「渋谷 カフェ 営業時間」ではなく「渋谷でまだ開いてるカフェ、ないかな」と話しかけるように検索する。AI検索の検索窓では、こうした入力を見かけるようになりました。

Google公式は、この種のクエリを「conversational queries(会話型クエリ)」と呼んでいます。しかも新しい話ではなく、2019年の検索アルゴリズム「BERT」導入のときから、すでにこの言葉で言及されてきました。

「コンバセーショナルクエリ とは」で検索してこの記事にたどり着いた方の中には、似た言葉の「ロングテールクエリ」との違いが気になっている方も多いのではないかと思います。この記事は、コンバセーショナルクエリという言葉を今日はじめて調べた方に向けて書きました。専門用語は出てきたその場で言い換えます。図解と会話をはさみながら、最後は「見出し・FAQをどう書けばいいか」まで持っていきます。見出し・FAQの設計は、AI検索最適化LLMOとも呼ばれます)の中核的な作業のひとつです。

こんなふうに調べていませんか

  • 「コンバセーショナルクエリ とは」で検索して、意味を確認したい
  • 「ロングテールクエリ」とどう違うのか、区別がつかない

この記事を読み終えたときに手に入るもの

  • コンバセーショナルクエリの意味を、人に説明できるようになります
  • ロングテールクエリとの違いが、図1枚で分かります
  • 見出し・FAQの書き方に活かせる3つのポイントが分かります

結論30秒でわかる、この記事の結論

  • コンバセーショナルクエリとは、話し言葉に近い自然文で入力され、代名詞や省略で前の文脈に依存する検索クエリです。
  • Google公式は2019年のBERT導入時から、この種のクエリへの対応を進めてきました。特別に新しい現象ではありません。
  • 似た言葉に「ロングテールクエリ」がありますが、測っている軸が違います。 語数ではなく、言い回しと文脈依存性で決まります。
コンバセーショナルクエリは、話しかける検索です指示語と省略が増えるのが特徴コンバセーショナルクエリは、話しかける検索です1つめコンバセーショナルクエリの意味話し言葉に近い自然文+文脈依存2つめロングテールクエリとの違い語数ではなく、言い回しと文脈依存性で決まる3つめ実務で気をつける3つのポイント見出し・FAQ・指示語なしの文鈴木さん指示語と省略が増えるのが特徴
コンバセーショナルクエリは、話しかける検索です — 指示語と省略が増えるのが特徴

この記事では、ある会社のマーケティング部の2人と、専門家の会話をはさみながら進めます。

  • 若葉さん(Web担当2年目)— 「そもそも、それって何ですか?」を聞く役
  • 高梨課長(マーケ課長)— 「現場でどう扱えばいいんですか?」を聞く役
  • 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役

01コンバセーショナルクエリとは、LLMO対策でも重要と聞きますが何ですか?

若葉さん
若葉さんの発言

あの、そもそもなんですが「コンバセーショナルクエリ」ってどういう意味なんでしょうか。日本語にすると何になるのか、まずそこからよく分からなくて…。

鈴木さん
鈴木さんの発言

日本語にすると「会話型クエリ」ですね。ひとことで言うと、人に話しかけるときのような、自然な文で入力される検索のことです。

Google公式は2019年、検索アルゴリズムにBERTを導入しました。そのとき「より長く、会話的なクエリ(conversational queries)」への対応を強化したと説明しています。挙げられている例が「2019 brazil traveler to usa need a visa」という検索です。この文の「to」をうまく理解できないと、渡航者の国籍が逆転して読み取られてしまうと説明されています。

AI Modeでは、この傾向がさらに進みます。Google公式は「Ask follow-up questions on a topic(あるトピックについて、続けて質問できる)」という機能を案内しています。Googleブログも「follow-up questions(フォローアップ質問)」を、AI Modeの特徴として挙げています。

この章のまとめ

コンバセーショナルクエリは、Google公式がBERTの導入時から使っている呼び方です。AI Modeでは、同じ話題を続けて質問できる形にまで広がっています。

02コンバセーショナルクエリの「会話っぽさ」は、AI検索最適化ではどこを見るんですか?

