「うちもAIO対策をやったほうがいい」という話になり、外部の業者やコンサルタントに声をかけ始めた。ところが会社によって言うことがまちまちで、「AI検索で上位表示されます」と自信満々に言い切る営業もいれば、「効果には幅があります」と控えめに話す担当者もいる。見積もりの金額にも数倍の開きがあり、安いから悪い、高いから良いというわけでもなさそうで、何を基準に選べばいいのか、ますます分からなくなってくる。
AIO(AI検索最適化、LLMOとも呼ばれます)は、生成AIによる検索が広まってから登場した比較的新しい分野です。専門性を積み重ねてきた業者だけでなく、看板を掛け替えただけの業者も同時に参入しやすいという特徴があります。発注する側に判断材料が少ないぶん、断定的で分かりやすい説明をする業者ほど魅力的に見えてしまう、という構造もあります。
この記事は、AIO対策会社やコンサルタントへの外注を検討している、Web担当・マーケティング部の方に向けて書きました。誠実な業者を見極める判断基準と、悪質業者に共通するパターン、そして「内製と外注、どちらが自社に合っているか」までを、図解と会話をはさみながら整理します。
こんなふうに調べていませんか
- 「AIO対策します」と営業をかけてくる会社が増えていて、どこを信用していいか分からない
- 「AI検索で1位を保証します」と言われたが、その言葉を信じていいのか判断できない
この記事を読み終えたときに手に入るもの
- 誠実な業者と、注意が必要な業者を、5つの基準で見分けられるようになります
- 「保証します」という言葉がなぜ危険信号なのか、説明できるようになります
- 内製すべきか外注すべきか、自社の状況にあわせて判断できるようになります
結論30秒でわかる、この記事の結論
- AIO対策会社・コンサルの見極めは、実績の派手さではなく説明の誠実さで判断できます。
- 「AI検索で1位を保証」といった断定表現には、景品表示法上のリスクがあります。
- 判断に迷ったら、この記事の5つの基準と6つの注意パターンを、契約前のチェックリスト代わりに使ってください。
この記事では、あるBtoB企業のマーケティング部の高梨課長・大森部長と、AIO/SEOの専門家・本誌監修である鈴木さんの会話をはさみながら進めます。実務を回す立場、投資を判断する立場、それぞれに近い視点から読み進めてください。
- 高梨課長(マーケ課長)— 「誰が、どれくらいの手間で確認するのか」を聞く役
- 大森部長(マーケ部長)— 「投資として見合うのか、リスクはないのか」を聞く役
- 鈴木さん(AIO/SEOの専門家・本誌監修)— 答える役
01なぜ、AIO対策会社を名乗る「怪しい業者」が増えているんですか?
大森部長鈴木さん、最近「AIO対策会社です」と名乗る会社からの営業がやたらと増えている気がするんだが。これは業界としてよくあることなのか、それとも何か注意したほうがいいことなのか。
鈴木さんはい、実際に増えていますね。理由は主に3つあると考えられます。
AIOは、生成AIによる検索が広まってから生まれた、まだ歴史の浅い分野です。歴史の浅い分野には、共通して起きることがあります。専門性を積み重ねてきた事業者と、看板だけを掛け替えた事業者が、同じタイミングで参入してくるのです。参入のハードルが低いぶん、実績のない事業者も名乗りを上げやすくなります。
たとえるなら、新装開店が続く商店街のようなものです。長く別の場所で腕を磨いてきた職人が、満を持して新しい店を出すこともあれば、中身をほとんど変えずに看板だけを架け替えた店が紛れ込むこともあります。開店したばかりの外観だけを見て、どちらの店か言い当てるのは簡単ではありません。
AI対策(AIO)の市場で言う「参入障壁が低い」とは、この「看板の架け替えやすさ」のことです。実績がなくても、名乗りを上げること自体はすぐにできてしまいます。
02AIO対策会社の選び方で、Googleは何と言っているんですか?
