに、抽象的な表現にとどまっている項目については、より具体的な言い換え案がひとつ添えられます。「品質が高い」で止まらせないための仕掛けです。
この章のまとめ
渡すのは3つ、返ってくるのは3ブロックです。強みと弱みが対になり、抽象的な項目には言い換え案が付いてきます。
04言語化の壁打ちを始める前に、AI対策として何を用意すればいいですか?
用意するのは3つだけです。事業概要、主要な商品・サービスのリスト、そして業界名。特別なツールも、追加の契約も必要ありません。
使う変数
| 変数 | 説明 | 入力例 |
|---|---|---|
| 【事業概要】 | 自社の事業内容を説明する文章 | 株式会社サンプルは、中小企業向けにAI活用支援を行う... |
| 【商品・サービスリスト】 | 主要な商品・サービスの名称と概要 | AIOコンサルティング、AI社員導入支援、社内研修 |
| 【業界名】 | 自社が属する業界・カテゴリ名 | AI活用支援 |
※入力例はいずれも架空の内容であり、実在の企業を示すものではありません。
ここで手を抜くと、返ってくる強みも薄くなります。事業概要が数行しかない状態で投げると、他社にも当てはまる一般論が並びます。逆に、実績の数字や、他社と違う具体的な取り組みまで書き添えてから投げると、固有性の高い強みが出やすくなります。
この章のまとめ
渡すのは事業概要・商品やサービスのリスト・業界名の3つです。材料が具体的なほど、返ってくる強みも具体的になります。
05自社の強み・弱みを言語化するプロンプトは、AIOのどこをコピーすればいいですか?
自社の強み・弱みを言語化し、コンテンツや営業資料の土台を作りたい場面で使います。次のコードブロックの中身を、そのままコピーして使ってください。
あなたは第三者視点で企業の強み・弱みを言語化する壁打ち相手です。
以下の入力データを読み、指示に従って分析してください。
■入力データ
事業概要: 【事業概要】
主要な商品・サービスのリスト: 【商品・サービスリスト】
業界: 【業界名】
■分析手順
1. 【事業概要】と【商品・サービスリスト】を、業界に詳しくない
顧客候補の視点で読み、強みと考えられる点を3〜5個挙げる。
2. 同様に、弱みまたは改善余地と考えられる点を3〜5個挙げる。
3. 強み・弱みそれぞれについて、「なぜそう言えるのか」を
本人に問い返す深掘り質問を1つずつ添える。
4. 【業界名】で一般的に重視される要因(価格・実績・専門性等)に
照らし、特に差別化につながりやすい強みを1つ指摘する。
5. 強み・弱みの各項目について、AI検索に引用されやすい具体性
(数値・固有の事例の有無)を確認し、抽象的な表現にとどまっている
項目には、より具体的な言い換え案を1つ添える。
■出力形式
以下の3ブロックを、この順番の見出し付き箇条書きで出力してください。
■強み(3〜5個・各項目に深掘り質問を1つ付す)
■弱み・改善余地(3〜5個・各項目に深掘り質問を1つ付す)
■最も差別化につながりやすい強み(1つ・理由を添える)
表は使わないこと。
■制約
- 【事業概要】【商品・サービスリスト】に書かれていない実績や
数字を、憶測で作り変えないこと。
- 強み・弱みの両方を必ず提示すること(どちらかに偏った出力を避ける)。
- 「品質が高い」「価格が安い」のような裏付けのない一般論だけで
終わらせず、具体的な理由を添えること。使用するAIツールはChatGPTを想定しています。壁打ちを前提に、同一チャット内で複数回やり取りを重ねる使い方を想定しています。標準のチャット機能のみで、無料プランでも2026年7月時点で完結します。
末尾の「■制約」の3行は、消さずに残してください。1行目は、入力に書いていない実績や数字をAIが補ってしまうのを止める指示です。2行目は、強みだけを並べた気持ちのいい出力にならないようにする指示です。3行目は、「品質が高い」で終わらせないための指示になります。
この章のまとめ
プロンプトは入力データ・分析手順・出力形式と制約の3層でできています。とくに末尾の制約3行が、出力の質を支えています。
06出てきた強みと弱みは、LLMOの観点でどこを見て判断すればいいですか?