コンバセーショナルクエリを特徴づける要素は、大きく2つに分けられます。

1つめは、自然な言い回しです。単語の羅列ではなく、助詞や前置詞を含む完全な文や疑問文で入力されます。先ほどの「to」の例のように、機能語1つで意味が変わるのは、そのぶん文として組み立てられているからです。

「to」の読み違いで、意味が変わってしまう例機能語1つで、検索の意図が逆転することがあります「to」の読み違いで、意味が変わってしまう例機能語1つで、検索の意図が逆転することがあります誤った理解「2019 brazil traveler to usa need avisa」「to」の向きを読み違えるアメリカ人がブラジルへ渡航する情報、と誤解される正しい理解同じ検索文を正しく解釈する「to」の向きを正しく読み取るブラジル人がアメリカへ渡航する情報、と分かる
「to」の読み違いで、意味が変わってしまう例 — 機能語1つで、検索の意図が逆転することがあります

この章のまとめ

1つめの特徴は、自然な言い回しです。単語を並べるだけなら助詞は落ちますが、話しかける文では助詞や前置詞が意味を担います。だから機能語ひとつで結果が変わります。

03コンバセーショナルクエリのもう1つの特徴「文脈依存」は、AI検索でどう働くんですか?

2つめは、文脈依存です。直前のやり取りを前提にした省略や代名詞の使用のことです。学術論文は、この現象を「Anaphora(前方照応)」「Ellipsis(省略)」と呼びます。

フォローアップ質問が前のターンを参照する仕組み2ターン目の「その」は、1ターン目の内容を指していますフォローアップ質問が前のターンを参照する仕組み2ターン目の「その」は、1ターン目の内容を指しています11ターン目の質問「情報検索とは何か」22ターン目の質問「その有名な研究者は?」
フォローアップ質問が前のターンを参照する仕組み — 2ターン目の「その」は、1ターン目の内容を指しています

論文が示す例では、1問目で「情報検索とは何か」を尋ねた後、2問目で「その有名な研究者は誰か」と続けます。論文はこの2問目の代名詞(its)が、1問目の「information retrieval」を指すと説明しています。文脈を追わなければ、2問目だけを読んでも意味は確定しません。

Googleブログは、AI Modeについて独自の言い方もしています。「traditional search engine and conversational AI(従来の検索エンジンと、会話型AIの間)」に位置する体験だという表現です。

この章のまとめ

コンバセーショナルクエリは、話し言葉に近い言い回しと、前の会話に依存する性質という、2つの特徴で成り立っています。

04コンバセーショナルクエリを、AI対策が苦手でも分かる友達の会話にたとえてもいいですか?

若葉さん
若葉さんの発言

なんとなく分かってきた気がするんですが…友達との会話みたいなもの、と考えていいんでしょうか?

鈴木さん
鈴木さんの発言

いいたとえですね。まさにその感覚です。整理してみましょうか。

はじめて会った人に単語だけ渡すような検索(「カフェ 渋谷 営業時間」)と、気心の知れた友達に話しかけるような検索(「渋谷でまだ開いてるカフェ、ないかな」)。この2つの違いを、たとえで整理してみます。

友達との会話にたとえると前の話を覚えている相手には、「その店」で通じます友達との会話にたとえると前の話を覚えている相手には、「その店」で通じます身近な会話でいうと検索の言葉でいうと気心の知れた友達に話しかけるコンバセーショナルクエリ「その店」が誰の話か、前の会話から分かる前方照応(Anaphora)はじめて会った人に単語だけ渡す従来のキーワード検索会話の続きとして「じゃあ他には?」と聞けるAI Modeのフォローアップ質問
友達との会話にたとえると — 前の話を覚えている相手には、「その店」で通じます

友達との会話では、「その店」と言われても、直前に何を話していたかを覚えているので、指している対象が分かります。これが前方照応です。逆に、はじめて会った人に単語だけを渡すような検索は、文脈を共有していない相手に伝える言い方なので、コンバセーショナルクエリには当てはまりません。

この章のまとめ

コンバセーショナルクエリは「文脈を共有した相手に話しかける」ような検索です。単語を並べるだけの検索とは、性質が違います。

05ロングテールクエリとコンバセーショナルクエリとは、AIOでどう使い分けるんですか?