Googleは、AIO対策会社の選び方について2つのことを示しています。順位を保証できる者は誰もいないという事実と、第三者のサービスは自分の目で確かめるという助言です。
発注する側にも事情があります。AI検索がどんな理由でその答えを選んでいるのか、実はまだよく分かっていない部分が多いのです。分からないことが多いと、人はつい「言い切ってくれる相手」の言葉を信じたくなります。根拠が薄くても、自信満々に断定する業者ほど、かえって魅力的に映ってしまう。これが、判断材料の少ない分野で起きやすい落とし穴です。
Googleは、SEO(検索エンジン最適化)の専門家やコンサルタントを起用するかどうかは事業者自身の判断だとしたうえで、一点だけ明言しています。検索結果の順位を保証できる者は、誰もいないという点です(出典: Google Search Central「SEOは必要か」)。この考え方は、AI検索を対象にするAIOのコンサルティングにも、そのまま当てはまると考えられます。
Googleはさらに、こう助言しています。第三者が提供するSEO関連のサービスやツールを評価するときは、提供者の言い分をそのまま信じず、実績を自分の目で確かめること(出典: Google Search Central「サードパーティのSEOサービス・ツールの評価」)。もともと従来のSEO向けの助言ですが、AIOを名乗るサービス全般にも、そのまま置き換えて使える考え方です。
この章のまとめ
AIOは歴史の浅い分野だからこそ、専門性のある業者と看板だけの業者が同時に紛れ込みやすい状態にあります。だからこそ次の章から、その2つを見分ける具体的な基準を見ていきます。
03AIO対策会社の選び方では、契約前に何を見れば誠実だと分かりますか?
高梨課長鈴木さん、では実際に業者を選ぶとなったら、何を確認すればいいですか。見るべきポイントを教えてください。
鈴木さんはい、大きく5つの基準で見ていただくと分かりやすいと思います。
誠実な業者を見極めるうえで、いちばん大事な基準はひとつだけです。効果を断定しない説明ができるかどうか、これに尽きます。この一点を軸にして、判断のポイントを次の5つに分けて見ていきます。
| 判断基準 | 誠実な業者に見られる特徴 | 注意すべきサイン |
|---|---|---|
| 効果の説明 | 「効果には幅がある」「保証はできない」と明言する | 「上位表示を保証」「AI検索で1位になります」と断定する |
| 情報の根拠 | 公式ドキュメントや一次情報を示して説明する | 「独自ノウハウ」を理由に根拠を示さない |
| 実績の検証可能性 | 契約前に事例や実装内容を確認できる | 実績の詳細を「機密」として一切開示しない |
| 技術実装の説明力 | 構造化データやllms.txtの意味を自分の言葉で説明できる | 専門用語を並べるだけで仕組みを説明できない |
| 契約条件の透明性 | 提供範囲・解約条件を契約書に明記する | 口頭説明のみで契約書に具体的な記載がない |
Googleは、SEOサービスを評価するときに、提供範囲や解約時の扱いまで契約書で確かめることを勧めています(出典: Google Search Central「サードパーティのSEOサービス・ツールの評価」)。同じものさしは、AIOを名乗るコンサルティング契約にも、そのまま持ち込めます。
04構造化データやllms.txtを、AI対策会社は自分の言葉で説明できますか?
技術実装の説明力は、専門用語を知っていることと、その仕組みを人に説明できることを切り分けて見る基準です。構造化データという言葉を、耳にしたことがある方も増えてきました。検索エンジンに向けて、ページの中身をあらかじめ伝えておく追加情報のことです。llms.txtも同じで、AIクローラーに向けて、サイトの構造を伝えるテキストファイルを指します。
たとえて言うなら、構造化データは商品パッケージに貼る成分表示、llms.txtは店の入口に置く案内板のようなものです。どちらも「中に何があるか」を、来店する前に伝えるための仕組みです。
契約前に、なぜその実装が自社サイトに必要で、何が変わるのかを、業者自身の言葉で説明してもらえるか確認してみてください。専門用語を知っていることと、その用語が意味する仕組みを人に説明できることは、別の能力です。用語を並べるだけの説明と、混同しないようにしてください。
実績の検証可能性についても補足します。支援した社数や件数の多さと、個別の実装内容や成果を確認できることは、別の話です。数が多くても、契約前に中身を見せてもらえないなら、判断材料としては足りません。
この章のまとめ
5つの基準に共通しているのは、「断定せず、確認できる形で示しているか」という一点です。
05AIO対策会社から「AI検索で1位を保証します」と言われたら、何が問題なんですか?