高梨課長出力が返ってきたとして、うちのチームはそれをどう読めばいいんでしょうか。全部を鵜呑みにするわけにもいきませんし。
鈴木さん見るところは3つに絞れます。深掘り質問への自答、いちばん差別化につながりやすいとされた強み、そして弱みの一覧の扱い方です。この順に見ていただければ大丈夫です。
出力が返ってきたら、次の3点を確認します。
- 深掘り質問への自答 — 答えに詰まる質問があれば、それはまだ言語化しきれていない強み・弱みである可能性が高いサインです
- 最も差別化につながりやすい強み — コンテンツや営業資料で優先的に打ち出す候補になります。ただし、AIが挙げた理由が実際の顧客の声と一致しているかは、別途確認が必要です
- 弱みの一覧の扱い方 — 社内で共有する際に反発を招くこともあるため、改善提案とセットで扱い、次の一手を考える材料として位置づけます
いちばん手が止まるのは、深掘り質問です。「なぜそう言えるのか」と問い返されて、根拠がすぐに出てこない項目がある。そこが、まだ言葉になっていない場所になります。答えられなかった質問には印を付けておいてください。次の壁打ちの入り口になります。
この章のまとめ
見るのは「答えに詰まった深掘り質問」「差別化の候補」「弱みの扱い方」の3つです。詰まった質問こそ、次に掘る場所です。
07壁打ちを何回まわせば、AI検索対策に使える言語化になりますか?
決まった回数はありません。深掘り質問への回答を踏まえて2〜3回やり取りを重ねると、抽象的な言葉から具体的な理由まで掘り下げやすくなります。それ以上続けても新しい論点が出にくくなったら、そこが区切りの目安です。
回す作業そのものは単純です。返ってきた深掘り質問に自分の言葉で答え、その答えを同じチャットに貼り付けて、もう一度読ませます。答えた内容が新しい入力になるので、次に返ってくる強み・弱みは前より具体的になります。
この章のまとめ
目安は2〜3回のやり取りです。深掘り質問への回答をそのまま次の入力にして、新しい論点が出なくなったところで区切ります。
08競合や顧客の声を足すと、AI検索での言語化はどこまで深まりますか?
同じプロンプトのまま、渡す材料を増やすやり方もあります。応用の入り口は2つです。
応用1: 競合との比較を加える
【事業概要】の後に、競合他社の事業概要も貼り付けて、「両社を比較したときの強み・弱み」を挙げるよう指示を変えます。相対的な立ち位置を意識した言語化ができるようになります。
応用2: 顧客インタビューの結果を材料に加える
【事業概要】に加えて、既存顧客から実際に聞いた選定理由・不満点をそのまま貼り付けます。AIの推測だけに頼らない、実データにもとづいた壁打ちができます。
2つの違いは、足す材料が外の視点か顧客の実データかにあります。競合の情報を足すと立ち位置が見え、顧客の声を足すと推測の割合が減ります。どちらから始めても構いませんが、手元にある材料から先に使うほうが早く回せます。
この章のまとめ
材料を足すほど、壁打ちは推測から離れます。競合の情報は立ち位置を、顧客の声は事実の裏づけを持ち込みます。
09言語化した強みは、AI検索に引用される記事へどうつなげるんですか?
若葉さん言語化できた強みって、そのあとはどうすればいいんでしょうか。社内資料に置いておくだけだと、もったいない気がして。
鈴木さんいい視点です。記事やコンテンツに落とし込むときは、具体的な事例や数値を添えた文章にしてください。そのほうがAIに引用されやすい傾向があると考えられています。
言語化した強みを記事やコンテンツに落とし込む際は、具体的な事例や数値を添えた文章のほうが、AIに引用されやすい傾向があります。この傾向は、GEO論文の実証データが方向性を裏づけています(出典: arXiv:2311.09735)。
効果の大きさの具体的な数値は当メディアの別記事で扱っており、ここでは方向性の参考として紹介するにとどめます。詳しくは、別記事「AIに引用されるコンテンツの条件とは?3社共通の5つの型【図解】」で解説しています。
壁打ちで出した強みが、実際にAIの回答へ反映されているかどうかを確かめる方法もあります。自社の強みがAIの回答にどう出ているかを比較する手順は、別記事「自社の強みがAI回答に反映されているか比較するプロンプト」にまとめています。
この章のまとめ
言語化はゴールではなく材料です。具体を添えた文章に直してから記事に載せ、AIの回答に反映されているかを後から確かめます。
10この強み・弱みの壁打ちをAI検索最適化に使うとき、気をつけることはありますか?