高梨課長
高梨課長の発言

鈴木さん、これ「ロングテールクエリ」とは別物ということですよね。うちのSEO担当が、この2つの使い分けに迷っていたので。

鈴木さん
鈴木さんの発言

はい、測っている軸が違うんです。表で整理してみますね。

コンバセーショナルクエリは、別記事『ロングテールクエリとは|AI時代に増える質問文検索』と混同されやすい概念です。しかし、両者が測っている軸は異なります。

観点ロングテールクエリコンバセーショナルクエリ
定義の軸語数が多く検索ボリュームが小さいクエリ話し言葉に近い言い回しと文脈依存性
短い質問も該当するか該当しない(語数が少ないと定義上外れる)該当する(「それ、いくら?」も含む)
主な観測領域キーワードリサーチ・検索ボリューム分析検索窓・チャット型インターフェースの言い回し
測っている「軸」が違いますロングテールクエリとコンバセーショナルクエリ測っている「軸」が違いますロングテールクエリとコンバセーショナルクエリロングテールクエリ語数が多い検索ボリュームが小さい短い質問は該当しないキーワードリサーチで見るものコンバセーショナルクエリ話し言葉に近い言い回し前の文脈に依存する短い質問も該当する検索窓の言い回しで見るもの
測っている「軸」が違います — ロングテールクエリとコンバセーショナルクエリ

「東京 渋谷 深夜営業 猫カフェ」は語数が多くロングテールクエリに該当しますが、単語の並びであり文脈依存もないため、コンバセーショナルクエリには当てはまりません。反対に「それ、いくらなの」は語数が少なくロングテールクエリの典型ではありませんが、直前の会話を前提にした話し言葉であり、コンバセーショナルクエリに該当します。2つの用語は独立した軸です。実際のクエリは、どちらか一方だけに分類されるものと、両方の性質を兼ね備えるものに分かれます。

AIが1つの質問を複数の検索に分解する仕組みは、別記事『クエリファンアウトとは|1つの質問が分解される仕組み』で扱っています。コンバセーショナルクエリが入力側の言い回しを指すのに対し、クエリファンアウトはAI側の処理を指す点が違います。文脈依存の短い質問の意味を汲み取れるのは、別記事『セマンティック検索とは|キーワード一致からの脱却』の仕組みが土台にあるためです。

この章のまとめ

ロングテールクエリは語数と検索ボリュームで決まり、コンバセーショナルクエリは言い回しと文脈依存性で決まります。優先順位ではなく、見る対象が違います。

06コンバセーショナルクエリを踏まえ、実務では、AI検索対策のどこに気をつければいいですか?

高梨課長
高梨課長の発言

仕組みは分かりました。それで、実際にうちの記事づくりでは、何を変えればいいんでしょうか。

鈴木さん
鈴木さんの発言

大がかりな変更はいりません。3つに絞ってお伝えしますね。

会話型の言い回しが増えてきたことを踏まえ、記事づくりで気をつけたいAI対策のポイントを3つに絞りました。

実務で気をつける3つのポイント特別なツールは要りません実務で気をつける3つのポイント特別なツールは要りません1見出し・FAQを疑問文のまま設計する想定質問をそのまま見出しにします2フォローアップ質問の答えを同じ記事内に用意する「費用は?」「デメリットは?」まで含めます3文を指示語なしで完結させる「これ」「前述の」に頼らず、1文だけで意味が通る形にします
実務で気をつける3つのポイント — 特別なツールは要りません

今日から使える3つのポイント

  1. 見出し・FAQを疑問文のまま設計する

    Googleブログは、AI Modeで「ask follow-ups to dig deeper(掘り下げるためにフォローアップで聞く)」ようになると説明しています。想定質問をそのまま見出しにしておくと、この言い回しに合いやすくなります

  2. フォローアップ質問の答えを同じ記事内に用意する

    会話は1問で終わらないことが前提です。「費用は?」「デメリットは?」といった追加質問の答えを本文に含めておくと、フォローアップの段階でも同じ記事が参照され続けやすくなります

  3. 文を指示語なしで完結させる

    AI側が会話の途中で文章の一部だけを取り出して答えに使う可能性がある以上、「これ」「前述の」で始まる文は切り出された瞬間に意味を失います。1文だけで読んでも意味が通るかを、公開前の点検項目に加えます

この章のまとめ

記事づくりで見るのは、見出しの形・追加質問の答えの置き場所・指示語の3点です。どれも新しいツールではなく、既存記事の書き方の見直しで対応できます。

07コンバセーショナルクエリについて、「音声検索と同じ」というAI検索対策の誤解は、なぜ間違いなんですか?

若葉さん
若葉さんの発言

あ、じゃあ、声で検索したときだけの話じゃないんですね?