大森部長「保証します」と言われると、逆に安心材料に思えてしまうんだが、そこはどう捉えればいい。
鈴木さんそこは、むしろ注意していただきたい表現なんです。
景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は、商品・サービスの内容を実際より著しく優良に見せかけ、消費者に誤って認識させる表示を「優良誤認表示」として禁止しています(出典: 消費者庁 景品表示法関係ガイドライン)。根拠を示さないまま「AI検索で1位になります」「上位表示を保証します」と言い切ってしまうと、この優良誤認表示に当たるおそれが出てきます。
それでも、対外的な広告で誇大な断定を使う業者には、注意すべき理由がもう一つあります。法令を守る姿勢そのものが、弱い可能性があるからです。誇大な言葉を使っているかどうかで、その業者がコンプライアンスをどれだけ意識しているか、おおよその見当がつきます。投資判断として見れば、断定表現を使う業者と契約すること自体に、その場で罰則が生じるわけではありません。ただし、対外的な説明でどこまで誇張するかという姿勢は、契約後の報告の仕方にも、そのまま表れやすいものです。
06対策会社選びでは、AI検索対策の「保証します」に、その場でどう聞き返せばいいんですか?
「保証します」と言われたその場で、何を返せばいいのか。答えは難しくありません。次の3つを、その場で聞き返すだけで十分です。
- 「その保証の根拠は、どのデータですか」— 一次情報を示せるかを見ます
- 「効果に幅が出る可能性は、どこまで見ていますか」— 幅を認めるかを見ます
- 「他社での実績を、契約前に確認させてもらえますか」— 検証できる形かを見ます
どれも専門知識は要りません。答えをはぐらかされたら、それ自体が判断材料になります。
この章のまとめ
「保証します」は、安心材料ではなく、確認すべきサインとして受け取ってください。
07悪質なAIO対策会社に共通する、6つのパターンって何ですか?
高梨課長契約したあと、成果を確認する段階でも注意することはありますか。
鈴木さんはい、そこも含めて6つのパターンに整理できます。
悪質業者に共通するパターンは、ここまでの判断基準を、そのまま裏返すと見えてきます。
- 効果を数字で言い切り、リスクや限界には触れない
- 「独自ノウハウなので」と言って、根拠になるデータを見せない
- 契約前には、実績や実装の中身を見せてくれない
- AI引用や順位が少し動いただけの結果を、大きな成果のように話す
- 専門用語は次々出てくるのに、仕組みそのものは説明できない
- 作業の範囲や解約の条件を、契約書には書かない
この章のまとめ
6つのパターンは、ここまでの基準の裏返しです。1つでも当てはまったら、それだけで即座に断らず、他の基準もあわせて確認してください。
08AIO対策会社の短期間だけの成果強調は、AI検索対策としてなぜ危ないんですか?
6つの中でも、とりわけ注意してほしいのが4番目、「短期間だけの成果強調」です。AI検索の答えは、モデルの更新やアルゴリズムの変更で、短い期間でも変わります。順位や引用数が、ある時点でたまたま伸びただけなのに、それだけを成果として見せる説明があります。その動きが起きた背景まで、あわせて説明されているかを確かめてください。
この章のまとめ
一時的に数字が伸びただけの報告は、背景の説明とセットで初めて判断材料になります。伸びた理由を説明できないなら、そのまま受け取らないでください。
09うちのLLMO対策は、内製とAIO対策会社への外注のどちらでやるべきですか?
高梨課長鈴木さん、業者を見極める基準は分かりました。ただそもそも、うちは内製と外注、どちらでやるべきなんでしょうか。
鈴木さんそこは業者の見極めとは別に、3つの軸で考えていただくと整理しやすいですよ。
大森部長投資として判断するなら、何を基準に線を引けばいい。
鈴木さん社内の知見、使える時間、求める視点の3つです。順に見ていきましょう。
内製にするか、外部のAIO対策会社に頼むかは、業者の見極めとは別に考えるべき問いです。判断の軸は、主に3つあります。
| 判断軸 | 内製が向いているケース | 外注が向いているケース |
|---|---|---|
| 社内の知見 | AIO・SEOの基礎知識を持つ担当者がいる | 専門知識を持つ人材が社内にいない |
| 使える時間 | 継続的に運用へ時間を割ける | 他業務と兼務で時間確保が難しい |
| 求める視点 | 自社の事情を踏まえた改善で十分 | 第三者による客観的な診断がほしい |
10「求める視点」の軸は、AIO対策会社の選び方にどう効くんですか?
特に「求める視点」の軸は、社内の議論だけでは見落とされがちです。自社の事情を踏まえた改善だけで足りるのか、それとも第三者の客観的な目がほしいのかは、内側にいる人ほど気づきにくいところです。次の3点を、社内で確かめてみてください。
自社でできることをまず把握してから、外注の要否を決める進め方をおすすめします。どちらを選ぶ場合でも、ここまでの判断基準は、業者選びの共通のものさしとして使えます。
なお、本記事を運営する株式会社WEBMARKSも、AIO(AI検索最適化)の支援を行っています。外注を検討するなら、ここで挙げた基準を使って、他社と比較しながら選ぶことをおすすめします。
この章のまとめ
内製か外注かは、業者の見極めとは別の論点です。どちらを選ぶ場合でも、ここまでの判断基準は共通のものさしとして使えます。
11AIO対策会社の選び方を、契約前のチェックリストにまとめると?