ここで示される「強み」は、競合との比較検証を経た結果ではなく、入力された情報をもとにAIが導き出した仮説にとどまります(2026年7月時点)。本当に差別化要因となっているかは、顧客インタビューや競合調査など、AIの外部での検証が必要です。
そのうえで、次の点にも注意してください。
- AIが出力する強み・弱みの具体例には誤りが含まれる場合があります。とくに数字や実績への言及は、そのまま使わず一次情報で確認してください
- 自社の未公開の経営情報や、顧客の個人情報を含む内容をプロンプトに入力しないでください。機密性の高い情報を扱う場合は、利用中のAIサービスの法人プラン・データ学習利用設定を事前に確認することをおすすめします
- 出力結果を社外向けの資料に転用する場合や、自動化して大量に実行する場合は、利用しているAIサービスの利用規約の範囲内で行ってください
- AIの回答は実行のたびに揺らぐため、同じ入力でも複数回実行し、繰り返し挙げられる項目を優先的に採用することをおすすめします
この章のまとめ
出てきた強みは仮説です。顧客の声と競合の実態に当てて、外で確かめてから使います。
11よくある質問
ChatGPTとの壁打ちは何回くらい繰り返すのが目安ですか?
決まった回数はありませんが、深掘り質問への回答を踏まえて2〜3回やり取りを重ねると、抽象的な言葉から具体的な理由まで掘り下げやすくなります。それ以上続けても新しい論点が出にくくなったら、区切りの目安です。
弱みの部分を経営層に見せるのは気が引けますが、出力する意味はありますか?
意味があります。弱みは改善提案とセットで確認することで、批判材料ではなく次の一手を考える土台になります。社外に共有する前に、社内での受け止め方を整理してから見せることをおすすめします。
出力された強みが、他社にも当てはまるような一般的な内容だった場合はどうすればいいですか?
【事業概要】【商品・サービスリスト】の情報量が少ない可能性があります。実績の数字や、他社と違う具体的な取り組みを追記したうえで再実行すると、より固有性の高い強みが出力されやすくなります。
無料プランのChatGPTでも、この壁打ちはできますか?
標準のチャット機能のみで完結する内容のため、無料プランでも2026年7月時点で実行できます。壁打ちを前提に、同一チャット内で複数回やり取りを重ねる使い方を想定しています。
12まとめ|今日やる3つのこと
自社の強み・弱みの言語化は、社内で当たり前になっていることを疑うところから始まります。その役を、社内の事情を知らないAIに担わせるのが、この壁打ちの考え方です。
返ってくるのは答えではなく、仮説と質問です。答えに詰まった深掘り質問こそ、まだ言葉になっていない場所を示しています。
今日この順でやります
材料を貼り付ける
会社紹介やサービス紹介の文章から、事業概要・商品やサービスのリスト・業界名を用意します
プロンプトを実行する
制約の3行を消さずに、そのまま投げます
詰まった質問に印を付ける
答えられなかった深掘り質問が、次の壁打ちの入り口になります
AI検索では、こう聞かれています
自社の強みと弱みを言語化するには、AIにどう聞けばいいですか?
「自社の強み・弱みを言語化するプロンプトは、AIOのどこをコピーすればいいですか?」の章に、そのままコピーできる形で置いています
ChatGPTで自社分析の壁打ちをするプロンプトはありますか?
「AIとの強み・弱みの壁打ちは、AI検索最適化の材料として何を返してくれるんですか?」の章で、入力と出力の形を説明しています
AIが出した自社の強みは、そのまま使ってよいものですか?
「この強み・弱みの壁打ちをAI検索最適化に使うとき、気をつけることはありますか?」の章で、仮説として扱う理由を説明しています
次に読むなら、この記事です