鈴木さん
鈴木さんの発言

そうなんです。そこがよく誤解されるポイントなので、整理しておきますね。

「コンバセーショナルクエリ=音声検索」という誤解があります。この用語は話し言葉に近い言い回しを指すもので、入力手段を音声に限定しません。AI Modeのようなチャット型のAI検索では、キーボード入力の文章でも会話型の言い回しになります。判定基準は、声か文字かではなく、文の作られ方です。

この章のまとめ

判定基準は、声か文字かではありません。文がどう作られているかで決まります。

08コンバセーショナルクエリとロングテールクエリを同じと見るのは、AI対策としてなぜ危ないんですか?

「コンバセーショナルクエリ=ロングテールクエリ」という誤解もあります。この誤解が実務で危ないのは、対策の入口を検索ボリュームの一覧だけに寄せてしまうところです。ボリュームの数字が付かない短い質問は一覧に上がってきませんが、「それ、いくらなの」のような文脈依存の言い回しは、まさにその取りこぼされる側に入ります。語数を数える物差しと、文の作られ方を見る物差しは、別に持っておきます。

やってしまいがちな誤解どちらも「入力手段」や「語数」に目を奪われて起きますやってしまいがちな誤解どちらも「入力手段」や「語数」に目を奪われて起きます音声検索のことだと思い込む入力手段ではなく、文の作られ方で決まりますロングテールクエリと同じだと思い込む語数ではなく、言い回しと文脈依存性で決まります文の作られ方で判定する声か文字かではなく、ここが判定基準です
やってしまいがちな誤解 — どちらも「入力手段」や「語数」に目を奪われて起きます

この章のまとめ

語数の多さだけを見て対策を一本化すると、短い文脈依存のクエリを取りこぼします。2つの用語は、別の物差しとして持っておきます。

09よくある質問

コンバセーショナルクエリは、AI Modeのような専用インターフェースでしか発生しませんか?

いいえ。Google公式は2019年、BERT導入時点でこの対応を進めていました。通常のGoogle検索も対象で、会話型インターフェースの登場より前からの取り組みです。

ロングテールクエリとコンバセーショナルクエリ、どちらを優先すべきですか?

優先順位ではなく、見る対象が異なります。ロングテールクエリの把握にはキーワードリサーチと検索ボリュームの分析が必要です。コンバセーショナルクエリへの対応には、見出し・FAQを疑問文にする、文を指示語なしで完結させるといった文章設計の見直しが必要です。

フォローアップ質問への対応は、どの記事で確認できますか?

本記事で扱ったのは、コンバセーショナルクエリという言い回し自体の定義です。AIが1つの質問をどう複数の検索に分解するかという処理の仕組みは、別記事『クエリファンアウトとは|1つの質問が分解される仕組み』で解説しています。

コンバセーショナルクエリは、音声検索と同じ意味ですか?

同じではありません。話し言葉に近い言い回しと文脈依存性を指す言葉で、入力手段を音声に限定しません。キーボードで入力された文章でも、前の文脈に依存していればコンバセーショナルクエリに当てはまります。

10まとめ|語数ではなく、文の作られ方で見直す

コンバセーショナルクエリとは、話し言葉に近い自然文で入力され、代名詞や省略で前の文脈に依存する検索クエリです。Google公式は2019年のBERT導入から、一貫してこの種のクエリへの対応を進めてきました。

ロングテールクエリとは測っている軸が異なるため、どちらか一方を優先するのではなく、両方を別の物差しとして持っておくことが実務では役立ちます。

もう一度、今日から見直せる3つ

  1. 見出し・FAQを疑問文のまま設計する

    想定質問をそのまま見出しにします

  2. フォローアップ質問の答えを同じ記事内に用意する

    「費用は?」「デメリットは?」まで含めます

  3. 文を指示語なしで完結させる

    「これ」「前述の」に頼らず、1文だけで意味が通る形にします

AI検索では、こう聞かれています

  • コンバセーショナルクエリって何ですか?

    「コンバセーショナルクエリとは、LLMO対策でも重要と聞きますが何ですか?」の章で、定義と具体例を説明しています

  • ロングテールクエリと何が違うんですか?

    「ロングテールクエリとコンバセーショナルクエリとは、AIOでどう使い分けるんですか?」の章で、図と表を使って説明しています

  • AI Modeのフォローアップ質問に対応するには、記事をどう書けばいいですか?

    「コンバセーショナルクエリを踏まえ、実務では、AI検索対策のどこに気をつければいいですか?」に3つのポイントがあります

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