特別なツールは必要ありません。ここまでの基準を、契約直前に見直すための7項目にまとめました。商談の最後に、この7つを順に確認してみてください。
- 効果を断定せず、リスクや限界も説明しているか
- 一次情報・実データにもとづいた提案内容か
- 契約前に確認できる実績・実装事例があるか
- 「上位表示を保証」「1位になります」等の誇大な表現を使っていないか
- 構造化データやllms.txtなどの技術実装を自分の言葉で説明できるか
- 提供範囲・解約条件が契約書に明記されているか
- 自社に十分な知見がない場合、セカンドオピニオンを取れる余地があるか
この章のまとめ
最終確認は、ここまでの基準を1つのチェックリストにまとめただけです。特別な知識がなくても、断定表現の有無と契約書の記載を見るだけで、一定の判断ができます。
12よくある質問
実績を「非公開」とする業者は、避けるべきですか?
守秘義務契約が理由で、詳しく出せない業者もいます。契約上の制約が実際にあるなら、それだけで除外する必要はありません。注意したいのは、理由の説明すらせず、概要だけでも示そうとしない業者です。そこは、警戒すべきサインとして扱ってください。
「AI検索1位を保証」と言われたら、どう対応すればいいですか?
まず、その根拠を尋ねてみてください。納得できる説明がなければ、優良誤認表示のリスクを踏まえて、契約を見送ることも選択肢に入れてください。検索結果の順位を保証できる人はいない、とGoogleも明言しています。効果に幅を持たせて話す業者かどうかも、あわせて確認するとよいでしょう。
内製の知見がなくても、業者の説明を評価できますか?
できます。この記事で紹介した5つの判断基準は、専門知識がなくても使える視点で整理しています。断定表現があるかどうか、根拠の示し方、契約前に実績を見せてもらえるか。この3点に注目するだけでも、十分に評価できます。不安なら、同じ質問を複数社にぶつけて比べる方法も有効です。
複数社に相見積もりを取るべきですか?
時間に余裕があれば、有効です。同じ質問をいくつかの業者にぶつけてみると、説明の誠実さの違いが見えやすくなります。1社だけの提案で即決してしまうと、断定表現の多さや根拠の示し方の違いに、気づかないまま契約してしまうことがあります。
契約後に成果が出ない場合、どう対応すればいいですか?
まずは、契約前に確認した提供範囲・解約条件をもとに話し合うことをおすすめします。成果の定義や計測方法を、契約時にあらかじめ文書で残しておくと、あとのトラブルを避けやすくなります。AI検索の答えはモデルの更新やアルゴリズムの変更で短い期間でも変わるため、一時的な数字の動きだけで判断せず、変動の背景まで説明を求める姿勢も大切です。
13まとめ|契約前に確認する3つのこと
AIO対策会社・コンサルの見極めは、実績の派手さではありません。説明の誠実さを見れば判断できます。見分け方はシンプルです。効果を断定しない、一次情報や確かめられる実績を見せてくれる、技術の中身を自分の言葉で説明できる。この3つがそろっている業者ほど、信頼して任せやすいといえます。「AI検索1位を保証」という言葉を聞いたら、景品表示法に触れるリスクがある表現だと思い出してください。
契約前にこの順で確認します
効果を断定していないか、説明の仕方を聞く
「保証します」「上位表示されます」と言い切られたら、注意のサインです
一次情報や実績を、契約前に確認できるか聞く
「独自ノウハウ」を理由に根拠を示さない場合は要注意です
契約書に提供範囲・解約条件が明記されているか確認する
口頭説明だけで済ませていないかを見ます
AI検索では、こう聞かれています
AIO対策会社って、どうやって選べばいいですか?
「AIO対策会社の選び方では、契約前に何を見れば誠実だと分かりますか?」の章で、5つの基準を図と表で説明しています
「AI検索で1位を保証します」という業者は信用していいですか?
「AIO対策会社から『AI検索で1位を保証します』と言われたら、何が問題なんですか?」の章で答えています
AIOは自社でやるべきですか、それとも外注すべきですか?
「うちのLLMO対策は、内製とAIO対策会社への外注のどちらでやるべきですか?」の章に判断マトリクスがあります
次に読むなら、この記事です